CoinPostで今最も読まれています

韓国大手企業カカオ、LINEに続き仮想通貨ICO実施|340億円相当の資金調達予定

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

韓国モバイル大手企業カカオがICOプロジェクトで約340億円調達予定
韓国の大手企業カカオが子会社Group XのプライベートセールのICOを通して約340億円の資金調達を予定していることがわかった。世界的なモバイルアプリを提供する大手企業がアメリカ、日本、また韓国の3カ国で限りなく規制を満たす事が注目点。

韓国大手企業カカオ、規制遵守を優先的に考慮したICOを実施予定か

2017年熱狂的な仮想通貨市場を有していた韓国では、同年9月より投資家保護などを理由にICOが全面禁止していたが、首都ソウルのブロックチェーン都市化計画などのブロックチェーンスタートアップ支援などをきっかけに、韓国政府も規制方針の議論を重ね、ICOに対する態度は軟化、合法化も含め、方針固めへ動いている。

国家政策委員会の委員長であるMin Byung-doo氏もICOに厳しい対応を図ろうとする韓国政府に対する懸念を示すなど、国会全体がブロックチェーンや仮想通貨に対する向き合い方は、他国と比較すると高い水準であった。

しかし、翌年2018年の下落期を経て、約一年経った18年12月になった現在も、ICOに対する政府の公式な見解は未だ明らかにされていない。

カカオがプライベートセールを実施

未だ動かぬICO規制だが、韓国大手インターネットサービス企業で、メッセージアプリカカオトークや電子決済サービス、カカオペイを運営するカカオが、ICOで3億ドル(340億円)の資金を調達予定であることが明らかになった。

韓国のハンギョレ新聞の報道によると、この資金調達は、独自トークンClayの、海外投資家を対象にしたプライベートセールを通じて行われる模様だ。

トークンを発行するカカオ社のブロックチェーン関連子会社、東京に拠点を置くGround X社がプライベートセールの主体企業である可能性が高まっているが、韓国法人の可能性もあり、現状では詳細は明らかになっていない。

しかし、日本と韓国共に、ICOに関する取り締まり強化が見られているが、トークンセールが日本や韓国企業や機関投資家向けに売られるかが、今後の注目点となりそうだ。

カカオ社とICO

カカオ社は韓国のメッセージアプリでは90%近くのシェアを誇り、インターネットサービスをリードする主要企業で、同社は今年3月にスイスにブロックチェーン関連会社を設立し、ICOを実施する計画があると報じられたものの、韓国の規制当局である金融委員会(FSC)からの警告を受け断念した経緯がある。

7月、 FSCのChoi Jong-ku長官はカカオ社のICO計画に対して厳しい態度を示していた。

仮想通貨やデジタル資産の取引は禁止されていなくても、カカオ社のICOは、発行方法によっては、不正またはマルチ商法とみなされる可能性がある。

投資家保護の面でリスクが非常に高いため、政府はICOに否定的な立場である。

このような経緯があることから、今回の資金調達について、カカオ社側は以下の通り、韓国規制当局の矛先をかわす道筋を作った模様だ。

カカオ社は、新たな資本調達を通して、グローバルなブロックチェーンエコシステムの改善と成長を図るため、戦略的パートナーを確保することに尽力してきた。

(今回の資金調達は)プライベートセールとしてみられる向きもあるが、個人投資家には開放されておらず、カカオ社と提携している機関が参加している。

現在のところ、資金調達ラウンドに関する正確な数値を確定することはできず、また当社はこのイニシアチブに関与している企業を公開する立場にはない。

カカオ社としては、パートナー企業との意思疎通を図ることが優先される。

米政府からの視点

プライベートセールによる資金調達は、アメリカ証券取引委員会(SEC)のJay Clayton 長官の所見にもかなうようだ。

Clayton 長官は、ほとんどのICOは有価証券に分類され、ICOもSECの規制の範疇に入るとの考えを明らかにしている一方で、プライベートセールによる資金調達は、SECに登録することなく行えると次のように述べている。

ICOによって資金調達を行おうとする人々は、プライベートな募集として行うか、SECに登録する必要がある。

日本での合法性

一方、日本におけるICO規制の枠組みづくりも前進をみせている。

11月27日、金融庁が個人投資家保護を図るため、独自通貨を販売する事業者に、金融庁への登録を義務付ける方針であることが報道された。

その中で、承認された投資家には、ICOへの参加を許可する可能性が浮上したと報道されている。

その点において、カカオ社が 韓国政府のICO規制に敏感に配慮し、日本の子会社Block Xを通して資金調達を行ったことにより、今回の資金調達は日本の規制の枠内に収まる可能性が高くなったと考えられる。

つまり、カカオ社の資金調達法は、アメリカ、日本、韓国および、環境の類似した主要各国の規制を満たすものに極力近づける方策であるといえるのではないだろうか。

今回の資金調達の報道により、以前からのMin委員長の懸念が顕在化したともいえるが、韓国政府がICO規制整備に向け、さらなる一歩を後押しすることになるかもしれない。

