ビットコイン現物ETF取引開始から一年
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)現物ETFが米国で2024年1月10日に承認、翌日から取引開始されてから一年が経過した。これらのETFの累計取引高は現在6,600億ドル(約104兆円)を超えたところだ。
専門家が、その影響や今後の見通しなどを分析している。
ブルームバーグのETFアナリストであるジェームズ・セイファート氏は11日、ローンチされてから1年後の資産額が大きかったETFのランキングを提示した。
Just how big was the first year for Bitcoin ETFs?
— James Seyffart (@JSeyff) January 10, 2025
MASSIVE
Here's a list of the largest ETFs 1 year after they launched. Even if you inflation adjust the assets, 4 of the Bitcoin ETFs are in the top 20 US ETF launches of all time. $IBIT, $FBTC, $ARKB, and $BITB pic.twitter.com/MQuf6wp9Fe
トップはブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」であり、二位のQQQを抑えて約523億ドル(約8兆円)に達している。さらに、フィデリティのFBTCが四位で約197億ドル(約3兆円)だった。
また、アークインベストのARKBとビットワイズのBITBも歴代トップ20以内にランクインしている。セイファート氏は、ビットコインETFの初年度流入がいかに大きかったを示すとした。
ビットスタンプ米国部門のボビー・ザゴッタCEOは、米国で現物ETFが承認されたことの意義を二つ挙げている。
一つ目は「あるレベルの正当性」であり、主要な政府規制当局がビットコインETFを資産クラスとして認めたことは、米国の人々にとって、そして世界の人々にとっても影響力があると指摘した。
また、二つ目については次のように述べている。
非常によく知られた信頼できる経路でビットコインへのエクスポージャーを提供したことに意義がある。既に人々が様々なETFを扱ってきた歴史があり、その仕組みはよく知られている。
個人投資家と機関投資家の両方において導入がすぐにできるものであり、ますます多くの新しい参加者を引き寄せた。
ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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今後の見通しは
取引開始から1年が経ち、今後さらに資金流入がある可能性を示唆する意見もある。カナリー・キャピタルのスティーブン・マクルーグCEOは、次のように述べた。
12か月という節目は重要だ。それは、投資アドバイザーがETFをポートフォリオに割り当てることの可能性を検討し始める時期であるからだ。
割り当ての決定が下されるまでには、6か月から2年かかることがある。
米仮想通貨資産運用会社ビットワイズは、2025年市場展望レポートで、米国の現物ビットコインETFへの資金流入は、昨年を上回ると予測していた。
ゴールド(金)ETFを参考にすると資金流入は年を追うごとに増加しており、規制などの環境が変化すればモルガン・スタンレーやメリルリンチ、バンク・オブ・アメリカなどの金融大手も、本格参入する可能性があると述べた。
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