
プロジェクト・クリプトの具体化が始動
米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)が9月2日、スポット仮想通貨商品の取引に関する共同声明を発表した。両機関は現行法がSECまたはCFTC登録取引所での仮想通貨商品取引を禁止していないとの見解を示し、米国での仮想通貨市場発展を促進する姿勢を明確にした。
今回の声明は、SECの「プロジェクト・クリプト」とCFTCの「クリプト・スプリント」の連携強化策として発表された。大統領作業部会(PWG)の報告書「デジタル金融技術における米国のリーダーシップ強化」の勧告を受け、米国をブロックチェーン技術革新と仮想通貨市場参加の世界最高の場所にする方針を推進している。
両機関は、レバレッジ、証拠金、現物の小売向け商品取引について、CFTC登録指定契約市場(DCM)、CFTC登録外国取引委員会(FBOT)、SEC登録の全国証券取引所(NSE)での取引が可能との見解を示した。市場参加者には必要に応じてSECまたはCFTCスタッフとの協議を呼びかけている。
証拠金、清算、決済については、適用規則がクリアリングハウスと保管業者の顧客口座管理パートナーシップを許可しているとの立場を表明した。両機関は、SEC登録清算機関とCFTC登録デリバティブ清算機関(DCO)からの質問に対応する準備があると説明している。
市場監視については、NSE、DCM、FBOTによる参照価格情報の共有が効果的な市場サーベイランスを強化するとし、情報共有に関する質問への支援を約束した。取引データの公開についても、NSEとDCMによる取引情報の一般公開が貴重なデータを提供するとの見解を示している。
この共同声明は、ポール・アトキンスSEC委員長が8月20日に宣言した仮想通貨規制の抜本的転換を具体化するものだ。アトキンス委員長は前政権による「執行による規制」アプローチの完全終了を明言し、7月31日に開始した「プロジェクト・クリプト」で証券規則の現代化と米金融市場のオンチェーン移行を推進している。
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