「ビットコイン2024」が見せた可能性
米暗号資産(仮想通貨)運用企業Bitwise(ビットワイズ)のマット・ホーガン最高投資責任者は7月31日、仮想通貨カンファレンス「ビットコイン2024」のハイライトを報告した。
FTXが破綻した二年前と比べて仮想通貨をめぐる状況が進展しており、「ビットコインの可能性を改めて考える時が来た」と述べている。
ホーガン氏は、特に三人の登壇者が、ビットコインを米国政府の財務資産として保有することを提案したことに言及した。
まず、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ氏が、米国政府による戦略的なビットコイン備蓄に関する計画を発表し、米国を「世界の仮想通貨の中心地」にしたいと述べたことを指摘している。
トランプ氏は、当選した場合、現在米司法省が保有している約21万BTCを売却せず、国家戦略的な備蓄に充てる予定だと話した。
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また、シンシア・ルミス上院議員(共和党)が、米財務省が公開市場で100万BTCのビットコインを取得することを求める法案を提出している。
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ビットコイン備蓄で一番大胆な案を出したのは無所属の大統領候補ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏である。米財務省がビットコインを積み立て、最終的に400万ビットコインを取得することを求める格好だ。
仮想通貨の政治的な力
ホーガン氏はその他に、ロー・カーナ下院議員(民主党)が、所属する民主党に対して、仮想通貨に対する「過去の敵対的な政策を撤回」し、ビットコインをアメリカの金融の将来における重要な要素として受け入れるよう求めたことにも言及した。
また、ビル・ハガティ上院議員(共和党)やマーシャ・ブラックバーン上院議員(共和党)も、カンファレンスの席でビットコインへの支持を表明したと伝えている。
政治家は票を集めるためにこうした姿勢を示している部分もあると考えられるが、仮想通貨業界が現在政治的な力を持っていることが重要だとも述べた。
ホーガン氏は、8,000万人以上のアメリカ人が仮想通貨を所有しており、業界はワシントンで最大のスーパーPACの1つを持っているとも指摘した。
「スーパーPAC」(特別政治行動委員会)は政治資金団体の一種だ。中でも、仮想通貨を支持するスーパーPAC「Fairshake」は6月時点で選挙資金を1億6,000万ドル(250億円)保有しており、政党に匹敵する規模となっている。
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コインベースと米司法省が協力
また、ホーガン氏は1年前に、米SECがコインベースを提訴したが、一方で今年、米司法省の連邦保安官局が仮想通貨のカストディサービス提供者としてコインベースを選択したとも指摘した。
連邦保安官局は、犯罪者などから押収した仮想通貨を保管するためにコインベースとの提携を選んだ形だ。コインベースの実績と、機関レベルの仮想通貨サービスを安全に提供できる能力を理由としている。
ホーガン氏は、こうしたことを挙げて、ビットコインによる準備金を始め「1年前なら空想の産物だった」ようなアイデアが現在提出されていると感慨を述べた。
仮想通貨投資家はいつでも下落リスクを念頭に置かなければいけないが、その反対に思いがけず上昇するリスクについても同等に受入れる必要があると結論している。
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