
金利が存在しないことを課題に指摘
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン共同創設者は25日、分散型予測市場の問題点として、ユーザーが金利を得られる市場がほとんど存在しないため、ヘッジ手段として魅力が少ないことを指摘した。
市場に参加するには、1ドルあたり4%の年利を犠牲にしなければならないと続けている。例えば、大手予測市場のポリマーケットでユーザーはUSDCを賭けに使う。このUSDCを利回りを提供する仮想通貨取引所などに預けておけば年利を獲得できる。
このため、利子のつかない予測市場に資金を預けることに躊躇するユーザーがいるとみられる格好だ。
ブテリン氏は、この問題が解決されて取引量が増加すれば、ヘッジ手段として予測市場を活用する例が増えると期待している。
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分散型予測市場とは
ブロックチェーン技術を活用して中央管理機関なしで運営される予測市場。参加者は、特定のイベント(例:選挙結果、スポーツの勝敗、経済指標など)の結果を予測して賭けや取引を行う。
ブテリン氏は、アグスティン・レブロン氏らによる分散型予測市場をめぐる議論にレスポンスする形で発言した。
レブロン氏らの議論では、分散型予測市場では賭けがある結果に対して「はい/いいえ」の二択であるため、リスクを低減するヘッジ活動をほぼ不可能にしていると指摘されていた。
予測市場では、通常、自身が望まないリスクを市場を通じて転嫁しようとする(リスクヘッジを行う)市場参加者をヘッジャーとみなす。例えば、ある選挙結果が自身の事業に不利益をもたらすと予想される場合、その候補の勝利に賭けることで、望まない結果になった場合も利益を得ることが可能だ。
ヘッジャーのように異なるリスク選好を持つ多様な参加者がいることで、予測市場は様々な知識や理解を結集して、より良い価格を見つけることができるという意見がある。
また、ヘッジャーが参加することで市場の流動性も向上するとみられる。
ブテリン氏の引用した議論では、こうした参加者が少ないことで、分散型予測市場には投機的なギャンブラーかプロのトレーダーしか残らず、彼らは金銭の獲得という同じ目的を持つため、取引が成立しにくくなるのではないかと懸念されていた。
予測市場が大きくなった場合、その予測対象となるイベントの結果に直接影響を与え始める可能性も問題点として論じられている。
一方で、分散型予測市場はまだ発展の初期にあり、参加者の多様性は、今後市場が成熟する中で段階的に生まれるのではないかとの意見もあった。
The Blockのデータによると、ポリマーケットの7月の取引量は10億6,000万ドル(約1,560億円)で、6月の11億6,000万ドル(約1,700億円)から減少している。ただし、アクティブトレーダー数は6月の24万2,340人から7月には28万6,730人に増加した。
The Blockが今月初めに発表したレポートによると、ポリマーケット上の新規市場数は、毎月着実に増加しており、当初の政治重視の姿勢から脱却し、プロスポーツなどのイベントへと拡大と多様化が進んでいることが示されている。
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