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「仮想通貨TONは、脱テレグラムを必要とするか?」海外大手取引所Bitgetが考察

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「脱テレグラム」がいずれ必要となるか

暗号資産(仮想通貨)The Open Network(TON)は、2024年に入ってから急速な成長を遂げている。特に、チェーン上のアクティビティの増加や新しいトークンの発行が相次ぎ、その価格は大きく上昇した(年初来:2.5倍、ATH時では3.6倍)。

この成長の背後には、人気メッセージングアプリTelegram(テレグラム)との密接な関係がある。Telegramは9億人以上のユーザーを抱え、その広範なネットワークがTONの成長を大きく後押ししている。

出典:DeFillama(TONブロックチェーンのTVL、約6.2億ドルで9位)

しかし、Telegramが規制の不確実性に直面する中、TONとの関係性の持続可能性に疑問が投げかけられている。仮想通貨取引所Bitgetが16日に発表したレポートでは、TONエコシステムの過去の取り組みや将来の展望について詳しく分析されている。その中で、TONとTelegramの関係がもたらす利点とリスクについても言及されている。

TONとテレグラムの関係・歴史

  • 2018年: Telegramの創設者たちは、ブロックチェーンソリューションを探求し、数百万人のユーザーをサポート可能なLayer1チェーンであるTONを設計。TONトークンの販売を通じて、17億ドルを調達。
  • 2019年: TelegramはTONブロックチェーンの設計を完了し、2つのテストネットワークを立ち上げたが、SECによる訴訟のためTONのローンチは延期。
  • 2020年: TelegramはTONプロジェクトを放棄し、和解金を支払い、資金を返還。NewTONチームが開発を引き継ぎ、プロジェクトの進展を継続。
  • 2021年: Testnet2はMainnetに改名され、NewTONチームはTON Foundationに再編。TONはTON-ETHおよびTON-BSCブリッジを導入し、プロジェクトは主要な取引所に上場。
  • 2022年: TONは急速に成長し、TONノミネーター、TON DeFi、開発者プログラム、TON DNS、TON支払い、TONプロキシ、TONサイト、TONストレージなどの機能を導入。
  • 2023年: クロスチェインブリッジ、TON Connect、トークンツール、DAO、データリポジトリ、デフレメカニズムの導入、Telegram、TON Space、Wallet Pay、Tencent Cloudとの提携によって、技術とエコシステムがさらに強化。
  • 2024年以降: TONエコシステムは、TONブラウザー、TL-B、スマートコントラクトインターフェース、マルチシグ2.0、ウォレット5.0、ガスレス取引、Tap-to-Earnゲーム「Notcoin」などによって進化。TONの大規模な普及の可能性が注目されるようになった。
  • 2024年8月: DOGSは、Telegramユーザー一人ひとりにトークンをエアドロップし、Telegramの9億人のユーザーベースを活用してWeb2ユーザーをWeb3の世界にシームレスに導入。このトークンは、中央取引所で非常に人気のある資産に。

出典:Bitget

レポートによると、TelegramはこれまでTONにとって重要な支援を行ってきたものの、その規制上の問題が長期的にはエコシステムに脅威をもたらす可能性があるという。特に、Telegramに対する規制環境が厳しくなることで、TONの国際的な展開や普及にも影響を与える恐れがあると指摘されている。

このような状況を踏まえ、TONはTelegramへの依存度を減らし、多様化を進める必要があるだろう。Bitgetは、リスクを軽減するだけでなく、新たなユーザー層を獲得しエコシステムを強化するためにも、多様化が不可欠だと強調している。新たなパートナーシップや市場開拓を進めることで、より強靭な基盤を築くことが求められている。

TONネットワークの主要なトラフィックは、ロシア、ウクライナ、ウズベキスタンなどのCIS地域が中心となっている。次いで、インドやパキスタンなどの南アジア諸国からのアクセスが多い。さらに、ナイジェリアなどの発展途上国では、無料のトークン報酬を提供するTelegram Mini Botプロジェクトが人気を集めている。これは、かつてフィリピンでAxie Infinityが人気を博したのと似た現象だ。

一方で、Telegram自身は厳しい状況に置かれている。2024年8月24日、フランス当局はTelegramの共同創設者でCEOのPavel Durov氏を逮捕した。この出来事はTONの価格だけでなく業界全体に大きな影響をもたらし、Durov氏は現在も厳しい保釈条件下に置かれている。

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また、Durov氏は最近、Telegramのプライバシーポリシーに関する重要な変更を発表し、政府へのユーザーデータ提供の可能性についても言及した。

それでもTONエコシステムはTelegramへの支持を表明しており、表現の自由やDurov氏の解放を求める運動も展開されている。しかし、このような状況下でTONとTelegramの関係は重要な岐路に立たされており、Telegramへの依存度が高いままだと、今後の運営にもマイナスな影響を及ぼす可能性があると分析されている。

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