CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨パニック売りから一夜明け大幅反発 昨日のロスカット規模は10億ドル水準に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

前週末24日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比1,033.9ドル(2.6%)安の38,703ドル、ナスダック指数は576ポイント(3.4%)安の16,200で取引を終えた。

米雇用統計など経済指標の悪化を受け、ナスダックは過去最高値から-10%を超え調整局面入りしている。

三井住友DSアセットマネジメントのストラテジスト市川氏は、「米景気下振れ懸念とナスダックの調整局面入りについて」のレポートを掲載。FRBの適切な金融政策などで過度な景気悲観論が和らげば、米国株は次第に落ち着きを取り戻す」と言及した。

東京株式市場では、昨日の前日比4,451円(12.4%)安の歴史的暴落から一転。本日の日経平均株価(前場)は前日比3,000円高を上回り、34,416円まで急反発した。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比3.3%高の1BTC=55,513ドルに。

BTC/USD日足

一時49,050ドルまで暴落し、その後反発した。底打ち判断するには早計であり、この後の値動きをよく注視したい。

暗号資産(仮想通貨)先物市場における5日のロスカット(強制清算)額は、ロングポジションだけで8億ドル(1150億円)規模に達した。ショートポジションでも2.8億ドルのロスカットが出ており、合わせて10億ドルを超えた。いかにボラタイルな相場であったかを如実に物語る。

CoinGlass

8億ドルは、24年3月上旬の8.8億ドルに次ぐ今年2番目の水準であり、時価総額の剥落は、22年1月以来最大となった。

Parsecによると、AaveなどのDeFiプロトコルでのオンチェーン清算規模は3億5000万ドルを超え、イーサリアム(ETH)およびラップドトークンに集中した。このことがビットコイン(BTC)を超過するイーサリアム(ETH)の下落率に拍車をかけたものと見られる。

一方、OI(未決済建玉)の減少はポジティブだ。高値圏でエントリーした、あるいはハイレバレッジの建玉が清算され、投機筋の退場で上値が軽くなるため、相場のアク抜けに繋がりやすくなる。

大手ベンチャーキャピタル(VC)Jump Tradingによる3億ドルを超える大口送金がオンチェーンデータで観測されたことも、イーサリアム(ETH)への売り圧力のトリガーとなったとの指摘がある。

米商品先物取引委員会(CFTC)の調査の影響を受け、暗号資産(仮想通貨)市場から撤退する計画との不確実な噂に基づいたものだ。

関連:Jump Crypto、数億ドル相当のイーサリアムを売却か

10xリサーチの創設者であるマルクス・ティーレン氏は、「米国経済が悪化して不況に陥った場合、BTCは42,000ドルまで下落する可能性がある」との見立てを示した。

20年3月のコロナ・ショック同様のパニック売りを彷彿とさせるとの見解も根強い。

予想を下回る米雇用統計と株価暴落などのマクロ経済要因を背景に、一部専門家からはFRB(米連邦準備制度)に対し緊急利下げを求める声も上がっている。著名な経済学者で米ペンシルベニア大学の金融学名誉教授を務めるジェレミー・シーゲル氏は5日、フェデラルファンド金利を臨時で75ベーシスポイント引き下げ 、9月にはさらに75ベーシスポイント引き下げるよう求めた。

過去50年間で前例のない政策ミスを示唆しており、フェデラルファンド金利は現時点で3.5%から4%の間が妥当だという。

現在の暗号資産(仮想通貨)市場はマクロ経済の影響を色濃く受けており、8月2日に発表された米雇用統計の弱さや中東情勢における緊張の高まりなどを受け、米主要株指数が急落したことでリスク回避姿勢に傾いた。

大統領選でビットコイン支持を表明しているドナルド・トランプ氏が以前より劣勢に立たされていることも、暗号資産(仮想通貨)相場にはネガティブと見られる。

米ナッシュビルで開催されたビットコイン2024カンファレンスでは、米国をビットコイン大国にするため、備蓄したビットコインを「国家戦略準備金」として充てる方針など、大胆な政策を示唆した。

関連:トランプ前米大統領、ビットコインを「国家戦略準備金」に充てる方針示す ゲンスラーSEC委員長の解任にも言及

一方、ポリティコの報道によれば、カマラ・ハリス副大統領は、かつてバイナンスのグローバル諮問委員会に所属していたバラク・オバマ元大統領の政治顧問を務めたDavid Plouffe氏を雇用したという。

関連:ビットコインETFは日本で買える?現物BTCとのメリット比較や関連銘柄の買い方も紹介

相場が大荒れ模様となる中、ビットコイン上場投資信託(ビットコインETF)の取引量は、8月5日に10億ドルを超えた。取引開始からわずか45分で23億ドルの取引量を記録したという。

