はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

2025年2Q、規制改善でアルトコイン回復へ──Sygnumなどが予測

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

回復の兆しか

スイスの仮想通貨銀行Sygnumが今週発表した2025年第2四半期(4〜6月)の投資見通しレポートによると、ビットコインの市場シェア(ドミナンス)は過去4年間で最高水準に達しており、マクロ経済の不確実性の高まりと通貨価値の低下への懸念から、ビットコイン(BTC)の安全資産としての特性が浮き彫りになっている。

米国の州レベルでビットコイン準備金設立の動きは停滞しているものの、ベセント財務長官とブラックロックCEOのラリー・フィンク氏はともにビットコインの価値保存機能を強調し、フィンク氏は米国が国債を管理できなければビットコインがドルに代わるグローバル準備通貨になり得ると示唆したとの背景がある。

Sygnumは、仮想通貨のユースケースに関する規制環境が大幅に改善されており、これがまだ価格に織り込まれていないことから、アルトコイン市場の力強い反発の基盤が整いつつあると分析。イーサリアム(ETH)は競合他社からの挑戦を受ける中、エコシステム全体の流動性統合に焦点が移っており、BaseやOptimismなどの主要なレイヤー2は大幅な収入を犠牲にしてもこの取り組みを支援することを約束している。一方、ソラナの日次収益は1月の最高値から99%減少し、ミームコインブームの崩壊後、基本的価値に乏しいセクターへの依存度が露呈したと、Sygnumは指摘している。

出典:Sygnum

「もどかしい」四半期も次は転機か

一方、資産運用会社ビットワイズは今週の最新レポートで、同年第1四半期は「歴史的に前向きな動きがあったにもかかわらず、仮想通貨価格は急落した」とし、「もどかしい」四半期だったと表現している。親暗号資産派の大統領が就任し、デジタル資産の成長を国家的優先事項とする大統領令に署名、米国が戦略的ビットコイン準備金を設立、SECが暗号資産業界に対するほとんどの訴訟を取り下げ、仮想通貨と従来の銀行セクターの分断を図る「Operation Choke Point 2.0」が終了するなど、業界が長年夢見てきた展開が実現した。

それにもかかわらず、ビットコインは1月の史上最高値から22.2%と大幅に下落。さらに、時価総額2位のイーサリアムは驚異的な45%の下落率を記録した。この状況について、ビットワイズは「ファンダメンタルズの改善が仮想通貨を新たな史上最高値に押し上げるのか、それともすべての好材料がすでに織り込まれているのか」と問いかけている。ただし、トランプ大統領は仮想通貨の規制緩和を進める一方で、世界的な関税政策を打ち出し、投資家の不安を煽っているという事実もある。

関連:アークインベストのキャシー・ウッドCEO、トランプ関税を「ショック療法」と評価

しかし、価格の下落にもかかわらず、仮想通貨市場の一部では力強い上昇傾向も見られた。ステーブルコインの運用資産額は前四半期比13.50%増の2,180億ドル超と過去最高を記録し、取引量も30.14%増加した。トークン化された実物資産(RWA)は第1四半期に前四半期比37.07%増と急成長し、新たな過去最高を達成した。規制下のビットコイン先物取引量とOIも過去最高を記録し、マクロ取引資産としての仮想通貨に対する機関投資家の関心が高まっていることが示唆されている。

出典:ビットワイズ

両レポートを総合すると、2025年第2四半期に向けて、規制環境の改善とビットコインの基軸通貨としての地位強化が進む一方で、イーサリアムを含むアルトコイン市場では新たな競争と協力の動きが見られる。特に実物資産のトークン化やステーブルコインなどの実用的な分野が市場を牽引する可能性があり、第1四半期の下落からの反発が期待される。

