約1150億円相当のビットコインの移動
16日にテスラが保有する約1150億円相当のビットコイン(11,509BTC)が移動され、売却観測も浮上していたが、同社が新規ウォレットへの送付を実施したとの分析が明らかになった。
ブロックチェーン分析企業アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)は22日、テスラによるビットコインの大規模な移動について「ウォレットローテーション(セキュリティ対策の一環)」との見解を示した。現在、当該ビットコインは7つのウォレットに分散して保管されているという。
アーカムは「BTCを担保とした融資(レンディング)を受けるため、カストディアン(暗号資産の保管事業者)へ送付した可能性がある」を指摘。同社のX(旧Twitter)への投稿によると、テスラは依然として全残高を保有しているとみられる。
詳細なトランザクション分析によれば、16日6時3分(UTC)頃から、テスラの既存アドレスから複数回に分けて合計3,432 BTC(約340億円相当)の送金が確認された。その後も送金は継続し、最終的に全保有分が移動したという。
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テスラのビットコイン投資
BitcoinTreasuriesのデータによると、テスラは2021年2月に約15億ドル規模のビットコイン投資を実施。ピーク時には4万3000BTCを保有していたが、2022年第2四半期には約1,380億円(9億3,600万ドル)相当を売却している。
今年1月の決算発表後、同社は1,789 BTCの追加購入を実施。3月時点での保有総数は11,509 BTC(68アドレス)に達し、マスク氏が率いるSpaceX(28アドレス)も8,285 BTCを保有している。テスラは公開企業としてマイクロストラテジー、マラソン・デジタル、ライオット・プラットフォームに次ぐ、第4位のビットコイン保有者となっている。
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