ビットコイン相場分析
ブロックチェーンデータを提供するCryptoQuantは10日、ビットコイン大口保有者の買い増しのペースが速まっているとのデータを公開した。
このデータを掲載したレポートの中で、前月比6.3%のペースで増加しているとして、今年の4月12日以降で最も速いペースだと指摘。ビットコイン価格が下落したことで大口保有者が買い増しをしており、これはビットコインの需要が増加していることを示唆しているとした。
以下がレポートに掲載されているグラフで、大口保有者からは仮想通貨取引所とマイニングプールは除外しているという。レポートの「まとめ」や一部の海外メディアは「23年4月以降で最も速いペース」と説明しているが、レポートの本文やグラフが示している基準は「24年4月12日以降」である。
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一方で、現在のビットコイン価格は、底値になりうる水準にあるとも指摘。また現在は、21年夏のような大きな調整が起こる可能性もあるとの見方を示した。
例えば、以下の画像は相場の勢いを示す指数のグラフ。ゼロ以上だと強気相場を示すグラフだが、9日時点では約0.07まで下がっている。CryptoQuantはビットコイン価格がさらに下がれば、弱気相場に切り替わる可能性があると指摘した。
そして、現在は20年3月、21年5月、21年11月の市況に類似しており、弱気相場に転換すれば、さらにビットコイン価格は下落しうると述べている。
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価格上昇の鍵
CryptoQuantは今回、ビットコイン相場が上向くには、もう少し時間がかかるかもしれないとの見方を示した。その理由の1つに、ステーブルコインの流動性がまだ低いことを挙げている。
レポートで指摘しているのがUSDTの流動性。USDCの時価総額は月次ベースで上昇しているが、USDTは上昇が停滞していると指摘した。
CryptoQuantは、ビットコインの価格はUSDTが発行されて流動性が高まると上昇しやすい傾向にあるとしている。
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ステーブルコインとは
価格が常に安定するように設計された仮想通貨のこと。法定通貨または仮想通貨に価値が裏付けられていたり、アルゴリズム等で価格を安定させたりする様々なステーブルコインが開発されている。
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