関連:2025年米国債供給過多が仮想通貨市場に与える影響は? バイナンスリサーチが分析

関連:米国に集まる仮想通貨企業・プロジェクト一覧、規制緩和と今後の焦点

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/19 土曜日
15:00
金価格の史上最高値から150日以内にビットコイン上昇か、歴史的パターンが示す40万ドルへの道筋 
金が3,357ドルの史上最高値を記録する中、専門家は過去のパターンからビットコインが150日以内に反発すると予測。パワーローカーブモデルは2025年後半に400,000ドル到達の可能性を示唆。JPモルガンは金ETFへの資金流入とビットコインの取り残しを指摘。
13:45
仮想通貨市場低調の中、堅調な分野は? ビットワイズ1~3月期レポート
ビットワイズが2025年1~3月期の仮想通貨市場をレポート。ステーブルコインなど、市場全体の下落にもかかわらず過去最高を記録した分野を解説している。
11:30
2025年2Q、規制改善でアルトコイン回復へ──Sygnumなどが予測
Sygnumとビットワイズが2025年暗号資産市場を分析。ビットコインの安全資産としての地位確立と規制環境改善がアルトコイン回復を後押しする一方、ステーブルコインと実物資産トークン化が過去最高を記録。第1四半期の価格下落から反発なるか。
10:45
米政府の100万ビットコイン購入で価格は100万ドル到達か、BPI幹部が大胆仮説
ビットコイン政策研究所の幹部が米国による100万BTCの購入が価格に与える影響を予測。トランプ大統領の戦略的ビットコイン準備金設立や関税収入を活用した購入戦略の実行可能性に注目が集まる。
10:05
2025年米国債供給過多が仮想通貨市場に与える影響は? バイナンスリサーチが分析
バイナンスのリサーチ部門が2025年に米国債は過去最高規模の供給が予測されると指摘。金利上昇圧力と、ビットコインなど仮想通貨市場への影響を分析した。
09:05
量子コンピュータvsビットコイン 1BTCをかけた解読コンテスト開催
量子コンピュータの脅威に備えた『QDay Prize』コンテストが開始。ビットコイン暗号解読に成功したチームに1BTCを贈呈。量子耐性対策が進む中、ビットコインの未来にどんな影響があるのか。
08:00
アスター、仮想通貨ASTRの不要な発行の抑制や利回り安定化を実現へ
日本発のWeb3プロジェクトのアスターは、仮想通貨ASTRのトークノミクスをアップデートしたことを発表。今回の変更で、不要な発行の抑制や利回りの安定化を目指す。
07:44
アリゾナ州のビットコイン準備金法案などが前進 投票の最終段階へ
米アリゾナ州議会でビットコイン準備金法案が進展し最終投票を待つ状況に。州財務官に年間10%の暗号資産投資権限を付与する内容だが、知事は障害者サービス予算問題を理由に拒否権行使の可能性も。
06:55
ビットコインクジラの最新動向 1万BTC以上の超大口保有者は蓄積継続
仮想通貨ビットコインの大口保有者の行動に焦点を当て、超大型クジラの市場吸収と大口投資家の動きの違いを解説。
06:20
ギャラクシーリサーチ、ソラナのトークンインフレ改革に新提案
仮想通貨ソラナ(Solana)コミュニティの経済モデル改革に向け、Galaxy Researchが新たな投票方式「MESA」を提案した。
04/18 金曜日
18:29
業界キーパーソン3名が語る仮想通貨市場の現状と展望|香港Web3 Festival2025
香港Web3 Festivalで、TON Foundation取締役のスティーブ・ユン氏、香港立法会議員のダンカン・チウ氏、CoinMarketCap CEOのラッシュ・ルー氏にインタビュー。マクロ経済の影響、規制環境の変化、アジア市場の可能性について、業界リーダーたちの見解を独占取材した。
18:12
Neowave Academyが日本進出 Web3の潮流を切り拓けるか
Neowave Academyが主催した「Tokyo Nexus」イベントで日本Web3市場への本格参入を宣言。伊藤健次氏やArata氏などが集結し、投機から価値蓄積へと進化する暗号資産市場を分析。教育コンテンツを中心とした事業展開を推進し、Web3普及に向けた取り組みを共有。
14:00
トランプ関税政策で揺らぐ米国マイニング産業──東南アジア製機器依存の代償と国内生産への転換
トランプ大統領の新たな関税政策で、東南アジア製マイニング機器に依存する米国のマイニング業界が危機感を募らせている。緊急対応策として、機器の輸入を急ぐ企業や海外拠点を模索する企業もあるが、米国内で製造することを選択する企業もある。
13:25
アジア初のXRP投資商品、リップル社が初期出資へ
仮想通貨運用会社HashKey Capitalが、アジア初のXRPパフォーマンス追跡型投資ファンドを発表。Rippleが初期出資を行い、機関投資家向けに直接保有せずXRPへのエクスポージャーを提供する新たな投資手段が誕生。
12:29
LINE NEXT CSO「キム・ウソク」氏が語るWeb3大衆化戦略とは
LINE NEXT CSOのキム・ウソク氏がWeb3の大衆化戦略を語る独占インタビュー。LINEの強みを活かし、ウォレット体験の改善、直感的なUI、メッセンジャーとの連携強化で1,000万人のユーザー獲得を目指す。Web2からWeb3への架け橋となる挑戦に注目。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