
リップル社へは取締役として引き続き関与
米リップル社のデビッド・シュワルツ最高技術責任者は1日、今年の年末に退任すると発表した。シュワルツ氏は、XRP台帳のコーディングに大きく貢献した人物だ。
シュワルツ氏は、現在の職位から退任するものの、完全に引退するわけではないとして、次のようにコメントしている。
子供たちや孫たちともっと多くの時間を過ごし、以前から大切にしていた趣味に再び取り組むのが本当に楽しみだ。
でも、念のため言っておくが、私はXRPコミュニティから完全に離れるわけではない。皆さんが私を最後に見ることになるのは、まだ先のことだ。
また、ここ数か月、XRPの様々なユースケースを調査することなどに取り組んでおり、開発者と話してコーディングする作業は本当に楽しいと続けた。またこの仕事に戻れるのを楽しみにしているとも述べる。
「この件については、近いうちにお伝えできると思う」としており、XRP関連で貢献を続けることを示唆した。
さらに、今後も名誉CTOとしてリップル社のオフィスに出入りすること、リップル社の取締役会メンバーとなり、会社の使命と長期的なビジョンを支え続けることを明かしている。
LinkedInによると、シュワルツ氏はリップル社に13年以上在籍し、そのうち7年間はCTOとして過ごしていた。また、2024年後半のステーブルコインRLUSDローンチにも貢献している。
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ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
リップル社によると、XRP台帳(XRPL)は過去一年で、ステーブルコインの月間取引高が初めて10億ドルを超えた。
XRP台帳は最近、機関投資家の導入を後押しするような3つの機能をリリースしている。まず身元確認ステータス、規制当局の許可などの属性を証明できる「Credentials」だ。
また、凍結されたアカウント保有者による不正使用を防止できる「Deep Freeze」と、開発者がメインネット環境下でのトランザクションの挙動をリアルにプレビューできる「Simulate」も提供開始した。
日本国内におけるリップル社関連の動きとしては、SBIホールディングスとリップル社の合弁会社SBI Ripple Asiaと東武トップツアーズ株式会社が新たな決済プラットフォームの実現に向けた合意書を締結したところだ。
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