仮想通貨事業を一部制限か
韓国の大手暗号資産(仮想通貨)取引所Upbitは、同国規制当局の金融情報分析院(FIU)から9日に、規制違反の処罰に関する通知を受け取ったことがわかった。現地メディアが16日に報じた
同社の本人確認手続き(KYC)などにおいてマネーロンダリング対策(AML)に不備があったことは以前から報じられている。今回の通知では20日までに意見書を提出するようUpbitに要請しており、それをもとに最終的に処罰の内容が決められるという。
Upbitを巡っては昨年11月、今回と同じメディアが顧客確認義務違反の疑いを報じていた。韓国の規制にもとづいてUpbitのライセンス更新に関する現場検査を8月末から実施する中で、顧客確認義務違反の疑いが浮上。今回の報道はこの時の続報である。
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現場調査では、約70万件の顧客確認義務違反があったと今回は報じられた。前回の報道では50万件から60万件と伝えられていたため、件数が増加している。
具体的には、身分証明書上の名前や登録番号が不鮮明で本人確認が適切に行われていないにもかかわらず、口座が開設されていたケースなどが確認されているようだ。
UpbitはFIUの通知に対し20日までに意見書を提出し、21日には処罰の内容が決定される予定。現時点では、新規ユーザーに対する最大3カ月間の業務制限などが科される可能性があるという(最大6カ月との報道もあり)。
また、韓国の法律では顧客確認義務違反1件につき最大1億ウォン(約1,065万円)の罰金が科せられる可能性もあり、Upbitの事業継続にも影響を及ぼす可能性が指摘されている。
他にもFIUは、韓国以外の投資家へのサービス提供についても調査を行った模様。本来、韓国の仮想通貨取引所は、実名が確認された韓国国民にしかサービス提供が認められていない。
Upbitのライセンス更新手続きは現在も審査中だ。
Upbitについて
Upbitは2017年に創設された仮想通貨取引所。仮想通貨投資家が多い韓国で、約70%のマーケットシェアを誇る。
また、各種データを見ると、世界的にも出来高は多い。「The Block」のデータによれば、12月のUpbitの出来高は世界3位で、2,830億ドル(約44兆円)相当の取引が行われた。
「Messari」によると、本記事執筆時点における過去24時間の出来高も世界3位である。
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