CoinPostで今最も読まれています

米証券取引委員会(SEC)、株式上場予備調査の規制緩和を検討|全株式発行見込企業に許可する意向を示す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米SEC、株式上場予備調査の規制緩和を検討
米SECは、早期からの投資家と対話を、全ての株式発行見込企業に許可する意向が明らかにした。これまで歳入10億ドル以下の新興成長企業に限定されていた規制範囲を拡大する。登録を行う仮想通貨ICOにも適応される可能性が出てきており、注目の事例となる。

米SEC、株式上場予備調査の規制緩和を検討

アメリカ証券取引委員会(SEC)は2月19日、株式発行を準備する全ての企業が、上場準備プロセスのより早い段階において、株式公開の判断材料として投資家の見解を考慮できるようにする、“Test-the-Waters” (事前調査)改革における現行の規制対象枠を拡大する提案を承認した。

これまで、登録届出書の提出前に、投資家と協議を行うことは、歳入10億ドル以下の新興成長企業(EGC=Emerging Growth Company) にのみ許可されていたが、この提案と関連改正案により、その対象は全ての株式公開準備中の企業に拡大される。

この提案が目的としているのは、証券を発行しようとする企業が、より柔軟に機関投資家とコミュニケーションをはかることで、費用対効果の高い、市場の関心度を評価する手段を提供することだという。

公開されたSEC文書によると、今回の提案は、既に2017年に実施された別のEGC改革枠の拡大に続くものとなっている。 SECの企業財務部門によって行われたこの改正により、上場準備の初期段階において、EGCだけではなく全ての企業に対し、SECへの非公開式の申請が認められるようになった。

ロイターの報道によると、アメリカで上場する企業の数は、この20年間で半分に落ち込んだと言われている。新規株式公開を行う企業の増加促進を公約として掲げているSECのJay Clayton委員長は、このような事態が投資家の機会を奪っているとみており、規制緩和を促進することによって企業の上場プロセスを容易にし、投資機会の拡大につなげたいとの考えだ。

Clayton委員長は今回のSECの提案について次のようにコメントしている。

Test-the-Waters改革をより広い発行体に拡大することの目的は、発行企業の公募を成功に導く能力を高めるとともに、資本コストを下げることにある。

そして最終的には、投資家へ上場会社へ投資する機会を増やすことだ。

実際、私は、JOBS法(=2012年に連邦議会が制定した事業立ち上げ法)による近代化改革が、企業や投資家にいかに役立ったかを目の当たりにしてきた。

(今回)提案された規則によって、企業は公募に先立ち、より効果的に投資家と意見を交換し、重要な情報を明確に把握することできるようになるだろう。

仮想通貨ICOにも適応か?

今回の提案は、IPOに対するものだが、発行するデジタルトークンが証券として判断される場合、ICO(新規仮想通貨発行)プロジェクトにも適応されると推察される。

適応が明確となれば、ICOの透明性向上などを含めた、“Test-the-Waters” (事前調査)改革の恩恵を大きく受けることになる。

明確な規制が整備が遅れているICO に対して、SECは、ケースバイケースで判断事例を積み重ねることで、規制のあり方を模索し続けてきたが、その中で、「証券」として判断されたトークンに対しては、未登録であった場合、その発行者に対して罰金の支払いを含む、厳しい対応がなされてきた現状がある。

一方で、未登録の公募を行った場合でも、自己申告を行ったり、投資家への資金返済などの改善に向けた努力が認められるプロジェクトに対しては、罰金を課さないなど、柔軟な態度で有価証券としての登録手続きを促す方向へ向けての対応を行っているようだ。

規制緩和へ向かうIPOと、規制整備が進むICOだが、SECがこれからどのようにバランスを取っていくのか、その動向が注目される。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者12,000名突破。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
07:10
ビットコインの機能を拡充する新提案が公開
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。
06:35
バイナンスアプリの削除、フィリピン当局がアップルとグーグルに命令
フィリピンはバイナンスの顧客基盤における重要な構成国だが、同SECは2023年11月以降、バイナンスを投資に利用しないよう国民に積極的に警告していた。
05:50
エルサルバドルの国営ビットコインウォレット、ハッカーがコードを流出
今回の漏洩は、4月上旬に報告された510万人のサルバドル人の個人情報リークを含む、一連のChivoウォレット関連のハッキングに続くものだ。
04/23 火曜日
19:00
メゾンマルジェラ MetaTABI NFT発売
メゾンマルジェラがMetaTABI NFTを一般販売開始。デジタル専用設計のタビシューズはThe Fabricantとのコラボで、限定版タビブーツとレザーウォレットが付属。今後のWeb3ブランドイベントにも参加可能。
18:00
ライフカードVプリカ 仮想通貨で購入可能に
ライフカードが暗号資産(仮想通貨)決済サービス事業者Slash Fintechと提携。2024年5月15日から「Slash Vプリカ SHOP」でステーブルコイン等を使ったVプリカギフトの販売を開始する。インターネットショッピングやオンラインゲーム等、デジタルサービスでのプリペイド決済が拡大する見込み。
14:00
ベネズエラ、石油取引で仮想通貨使用を加速か
ベネズエラの国営石油会社PDVSAは原油と燃料の輸出において、暗号資産(仮想通貨)の利用を増やす計画だ。背景には米国による制裁再発動がある。
13:00
SEC弁護士2名が辞任、「重大な権力乱用」と非難受け 
米仮想通貨企業Debt Boxに対する訴訟において、連邦地裁が「重大な権力乱用」を理由に米国証券取引委員会に制裁を課したことを受け、同委員会の担当弁護士2名が辞任したことがわかった。
12:00
「スイス中銀はビットコインを準備資産に持つべき」2B4CHが提唱
スイスの仮想通貨擁護団体「2B4CH」は、スイス国立銀行がビットコインを準備金として持つことを提唱している。国民投票を目指す計画だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