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アークインベストのキャシー・ウッドCEO、トランプ関税を「ショック療法」と評価 自由貿易への転換点になる可能性を指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

トランプ関税はショック療法

米投資運用会社アークインベスト(Ark Invest)のキャシー・ウッドCEOは、トランプ政権の関税政策に関して、米経済学者アート・ラッファー氏による関税の破壊的影響を解説した分析を紹介。

最終的には「交渉によって世界的な関税と非関税貿易障壁が引き下げられる」可能性があると前向きの考えを示した。

ウッド氏は15日の週刊ニュースレターで、ドナルド・トランプ大統領関税体制を「ショック療法」と表現し、逆説的に、より自由な世界貿易への道を切り開く可能性を秘めていると指摘した。

多くの観測筋がトランプ大統領の関税政策は、経済的および地政学的大惨事を招くと懸念しているが、一見すると米国史上最大かつ最も逆進的な増税に見えるものが、全く逆の結果をもたらす可能性があると我々は考えている

トランプ大統領による相互主義に基づく「ショック療法」は、混沌とした状況を生んだが、「真剣な交渉のための布石だった可能性がある」とウッド氏は主張。また、米国経済が景気後退に突入する中、「政権と連邦準備制度理事会は、多くの投資家が予想していたよりも大きな景気刺激策の自由度を得ることになる」と見ている。

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関税と貿易の真実

トランプ政権の関税政策には支持を表明しているウッド氏だが、関税とその影響に対する考察として、ラッファー博士による最新の論文を紹介。「1920年代に遡る歴史的観点と論理性は、これまで目にした中で最高のものだ」と絶賛した。ラッファー氏は、税率と政府収入の関係を示す「ラッファー曲線」を提唱したことで知られる経済学者だ。

同氏は4月11日に発表した論文「関税と貿易の真実」(14日更新)で、関税は経済成長を阻害し、雇用や生産性、そして税収を減少させると主張。自由市場経済の対極にあるものだと指摘した。

論文の要旨を以下にまとめた。

  1. 関税は自由市場経済の敵
    関税は輸入品に課される税金であり、市場への政府介入である。輸入を減らすと同時に輸出も連動して減少。効率の悪い国内産業に雇用をシフトさせることで、全体の生産性を下げる要因となる。
  2. 貿易赤字は経済成長の原動力
    アメリカの歴史は貿易赤字とともに築かれた。貿易赤字はアメリカ合衆国への資本流入を促し、国内の天然資源と労働力と相まって、強力な経済力を生み出した。
  3. 関税は物価や貿易収支に影響を与えない
    輸入品の価格上昇は輸出品の価格下落で相殺され、物価全体はほぼ変わらない。輸入と輸出が連動するため、貿易収支も動かない。
    例:スムート・ホーリー関税法(1930年)導入後、貿易収支はほぼ動かなかった。
  4. 関税は雇用を減らし、経済を悪化させる
    保護貿易主義の高まりによって、1930年に米国でスムート・ホーリー関税法が成立すると、株式市場は最大88.7%下落し、総貿易額は69.6%減少。他国も報復関税を課し、世界的な貿易縮小を招き、世界恐慌は深刻化した。
  5. 関税は税収増にはつながらない
    1929年の関税の大幅引き上げ後、米国経済は崩壊し、政府の税収は激減した。1972年、ニクソン大統領による関税引き上げでも同様の事態を招いた。
    対照的に、ケネディ政権(1960年代)やクリントン政権(1990年代)による関税引き下げは経済成長と税収増をもたらした。
  6. 安価な外国製品は消費者にとって利益
    低価格の外国製品を「ダンピング」と呼び、雇用を奪うと考えるのは誤り。消費者は高品質・低価格の製品を求め、関税は消費者負担を増やす。
  7. 製造業復活には自由貿易と国内改革が必要
    製造業の衰退は関税不足ではなく、高い税金と過剰な規制などの国内政策が原因。テネシーやテキサスのような低税金・成長促進州では製造業が繁栄している。自由貿易と国内改革が製造業を取り戻し、雇用を創出する鍵となる。
  8. 貿易赤字は資本黒字
    米国の貿易赤字は外国企業からの投資を示す指標で、経済の強さを示す。レーガン政権時代(1983~1984年)の税引き下げは貿易赤字を増やしたが、GDPは年率6.5%成長し、外国投資が急増した。また、2017年の対中貿易赤字は米国で150万人の新規雇用を生んだ。

ラファー氏は、自由貿易を支持するイーロン・マスク氏を称賛している。一方、ウッド氏は、マスク氏がトランプ政権による関税及び貿易障壁に対する解決策を強く支持していると強調している。

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