
イーサリアム財団の財務管理方針
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)を支援する非営利組織「イーサリアム財団」は4日、運営の財務管理方針を発表した。
今後は長期的に、さらに強固な財務管理方針が必要だと主張。そして、これまでは長期に渡ってイーサリアムをただ保有するだけであったが、現在はステーキングやDeFi(分散型金融)で運用を行い、財務の持続可能性を強化したり、重要なアプリのカテゴリーをサポートしたりしていると述べている。
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今回の発表では冒頭で、イーサリアム財団が存在しているのは、イーサリアムのエコシステムを強化するためだとした。また、エコシステムの長期に渡る絶対的な目的をサポートするために、イーサリアム財団は存在しているとも述べている。
この目的とは「ネットワーク上のアプリが停止、検閲、詐欺、第三者による介入なしに、プログラム通り正確に稼働できるようにすること」であると説明。そして、イーサリアム財団の資金は、財団自身の長期的な主体性や持続可能性、正当性をサポートするためのものであるとした。
また、資金の運用は、リターンを求めることと、イーサリアムのエコシステム、特にDeFiの主導者としての役割を拡大することのバランスを図るべきだと主張している。
方針内容
財務管理方針については、運用しているイーサリアムの割合などを記載して年間レポートをより詳しくすることなど、具体的に細かく説明した。
「仮想通貨」に関する方針では、イーサリアムの根本的な原則に沿う範囲で容認できるリターンを求めていくと主張。安全性、セキュリティ、リスクなどを考慮し、頻繁に資金配分を見直しながら、運用していく方針を示した。
イーサリアムの運用については、現在はステーキングやレンディングプラットフォームへの「wETH(ラップしたイーサリアム)」の供給などを行っていると説明。また、今後は継続的に運用を見直しながら、DeFiのエコシステムが成熟してきた場合には、トークン化したRWA(現実資産)などを法定通貨の準備金に組み込む計画があるとも述べている。
RWAとは
「Real World Asset」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債券等の有価証券などが含まれる。
また、イーサリアムの売却については、年間を通して定期的に財務の計算を行った上で3カ月ごとに、売却を行うのか、行う場合はどのくらい売却するのかを決めていくと説明。イーサリアムを売る場合は主に、法定通貨建での売却やオンチェーンスワップ(交換)を行っていくとしている。
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