
投資目的での取得可能に
金融庁は銀行がビットコイン(BTC)など仮想通貨(暗号資産)を投資目的で取得・保有できるよう制度改正の検討を始めると、読売新聞が19日に報道した。株式や国債と同様に仮想通貨の売買を行える仕組みを整備する狙いで、近日開かれる金融審議会の作業部会で議論するという。
現在は2020年改定の金融庁監督指針により、銀行グループが仮想通貨を投資目的で取得することが事実上禁止されている。仮想通貨は株式などに比べて価格変動が大きく、大量保有すると価格急落時に銀行の財務状況が悪化する可能性があると懸念されていた。
金融庁は解禁後も銀行の財務健全性確保のため一定の規制を設け、リスク管理体制の整備などを求める方針だ。
金融庁はまた、仮想通貨交換業者の登録を銀行グループが行えるようにすることも検討。信用度が高い銀行グループの参入により、個人投資家が投資を行いやすい環境を整える狙いだ。国内の仮想通貨口座開設数は今年2月末時点で1,200万口座を超え、5年前の約3.5倍に増加してきた。
なお、同庁は15日、仮想通貨のインサイダー取引を禁じる規制導入も明らかにした。未公開情報をもとにした売買を金融商品取引法で禁止し、違反者に課徴金を課す方針だ。