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米金融大手キャンター・フィッツジェラルド、ビットコイン貸付・融資事業でテザーからの支援検討か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

テザー社との関係を強化か

米金融大手キャンター・フィッツジェラルドは、数十億ドル規模のビットコイン(BTC)融資・貸付事業について、ステーブルコイン発行企業のテザー社から支援を受けることを検討している。

ブルームバーグなどが報じた。テザー社の株式の内5%を取得したという。

関係筋によると、テザー社による支援が実現すると、この新事業は“数百億ドル”規模のものになる可能性があるという。なお、キャンター・フィッツジェラルドが今年7月にこの新事業を発表した際には、初期資金を20億ドル(約3,070億円)としていた。

キャンター・フィッツジェラルドは、大手投資銀行として、特に債券取引において高い評価を得ているほか、Web3関連事業への関心も高い。ハワード・ラトニックCEOは、今回の事業について、ビットコイン投資家の資金調達ニーズをサポートし、従来型金融と仮想通貨に橋をかけるものだと話している。

テザー社はステーブルコイン以外にも事業を拡大しているところだ。金融インフラ、AI、バイオテクノロジーなどのハイテク分野に重点を置く投資部門の他、コモディティ貿易での融資事業も開始している。

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さらに、ウォールストリートジャーナルによると、キャンター・フィッツジェラルドは2023年、テザー社の株式を5%を取得することで合意していた。関係筋は、取引成立時点で、この5%の株式は6億ドル(約920億円)に相当したと述べている。

キャンター・フィッツジェラルドは、2021年よりテザー社の資産を管理しており、現在は1,320億ドル(約20兆円)規模にのぼるテザー社準備資産の多くの部分を預かって年間数千万ドル規模の手数料を得ていると伝えられる。

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USDT追加発行

テザー社は23日、イーサリアム(ETH)とトロン(TRX)のネットワークで30億ドル(約4,611億円)相当のUSDTを追加発行したところだ。Lookonchainによると、テザー社は今月8日以来、合計約130億USDTを発行している。

USDTの価格は米ドルと1対1で紐づいているため、トレーダーにより仮想通貨と法定通貨の仲介手段に使われることも多い。トランプ氏の大統領再選で市場が活発化する中、USDTへの需要も高まっているとみられる。

関連:米仮想通貨業界団体、トランプ新政権に5つの優先事項を提案

トランプ氏、ラトニックCEOを商務長官に起用

米国のドナルド・トランプ次期大統領は19日、キャンター・フィッツジェラルドのラトニックCEOを商務長官に指名した。ラトニック氏はこれにともない、キャンター・フィッツジェラルドのCEOを退く見込みだ。

ラトニック氏は以前よりトランプ氏と同じように関税引き上げを唱えてきた。この点についても商務長官として責任を担っていくことになる。

ラトニック氏はトランプ陣営の政権移行チーム共同議長を務めており、一時的に財務長官の候補としても名前が挙がっていた。その後、トランプ氏は仮想通貨支持派のスコット・ベセント氏を財務長官に起用する方向で最終調整していると報じられている。

関連トランプ次期米大統領、仮想通貨支持派のベセント氏を財務長官に起用する方向

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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