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バックト、ステーブルコイン事業へ全面転換

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • Q1売上高は約77%減の2.4億ドル、取引量減少で赤字転落
  • ステーブルコイン事業へ全面注力、決済インフラ企業へ転換図る

Q1決算、取引量減少で大幅減収

米仮想通貨サービス企業のバックト(Bakkt)は11日、同年1~3月期(第1四半期)の決算を発表した。同期の売上高は2億4,360万ドルと、前年同期の10億6,580万ドルから約77%減少。最終損益は1,170万ドルの純損失となり、前年同期の770万ドルの純利益から赤字に転落したことが明らかになった。1株当たりの損失は0.41ドル(前年同期は1.13ドルの利益)であった。

大幅な減収の主な要因として、バックトは仮想通貨市場における取引量の減少を挙げている。同期の収益の大部分は、仮想通貨コストおよびブローカー手数料(計2億4,200万ドル)によって相殺される構造となっている。一方で、仮想通貨コストを除いた管理可能な営業費用は1,850万ドルと、継続事業ベースで前年同期の1,890万ドルから微減。人員削減による報酬費用の低下などが寄与しており、厳しい市場環境下でも運営コストの抑制を維持した。

財務面では、同期中に実施した株式発行等により、2026年3月末時点の現金および制限付き現金は8,260万ドル(約130億円)を確保している。

バックトは「長期債務が一切ない」という健全なバランスシートを強調しており、事業転換に向けた十分な流動性を備えている。2025年10月にロイヤリティ事業の売却を完了して以降、同社はリソースをデジタル資産インフラに集中させる体制を整えてきた。

関連記事:SBI決算発表|仮想通貨事業が過去最高益、JPYSCローンチや貸金業参入など2026年のWeb3戦略を総括

SBIホールディングスの2026年3月期決算で、仮想通貨事業の収益が896億円と過去最高を記録。円建てステーブルコイン「JPYSC」の開発、仮想通貨担保による貸金業ライセンス取得の方針、USDCレンディング開始、Visaとの協業など、同グループが推進するオンチェーン金融戦略の全容をまとめた。

事業転換を宣言

今回の決算発表において、バックトのアクシェイ・ナヘタCEOはステーブルコイン事業への「全面的な注力」を明確に宣言した。同氏は、ステーブルコインインフラを「過去数十年で最大の金融構造変革」と位置づけ、ターゲットとする決済市場の規模は数兆ドルに達すると指摘。

また、2026年4月30日には、AIを活用した決済エンジンを持つDistributed Technologies Research(DTR)の買収を全株式交換方式で完了しており、規制準拠したステーブルコイン決済インフラの統合を加速させる方針だ。

新たな戦略の柱として、同社は「Bakkt Markets(法人向けインフラ)」「Bakkt Agent(AI駆動のステーブルコイン決済サービス)」「Bakkt Global(海外展開)」の3つの成長エンジンを定義した。5月にはステーブルコインソリューションプロバイダーZothと戦略的提携の覚書(MOU)を締結。Zothはバックトの米国送金ライセンスを活用し、南アジアや中東などの決済コリドーにおいて、年間約10億ドルの取引量を目指すとしている。

取引量に依存するボラティリティの高いビジネスモデルから脱却し、規制準拠した「制度型プラットフォーム」として決済インフラ提供へと舵を切ったバックトの成否に市場の関心が集まっている。足元の業績は赤字転落と厳しい状況にあるが、DTRの技術とバックトのライセンスを融合させた新戦略により、ステーブルコインという実需に基づく収益基盤の構築を急ぐ。今後は新たにCCO(最高商務責任者)に就任したダニエル・イシャグ氏の指揮下で、商業化の加速が焦点となる。

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