仮想通貨に対する方針転換を要望
米国の暗号資産(仮想通貨)業界団体である、デジタル商工会議所は22日、ジョー・バイデン大統領が後任候補として支持を発表したカマラ・ハリス副大統領に書簡を送付した。
デジタル資産とブロックチェーン技術について前向きなアプローチを取ることを勧める内容だ。
バイデン政権がこれまで、こうした分野に対して慎重で、時には敵対的な姿勢をとっているため、世間では民主党が仮想通貨に否定的な見方をしているという認識があると指摘している。
その上で、これまでの敵対的な態度は、民主党の進歩的な価値観を反映しておらず、ハリス氏が大統領候補に立候補する際には、世間の認識を変えるチャンスがあると続けた。
デジタル商工会議所は、次の3つのことをハリス氏に要望している。
- 民主党の綱領に、デジタル資産を支持する言葉を含めることを提唱する。
- デジタル資産政策に精通した副大統領候補を選ぶ。
- デジタル資産業界のリーダーと会い、その技術を育成する政策について話し合う。
仮想通貨やブロックチェーンの技術を採用することで、米国で経済成長とイノベーション、金融包摂を促進できる可能性を解き放てるとも述べた。
また、仮想通貨は、従来の金融商品と比較して、民主党の大きな支持層である黒人やラテン系アメリカ人、移民コミュニティの間でより高い割合で採用されているとも指摘している。
22日にバイデン氏の大統領選撤退が伝えられ、ドナルド・トランプ前大統領がますます優勢となっている状況だ。トランプ氏は仮想通貨擁護を全面的に打ち出している。
イーロン・マスク氏はバイデン氏撤退宣言後、Xアカウントのプロフィール写真を、仮想通貨を支持していることを示す「レーザーアイ」に変更した。
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グレースケールの調査によると、仮想通貨の保有率は、共和党支持者と民主党支持者の間でほぼ同等だった。また、若い世代で仮想通貨の支持が多い傾向がみられる。
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ハリス氏の見解は?
ハリス氏は、これまで仮想通貨やブロックチェーンに対して、あまり発言しておらず、どのような見解を抱いているかは不明だ。
ただ、同氏が副大統領を務めるバイデン政権はこれまで、銀行が仮想通貨カストディを行うことを難しくする米証券取引委員会(SEC)のガイドラインを覆す法案に拒否権を発動するなど、仮想通貨には否定的な方針を取ってきた。
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一方で10日には、バイデン大統領の顧問が、仮想通貨業界リーダーらと意見を交わす会議に出席するなど、歩み寄りの姿勢を示す動きもある。
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SEC(証券取引委員会)とは
株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。
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