CoinPostの関連記事

韓国アプリ大手のカカオとステーブルコインプロジェクト「Terra」が提携
カカオは今年初め、ブロックチェーン関連子会社のGround Xを立ち上げ、自社開発のブロックチェーン開発プラットフォーム「Klaytn」に9社のパートナーを発表するなど、LINEとは対照的な戦略をとっている。
金融庁、投資家保護のためICO投資を制限:金商法を改正か
金融庁が、投資家保護のためICO規制に取り組む姿勢を見せた。1日に時事通信社は、金融庁が独自通貨を販売する事業者に登録を義務付ける方針であると報道した。同局は、投資家保護を図るべく、新たにICOを行う事業者に対し登録制を設ける方針で、来年の通常国会に金融商品取引法、資金決済法の改正案の提出を目指す。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/08 火曜日
19:40
金価格と連動する仮想通貨ジパングコイン 買い方からレンディングまで解説
金価格と連動する仮想通貨ジパングコイン(ZPG)の特徴と魅力を解説。購入方法からSBI VCトレードでのレンディングまで詳しく紹介。安定性と高利回りを兼ね備えた新しい金投資の形を探ります。
16:00
ビットコインETF、2億3500万ドルの資金流入 フィデリティがけん引
米国のビットコインETF(上場投資信託)市場は7日、12種類全体で2億3500万ドル(348億円)の純流入を記録。2営業日連続の流入超過となった。大半はフィデリティが運用するF…
14:00
仮想通貨スイ(SUI)2ドル超え最高値に迫る 価格上昇の材料は
仮想通貨Sui(スイ)が急成長している。価格2ドル超えで最高値に迫り、日次取引数がソラナを上回った。DeFiのTVLではトップ7にランクインする躍進ぶりだ。
13:10
サトシ・ナカモト候補者の愛猫ミームコイン誕生 ビットコイン発明者の正体に注目集まる
HBOドキュメンタリーの公開を前に、サトシ・ナカモト候補であるレン・ササマン氏の愛猫をモチーフにしたミームコインが登場した。
11:05
ソラナプロジェクトへの投資需要が堅調推移、3Q(7ー9月)に250億円以上調達
仮想通貨ソラナエコシステムへの投資が2024年第3四半期に急増し、250億円以上を調達。FTX崩壊後の回復を示し、大型プロジェクトもソラナに移行中。
10:45
バイナンス、仮想通貨ウォレット凍結に慎重姿勢
仮想通貨取引所バイナンスは、対象のパレスチナ人のウォレットを凍結して欲しいというイスラエル軍の要請に対し、86%を凍結しなかったことがわかった。金融調査部門のトップが事情を説明している。
09:35
中国株大幅上昇、仮想通貨からの資金移動加速か 政府の景気刺激策受け=報道
中国政府の景気刺激策を受け、一部の中国人投資家が仮想通貨から株式市場へ資金を移動している可能性。USDTの取引価格にディスカウントの傾向が見られる。
08:25
FTX返済計画承認、米裁判所が約2年越しの破産手続きに終止符
米裁判所が仮想通貨取引所FTXの破産計画を承認し、総額約2.3兆円が顧客に返還される見込み。裁判の詳細や今後の支払いスケジュールを解説。
07:45
トランプ氏勝利の可能性、ポリマーケットでハリス氏を上回る
米大統領選に向けてポリマーケットでは現在、共和党候補のトランプ氏が勝つ可能性が民主党候補のハリス氏を上回っている。トランプ氏は早くから仮想通貨を支持する姿勢を明確に示してきた。
07:00
ヴィタリック、ムーデンミームコイン売却し約2700万円を寄付
仮想通貨イーサリアム共同創設者ヴィタリックがムーデン(MOO DENG)ミームコインを売却し、得られた資金を慈善団体に寄付。寄付後、ムーデンの価格は急騰し、一時3倍以上に上昇した。
06:26
ビットコイン、「強気な10月」再来か QCP Capital指摘
10月は仮想通貨ビットコインが「Uptober」として強気相場を見せる月として知られているが、今年の市場はどうなるか。QCP Capitalのアナリストは依然として強気の見通しを持ち、雇用統計やHBOのドキュメンタリーがビットコイン市場に注目を集めている。一方、ミームコイン市場も活発な動きを見せている。
10/07 月曜日
19:24
アラブ首長国連邦(UAE)が付加価値税制改正、仮想通貨取引の課税免除を発表
アラブ首長国連邦(UAE)が付加価値税(VAT)を改正し、仮想通貨取引の課税免除を発表した。仮想資産を伝統的な金融商品と同様の文脈で捉えていることを示唆し、2018年1月1日からの取引に対して遡及的に適用される。
16:55
イーサリアム改善案EIP-7782「処理速度向上とDEX効率化」で注目集める
イーサリアムの新提案EIP-7782はネットワーク処理速度33%向上を目指す。スロットタイム短縮でDEX効率22%改善、年間1億ドルのコスト削減につながる可能性も。
15:05
メタプラネット、ビットコイン保有量は639.5BTCに
メタプラネットは、10月7日に10億円分のビットコインを追加購入し、累計保有量は639.5BTCに達した。プットオプション取引で2億円超の利益も確保。
14:25
重要コアアップデート「Bitcoin Core 28.0」リリースへ、攻撃に対する脆弱性を解消
DoS攻撃などへの脆弱性対策を踏まえ、ビットコインコアの重要アップグレードである「Bitcoin Core 28.0」がリリースされた。なお、ビットコイン現物ETFは10月4日に純流入に転じ、約38億円の資金が流入した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア