
「BTCは採用の初期段階」と見解
ビットコイン(BTC)投資サービス企業Riverは、今後のビットコイン普及を展望するレポートを発表した。まだ潜在的な普及規模のおよそ3%にしか到達しておらず、採用の初期段階にあるとの独自見解を示している。
Riverは以下の3つの要素を考慮して、この数字を出した。
- 現在、ビットコインの市場規模は潜在的な最大リーチ規模(TAM)の1%以下
- 米国の投資顧問はポートフォリオの0.006%しかビットコインに割り当てていない
- 世界的に見ると、ビットコイン所有者は人口全体の4%以下
TAMとは
英語でTotal Addressable Marketの略。理論的に最大で見積もった場合の、ある事業や資産がリーチできる市場規模のこと。
Riverは、世界の富を900兆ドル(約13京円)と見た場合、ビットコインは価値の保存手段となる資産の50%のマーケットシェアを得ると想定。最大市場規模を225兆ドル(約3京円)と強気に見積もっている。

出典:River
現在のビットコイン市場規模(時価総額)は約2兆ドルのため、最大ポテンシャルの1%以下であるとする格好だ。
また、米国市民の推定14%がビットコインを所有していると見積もられるが、世界的に見るとまだ4%以下にすぎないと指摘。所有者が増える余地は充分にあると述べている。
今後、ビットコインについての充分な知識が普及したり、信頼性の高い取引業者や保管業者などが増えれば、個人投資家が増えると予測する格好だ。なお、ビットコイン所有率が最も高いのは北米地域で10.7%、最も低いのはアフリカ地域で1.6%、アジア地域は3.6%だった。
Riverによると、2024年12月末時点で、ビットコインの供給量上限である2100万BTCのうち、個人投資家の所有分が約70%を占めている。未採掘のBTCおよび機関投資家が運用するファンドやETFの保有分がそれぞれ約6%、企業の保有分が約4%だ。
ビットコイン普及の後押し要因は?
Riverは、今後ビットコインの採用が進むだろうと意見。機関投資家については、ETF(上場投資信託)や新たなバンキングサービスが後押しになるとしている。
企業については、中期的に見て、法律や会計規則上のハードルが消え、成功例が増えるにつれて普及するだろうと続けた。また、国家によるビットコイン採用も、戦略的準備金などにより加速し、ビットコイン普及の大きな後押しになりえるとしている。
なお、一例として米国では現在の会計年度より会計基準審議会(FASB)基準に変更があり、暗号資産(仮想通貨)の含み益をバランスシートに記載することができるようになった。
米国では、トランプ氏が、現在政府が押収資産の形で保有するビットコインをそのまま維持する大統領令にサインしたところだ。
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Riverは、ここ数年でビットコイン取引などを合法とした国が増えたとも指摘した。香港が2023年に個人投資家のビットコイン取引を解禁したことや、トルコやアルゼンチンがビットコイン決済を合法化したことを挙げている。
さらに最近、米国が銀行によるビットコインなど仮想通貨の保管業務を承認したことにも言及した。