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米政府、FTXサム前CEOからの20億円規模の政治献金返還めぐり交渉中

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政治グループとの交渉期間を延長

米国政府は1日、ニューヨーク南部地区の地方裁判所に請願書類を提出。破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの前CEOら名義で行われた寄付金の返還について、いくつかの政治活動グループと交渉する時間を延長した。

複数の政治活動委員会(PAC)と交渉した上での回答期限を2024年11月1日から2025年1月15日まで延期した格好だ。ルイス・カプラン判事がこの請願を承認している。

PACとは、米国の政治資金団体の形式だ。米国では企業や組織が政治家や政党に直接献金を行うことは禁止されているため、政治資金団体であるPACを設立して資金調達を行い、それを寄進する形をとっている。

具体的な政治活動団体名としては、上院多数派PAC、フューチャー・フォワードPAC、フューチャー・フォワードUSAアクション、エミリーズ・リスト/ウィメン・ボート、GMI PACなどの名前を挙げた。

米国政府は、こうした団体がサム氏らから受け取った最大1,325万ドル(約20億円)の資金の没収可能性について、引き続き協議していくとしている。

背景として、FTXのサム氏は様々な罪状で起訴されたが、その中の一つに不正な政治献金があった。顧客資金を不正に流用し、その中から2022年の米中間選挙前に米国の民主党と共和党への政治献金として計1億ドル(約153億円)以上を供出したというものである。

関連:FTXサム前CEO、米国政治献金疑惑で再告発

2022年12月時点でFTXの新経営陣は、こうした献金を受け取った者が自発的に資金を返還しない場合、訴訟を起こすと声明を述べていた。FTXによる、債権者への資金を回収するための動きの一環でもある。

10月には裁判所がFTXの破産計画を承認した。債権者の98%が請求額の少なくとも118%を現金で返済されることになる。

関連:FTX返済計画承認、米裁判所が約2年越しの破産手続きに終止符

エンジニア責任者名義での寄付も

政治献金などのデータを収集するOpenSecretsによると、サム氏および元FTXエンジニアリング責任者のニシャド・シン氏から、今回名前の挙げられた団体に寄付が行われていた。

シン氏はサム氏の求めに応じて寄付を行い、寄付金に充てられる白紙の小切手に署名することもあったと証言している。シン氏は最近、サム氏に不利な証言をした後、3年間の保護観察処分という判決を受けて実刑を免れた。

もし仮に他の名義でも寄付が行われていた場合は、関連する額がさらに多くなる可能性もある。

なお、3月に地方裁判所のルイス・カプラン判事は電信詐欺、商品詐欺、マネーロンダリングその他の罪状でサム氏に懲役25年の判決を言い渡した。

その後9月、サム氏側は控訴。初犯で物理的な暴力をともなわない犯罪であることや、FTXとその姉妹会社アラメダリサーチには支払い能力があったことなどを主張し、再審を求めている。

関連:FTX前CEOバンクマン・フリード氏、25年懲役判決に控訴 再審求める

FTXとは

SBF氏が率いていた仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。その後に経営破綻し、11月に米国で破産申請を行なっている。

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