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米NSA、アンソロピック製機密AIモデル「Mythos(ミトス)」を導入

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 米NSAが高度AI「Mythos」を導入、国防総省の排除方針と矛盾
  • ホワイトハウスが政府機関へ提供準備、サイバー防御体制を刷新

米NSAが高度AIモデル「Mythos」を導入

米国家安全保障局(NSA)が、アンソロピック社の高度AIモデル「Claude Mythos Preview」を機密ネットワーク内に導入したことが、20日のAxiosの報道により判明した。

本件は、NSAの監督官庁である国防総省(DoD)がアンソロピック社を「サプライチェーン・リスク」に指定し、法廷で同社製品の排除を争っている最中に進行している異例の事態である。

問題の背景

国防総省とアンソロピック社の関係は、当初は協調的であった。両者は2025年7月に最大2億ドル規模の契約を締結し、Claudeは機密ネットワーク環境で初めて承認されたフロンティアAIモデルとなったが、当時の合意には「国内の大規模監視」や「完全自律型兵器システム」への利用禁止という同社の安全ポリシーが含まれていた。

両者の対立が決定定的となったのは、2026年に入ってからである。国防総省側が「あらゆる合法的な目的」での無制限使用を求めて制限条項の撤廃を要求したのに対し、同社は安全性を理由にこれを拒否し、2月27日の最終期限を経て、国防総省は同社をサプライチェーン上のリスクとして事実上排除する措置に踏み切った。

ホワイトハウスは協調路線を優先

この法廷闘争のさなか、ホワイトハウス予算管理局(OMB)は4月17日、財務省や国務省、司法省を含む主要各省庁に対し、Mythosを安全に利用するための供給準備を開始したことを通知した。さらに同日、トランプ政権のワイリー首席補佐官やベッセント財務長官がアンソロピック社のダリオ・アモデイCEOと面会し、政権中枢で技術導入に向けた「生産的な協議」が行われたことも報じられている。

関連記事:米ホワイトハウス、アンソロピック製機密AIモデル「Mythos」の全政府導入を準備

米ホワイトハウスが、アンソロピック社の強力なAIモデル「ミトス」の政府内展開を計画していることが判明した。国防総省との法的紛争が続く中、予算管理局(OMB)が主導して主要省庁へのアクセス環境を整備し、国家規模でのサイバー防御力の底上げを図る狙いだ。

また、金融セクターではベッセント財務長官やパウエルFRB議長が連携し、主要銀行にMythosを用いたセキュリティ・テストを推奨するなど、実利を重視した動きが加速している。アンソロピック社側も、OSやブラウザの脆弱性を特定するMythosの高い攻撃能力を公的に懸念しつつ、政府との間で適切な安全策の構築に向けた協力を継続している状況だ。

一方で、セキュリティ研究チームは4月15日、Mythos固有の脆弱性発見能力が、GPT-5.4などの一般公開モデルでも再現可能であるとの調査結果を発表した。高度な攻撃能力を持つAIがパブリックな環境で利用可能になることで、個人・政府ハッカーが悪用する「モデルの流出リスク」が、仮想通貨・ブロックチェーンを含むデジタルインフラ全体の新たな脅威として浮上している。

関連記事:北朝鮮ハッカーがKelpDAOハックか、DeFi預かり資産総額が2兆円超急減

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政府内での対立が解消されないまま進む今回のNSAへの導入は、最先端AIの確保が国家安全保障上の最優先事項となっている現状を映し出している。仮想通貨のスマートコントラクトの脆弱性特定など、人工知能がもたらす防御と攻撃のパラダイムシフトに対し、米政府機関の間でもその導入とリスク管理を巡る判断が分かれたまま事態が推移している。

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