テラウルフとフルイドスタックの共同事業
米ナスダック上場のビットコイン(BTC)マイニング企業テラウルフ(TeraWulf)は28日、AI(人工知能)高性能コンピューティングプロバイダーのフルイドスタック(Fluidstack)と共同で、テキサス州に168メガワットのAIデータセンターを開発すると発表した。このニュースを受け、テラウルフの株価は前日比16%以上高騰した。
グーグルも協力しており、フルイドスタックの長期リース債務のうち約13億ドル(約2,000億円)分を裏付けることで、プロジェクト関連の負債融資を支援する。
新たなデータセンターは2026年後半に完成予定だ。最先端の基盤モデルを開発するグローバルハイパースケールAIプラットフォームのワークロードを処理することになる。
25年間のホスティング契約により、この事業の契約収益は約95億ドル(約1.4兆円)となる見込みだ。テラウルフは事業の51%の所有権を取得する。
テラウルフのポール・プラガーCEOは、次のようにコメントした。
この長期合弁事業を通じて、フルイドスタックおよびグーグルとの戦略的連携を深めることができ、大変嬉しく思う。
過去10か月で510メガワットを超える重要なIT負荷を確保できたことは、当社の成長戦略の証だ。
今後数年間で年間250~500メガワットの新規容量契約を達成するという目標も強調している。
フルイドスタックのセザール・マクラー共同創業者兼社長は次のように述べた。
基盤AIモデル開発者向けの次世代GPUクラスターをサポートするプラットフォームを拡張するにあたり、テラウルフと再び提携できることを誇りに思う。
市場が堅牢で持続可能なインフラを求めている現在の時期に、卓越した運用規律、エネルギーに関する専門知識を提供し、大規模なデータセンター開発を行う。
テラウルフとフルイドスタックは8月に、37億ドル(約5,600億円)規模の10年コロケーション契約も発表していたところだ。テラウルフがフルイドスタックのAIプラットフォームのために200メガワット以上の電力を提供することになる。
この契約でも、グーグルがフルイドスタックのリース債務18億ドル(約2,700億円)を保証していた。さらに、テラウルフ株式の約8%を取得する。グーグルは、AIインフラの需要増加と競争激化を背景にして、電力インフラの確保に動いているところだ。
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グーグルは、ビットコインマイニングおよびデータセンター事業を手がけるサイファーマイニングと、フルイドスタックとの10年間のコロケーション契約においても、フルイドスタックのリース債務の後ろ盾になっている。
2024年のビットコイン半減期後、AIインフラ事業を拡大するマイニング企業が増えているところだ。
AI関連のデータセンター需要を背景にして、様々な暗号資産(仮想通貨)マイニング企業の株価が、2025年初来でビットコインを上回るパフォーマンスを発揮している。
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半減期とは
ビットコインなど仮想通貨のマイニング報酬(=新規発行量)が半分に減るタイミングを指す。仮想通貨にはインフレを防ぐために「発行上限」が定められているものが多く、一定周期で訪れる半減期の度に、新規発行量が半分に減る仕組みになっている。供給量が減ることで希少価値が大幅に上昇し、価格が高騰しやすくなるため、仮想通貨特有の注目イベントでもある。



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