仮想通貨の大統領令
米国の暗号資産(仮想通貨)業界は、トランプ次期政権が大統領令で仮想通貨政策を実行できるように働きかけていることがわかった。業界関係者や情報筋の話としてロイターが23日に報じた。
特に、ビットコイン(BTC)の準備金創設、業界の銀行サービスへのアクセス、仮想通貨諮問委員会の設立を実現しようと動いている模様。こういった大統領令を就任100日以内に出すこと、そして、その内の最低1つは就任初日に発令することを業界は期待しているという。
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トランプ氏は移民政策などについて、就任初日に大統領令を出すとされている。大統領令とは、政府機関に対して米大統領が独断で出すことができる行政命令のことだ。
仮想通貨の大統領令を出す可能性を指摘する声は以前から上がっている。例えば、仮想通貨決済サービスを提供するStrikeのジャック・マラーズ創設者は14日、トランプ氏が就任してすぐにビットコインを購入する大統領令を出す可能性があると意見した。
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また、17日にはビットコイン政策研究所が、「戦略的ビットコイン準備金」に関する大統領令の草案をまとめ、内容を公開している。
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今回の報道によると、Polygon Labsの法律・政策部門のトップはトランプ氏の仮想通貨政策について「大統領選で公約したことを考慮すると、就任初日に大統領令で優先順位を示すか、少なくともロードマップを提供することが必要だ」との見方を示している。
なお、現時点ではトランプ氏が仮想通貨に関する大統領令を実際に出すかは不明確だ。
大統領令の具体例
今回報じられた大統領令の具体例は以前から伝えられている内容。ビットコインの準備金創設については、米国が国家としてビットコインを購入・保有する法案がすでに提出もされている。
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また、業界の銀行サービスへのアクセスについては今月、米共和党議員が下院金融サービス委員会の公聴会で、仮想通貨業界への銀行サービスが制限されている状況を調査すると述べた。
そして、仮想通貨諮問委員会の設置もトランプ氏の公約の1つ。今年7月開催の「ビットコインカンファレンス」に登壇した際、仮想通貨に友好的な政権運営の一環として新たな諮問委員会を設置することをトランプ氏は約束していた。
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