「企業の購入が市場を後押し」と予測
暗号資産(仮想通貨)運用企業ビットワイズのマット・ホーガン最高投資責任者は14日、企業によるビットコイン(BTC)購入は、市場を押し上げるメガトレンドだとするレポートを発表した。
今後12~18か月で何百もの企業が財務資産としてビットコインを購入し、ビットコイン市場全体が上昇するだろうと独自予想。「メガトレンド」だと考える理由を三つ挙げている。
- マイクロストラテジーの購入量だけでも大きい
- 多くの企業がBTC保有を開始している
- 今後、BTCを購入する企業が急増すると見込まれる
まず、ビットコインを戦略的に購入している企業の筆頭であるマイクロストラテジーだけでも、昨年約256,000 BTC以上を購入したことに言及。これは2024年に採掘されたすべてのビットコイン(218,829 BTC)よりも多いと指摘した。
マイクロストラテジーは、2027年までに、420億ドル(約6.6兆円)を調達し、その一部をビットコイン購入に充てる「21/21プラン」を発表している。ホーガン氏は、大企業もマイクロストラテジーのやり方に倣い始めたらどうなるかと問いかけた。購入規模がより大きくなる可能性を示唆する格好だ。
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ホーガン氏は次に、ビットコイン購入を行っている企業はすでに多いと指摘している。現在、70社の上場企業が財務資産としてビットコインを保有しており、今後も増えると予想した。
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ただ、強固な収益基盤をすでに持つ大企業がマイクロストラテジーほど活発なBTC購入を行うかは現在のところ不透明である。例えば昨年12月、マイクロソフトの株主総会はビットコインをバランスシートに追加する提案を却下した。
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「会計規則の変更が大きな購入要因に」
ホーガン氏は最後に、今後ビットコインを購入する企業が増えると考えられる理由を説明。まず、ドナルド・トランプ氏が次期大統領に選出されたことで、新政権に仮想通貨を受け入れる体制ができていることに触れた。
これによって、企業がビットコインをバランスシートに保有することの評判上のリスクが低下していると述べる。
また、さらに大きな要因としては、昨年12月から、米国で上場企業の財務報告方法を統括する財務会計基準審議会が、ビットコインの会計処理方法を変更する新しい規則を導入したことを挙げた。
米国の一般に認められた会計原則(GAAP)ではこれまで、仮想通貨は無形資産扱いで、企業は価値が下がった場合に減損として計上しなければならなかった。
さらに、値上がり分を反映させることもできず、後になってから資産価値が回復しても評価損を修正することはできない。企業にとっては、帳簿上の企業価値が下がることにつながっていた。
しかし今後は、ビットコインの価格が上昇した場合、企業はその価値を時価評価して利益を計上することが可能になる。
GAAPとは
英語で「Generally Accepted Accounting Principles(一般に公正妥当と認められた会計原則)」の略。この原則は国ごとに異なり、米国会計基準はUS-GAAPと呼ばれている。米国企業の多くはGAAPに基づくものと、基づかないもの(Non-GAAP)の2種類を用いて決算発表を行っている。
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