
「イーサリアムは中立的チェーン」
イーサリアム(ETH)保有世界最大手ビットマインのトム・リー会長は24日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアムは米ウォール街が選ぶブロックチェーンだとの見解を示した。
韓国ソウルで開催されたKorea Blockchain Week 2025に登壇した際の発言だ。
リー氏は、イーサリアムを誰かが自分の利益のためにコントロールすると感じる人はいないだろうと話す。「(世界金融の中心地である)ウォール街の仕組みを考えれば、彼らは中立的なチェーン上でのみ事業を展開したいと考えるだろう」と続けた。
また、イーサリアムの堅牢性や検閲耐性などを評価。エージェント型AI(人工知能)などで採用される可能性があるとも意見している。リー氏は、次のように述べた。
エージェント型AIやロボットの台頭を考慮すると、ロボットのためのトークンエコノミーの必要性が高まり、その多くはイーサリアム上で実現するだろう。
実際、トランプ大統領は、現代で人々を守るために人間の証明が必要だと発言したが、その多くはイーサリアム上で行われるだろう。
ビットマインは、ワールドコイン(WLD)トレジャリー企業エイトコ・ホールディングスの株式1億7,500万ドル(約260億円)相当も保有している。
将来的に、ワールドコイン独自の証明技術が数十億ユーザーの信頼・安全に不可欠になる可能性があると見込んでいる格好だ。ワールドコインのブロックチェーンWorld Chainは、イーサリアムのレイヤー2、オプティミズム(OP)スーパーチェーンエコシステムの1つである。
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リー氏は、2025年末までにビットコイン(BTC)が20万ドルから25万ドル、イーサリアムが1万ドルから1万2,000ドルに上昇する可能性があると予想している。イーサリアムについては、ビットコインに対する価格比率で、少なくとも過去5年間の最高値まで回復するはずだとして推算した形だ。
エージェント型AIとは
設定された目標達成のために、人間による継続的な介入なしに自律的に判断・行動できるAIシステム。自ら計画を立て、必要なタスクを実行し、状況に応じて外部ツールと連携して複雑な課題を解決する。
デジタル資産トレジャリーを主導する2社
リー氏は、ビットコイン(BTC)トレジャリーを代表する企業マイクロストラテジーと並んで、ビットマインの株式には需要があるとして、次のように話した。
ビットマインの取引量は1日あたり30億ドル、マイクロストラテジーの取引量は34億ドルだ。両社でデジタル資産トレジャリー企業全体の取引量の95%を占めているとみられる。つまり、機関投資家は私たちだけを買いたいということだ。
毎日買い続ける投資家がいることは、マイクロストラテジーがビットコイン保有に対する株価プレミアムを維持している要因ともなっていると続けた。両社が、今後のリバランスで主要指数に組み込まれた場合、パッシブな資金流入を得られるとも述べる。
ただ今月のリバランスで、S&P500指数委員会はビットコイン保有企業の組み入れに慎重な姿勢を示した。候補になった企業の中で最高の流動性を記録していたにも関わらず、ストラテジーは採用されなかった形だ。
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