関連:暴落直後のビットコイン相場をプロが解説|寄稿:仮想NISHI

関連:ステーキングや積み立てサービスに優位性、仮想通貨取引所「SBI VCトレード」のメリットを解説

ソラナ(SOL)上場の国内取引所

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
16:43
秋元康プロデュース『MEN'S YOAKE AUDITION 2024』 ソニューム採用
秋元康氏総合プロデュースのもと、YOAKE entertainmentが仕掛ける次世代型メンズグループオーディション。Web3技術を活用し、グローバル市場を狙う。Soneiumブロックチェーンが変えるエンタメの未来とは。
16:18
「ビットコイン半減期・ETF承認後のBTCはどうなる?」業界アナリスト3人が長期目線で相場分析|WebX2024
半減期・ビットコインETF承認後のビットコイン(BTC)価格について、大手暗号資産(仮想通貨)取引所を運営する企業に務めるトップアナリスト3名が、長期目線での相場分析を行なった。
15:42
Kaikoが仮想通貨取引所の世界ランク発表 ビットバンクが上昇
Kaikoが発表した2024年Q3仮想通貨取引所ランキングを分析。日本の3大取引所がトップ30入りし、特にビットバンクが世界12位までランクアップした。各社の強みと課題、業界動向を詳しく解説。
14:55
BitMEX創業者アーサー・ヘイズがショート解消した理由 一転してビットコイン上昇予想に転じる
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、早ければ今週にもビットコインの価格が上昇する可能性があると予測。自身のビットコインの空売りポジションを清算したと報告した。
14:21
米国株や仮想通貨投資家に人気を博す「シーキング・アルファ」の優位性と使い方
日本人でもNISA投資先で人気の米国株。米国株や暗号資産(仮想通貨)のおすすめプラットフォーム「シーキング・アルファ(Seeking Alpha)」を利用するメリットと使い方について、初心者向けに詳しく紹介します。
12:04
NFTの平均寿命は1年1ヶ月、およそ96%が消滅=レポート 
NFT(非代替性トークン)の96%がすでに消滅し、平均寿命は約1年という報告がなされた。一部の成功例もあるが、市場の困難と慎重な投資の必要性が指摘されている。
12:00
SBI VCトレードとメタプラネットの提携を独自取材
仮想通貨取引所を運営するSBI VCトレードと、ビットコインを戦略的に蓄積するメタプラネットとの提携を独自インタビュー。提携のメリットや今後の展望などについて聞いた。
10:10
東京電力グループのアジャイルエナジーX、再エネ活用ビットコインマイニングの可能性を模索
東京電力の子会社アジャイルエナジーXが、再生可能エネルギーを活用したビットコインマイニングに着手。余剰電力の有効利用と再エネ促進を目指す。
09/08 日曜日
12:00
今週の仮想通貨市場 主要銘柄の注目材料まとめ|XRPL機能強化やSuiゲーム機先行販売
今週は雇用統計データを受けビットコインが続落した。他にも仮想通貨イーサリアムに関する分析や、ソラナ・SUI・XRPの銘柄情報があった。
11:36
今週のビットコインは下落 景気後退懸念でリスクオフムードが波及|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストがビットコイン相場を分析。リセッション(景気後退)懸念が強まり、今週の暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコイン(BTC)が大幅下落した。FOMCの注目度が高まっている。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|日本の仮想通貨税制に高い関心
今週は、金融庁による税制改正要望での仮想通貨取引への言及、国民民主党の玉木代表による自民総裁選への要望、ドナルド・トランプ前大統領による演説に関するニュースが最も関心を集めた。
09/07 土曜日
16:26
仮想通貨取引所のレンディングサービス徹底比較
ビットコインなど長期保有する暗号資産(仮想通貨)を貸し出し、利息を受け取る投資法であるレンディングサービス。仮想通貨取引所ごとにどのようなサービスがあるのか、主な特徴とメリットについて解説。
15:00
2026年までに米国企業が最大1.5兆円のビットコインを購入か=レポート
仮想通貨ビットコインを財務資産として購入する米企業が増加中。リバー社は、企業によるビットコイン保有量は2026年までに最大94万枚になると推算。
12:30
リップル共同創業者ら88名の実業家、米大統領選でハリス氏支持を表明
米リップル社のラーセン氏、著名投資家キューバン氏など88名の実業家が米大統領選でハリス氏支持を表明した。
11:15
予測市場KalshiがCFTCに勝訴、11月米国選挙で市場立ち上げへ
米予測市場KalshiがCFTCとの裁判に勝利。11月の米国選挙に向けて新たな予測市場の開設が可能になった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア