
「Fidelity Crypto」立ち上げ
米投資会社大手フィデリティ・インベストメンツは、暗号資産(仮想通貨)に投資できる個人退職金口座(IRA)を立ち上げた。子会社のフィデリティ・デジタルアセッツが提供している。
現在のところ、投資可能な銘柄はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)の3種類に限定されている。
利用できるのは、18歳以上の米国市民で、フィデリティ・デジタルアセッツがIRAにこの仮想通貨退職金口座サービス「Fidelity Crypto」を提供している州に住んでいる者だ。
口座の開設や維持、仮想通貨の保管には手数料はかからない。仮想通貨の売買取引の執行価格には1%のスプレッドが請求される。利用者は、IRAの税制優遇措置が、仮想通貨投資についても受けられることになる。
IRAとは
アメリカの個人向け退職口座のことで、日本のiDeCo(個人型確定拠出年金)に似た制度。税制優遇があり、トラディショナルIRA、ロスIRAなどの種類が存在している。
「Fidelity Crypto」は、トラディショナルIRA、ロスIRA、ロールオーバーIRAの3種類を提供。それぞれ、拠出時や引き出し時などに税制優遇措置が設けられている。
フィデリティの広報担当者は、「お客様の変化するニーズと関心を満たす投資商品やソリューションを提供することに尽力している」とコメントした。
フィデリティはビットコイン現物ETFをはじめ、様々なブロックチェーン・仮想通貨サービスを提供しているところだ。最近は、独自のステーブルコイン発行を計画していると伝えられる。
また、5月末には米ドル建てマネーマーケットファンド(MMF)「フィデリティ・トレジャリーデジタルファンド(FYHXX)」のオンチェーン版をイーサリアム上で立ち上げる予定だ。
企業型年金でも仮想通貨投資可能にする法案
IRAは、個人が自由に開設できる退職金口座だが、米国には企業など雇用主が提供する退職金口座「401k」も存在している。
先週、ミー・タバービル上院議員が401kでも仮想通貨に投資できるようにする法案「金融自由法案(Financial Freedoms Act)」を提出する意向だと発表した。
この法案は、米労働省が401k口座保有者の投資先を制限する規制や指針を発行することを禁止する内容を盛り込んでいる。
関連:米上院議員、退職金での仮想通貨投資を可能にする『金融自由法案』を提出
一方でブラジルでは国家通貨評議会(CMN)が3月27日、主要な年金基金に対して仮想通貨への投資を禁止する決議を承認したところだ。
背景としては、仮想通貨の価格変動リスクなど「特定の投資特性とリスク特性」を考慮したものと伝えられている。