
クリフ型は130億円のロック解除
Tokenomist(旧称:Token Unlocks)によると、米国時間23日から30日までの1週間で、クリフ型のトークンロック解除が合計8,943万ドル(約130億円)相当行われる。また、ソラナ(SOL)やドージコイン(DOGE)など主要トークンのアンロックも予定されているところだ。
トークンのロック解除(アンロック)は、Web3プロジェクトが一定期間ロックアップしたトークンを市場に解放するイベントだ。相応の売り圧力となり得るため、トークンの供給量が増えることで価値の稀釈化を投資家が連想し、警戒感が高まることもある。
ロック解除には、ある時期に一定量をリリースする「クリフ型(一括解除)」と、より頻繁に少量ずつリリースする「ライナー型(線形解除)」が存在。一般的には、クリフ型の方がトークン供給量が急に増えるため、投資家に警戒されやすい傾向がある。
まず、クリフ型についてはBLAST、ACX、VENOM、SOON、ALTなど様々な銘柄で合計8,943万ドル(約130億円)相当がアンロックされる。特に多額となるのはBlast(BLAST)の2,380万ドル相当で、ACXが1,515万ドル相当、VENOMが986万ドル相当と続く。
Blastは、イーサリアムのレイヤー2(L2)プロジェクト。イーサリアム(ETH)とステーブルコインの利回り機会を提供している。6月26日に105億トークンをアンロックする予定だ。
レイヤー2とは
「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。
Across Protocol(ACX)は、イーサリアムをベースとしたクロスチェーン相互運用性プロトコルだ。高速かつ低コストのクロスチェーン転送を提供している。
ACXは、30日に1億ACXトークンをアンロックする。これは、戦略的パートナーシップなどに充当される予定だ。
Venom(VENOM)は、スレッド型仮想マシン(TVM)上に構築されたブロックチェーン。スケーラビリティと高速・低コストのトランザクションに特化したWeb3アプリケーション向けのプラットフォームだ。
6月25日に5,926万VENOMをアンロックする。その大部分は、エコシステム開発のために初期支援者やコミュニティ、チームに充当される予定だ。
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ソラナ、ワールドコインなどのロック解除イベント
主要なトークンのライナー型アンロックも行われる。23日から30日までの1週間で、ソラナ(SOL)は6,740万ドル(約98億円)相当の、約47万トークンをロック解除する。
オープンAIのサム・アルトマン氏率いるワールドコイン(WLD)は、3,420万ドル(約50億円)相当にあたる約3,700万トークンをロック解除する予定だ。
さらに、ミーム銘柄のドージコイン(DOGE)は、1,560万ドル(約23億円)相当の約9,500万トークン、dApps(分散型アプリ)開発のためのL1ブロックチェーン、アバランチ(AVAX)は、1,260万ドル(約18億円)相当の70万トークンをアンロックする。
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