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国税庁が仮想通貨の脱税を指摘、無登録換金業者が2億円の所得隠し

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

無登録で仮想通貨換金の代行業者、2億円の所得隠し
無登録で仮想通貨換金代行を行っていた「FORBES」が、2億円の所得隠しを税務調査で指摘されていたことが明らかになった。仮想通貨を巡る換金代行業者の脱税が明らかになるのは初となる。

無登録の仮想通貨換金代行業者、2億円の所得隠し

無登録で仮想通貨換金代行を行っていた東京の業者「FORBES」が、昨年5月期の2億円の所得隠しを東京国税庁の税務調査で指摘されていたことが明らかになった。この事件は3月9日、読売新聞 など複数メディアが報じている。

2017年8月に設立された同社は、個人から複数の仲介業者を経由して受け取った仮想通貨を、金融庁登録の交換業者で同社名義の口座を使い現金化。その現金を依頼者の個人に渡すという形で換金代行サービスを展開していた。

関係者によると、同社は換金額の1~5%の手数料をブローカーと山分けし、その手数料によって収益を上げていたという。同社の昨年5月期の売り上げは約6億円に上り、換金した仮想通貨は数百億円とされることから相当の収益があったことがうかがえる。

国税庁は、同社が手数料収入の一部しか申告せず、会計帳簿の作成も曖昧であったことから、仮装・隠蔽を伴う所得隠しにあたると判断した格好だ。

また、他の経理ミスなども含めた申告漏れ総額は約2億5千万円に上り、法人税の追徴税額では重加算税を含めると約1億円とみられている。

同国税庁はブローカーからも事情を聞いており、手数料収入の申告がなければ税務調査に乗り出す見通しであるという。

なお、仮想通貨は円に換金するなどして年間20万円超の利益が出た場合は確定申告の必要がある。そのため、換金依頼をしていた個人にも脱税の疑いがあるが、ブローカーを経由しての個人間の相対取引であることからその個人の特定は困難であるとされる。

無登録業者としての処罰も

日本では「仮想通貨交換業」を行うにあたり、2017年4月に施行された「改正資金決済法」に基づき金融庁の登録を受けることが義務付けられている。

「仮想通貨交換業」とは、同法における以下の3つの条項のいずれかにあてはまるサービスを”業として”行うことをさす。なお、同法における”業”とは、「対公衆性」のある行為で「反復継続性」をもって行うことと定義される。(同法2条7項)

  • ①:仮想通貨の売買または他の仮想通貨との交換
  • ②:①に掲げる行為の媒介、取次ぎまたは代理
  • ③:①・②に掲げる行為に関して、利用者の金銭または仮想通貨の管理をすること

それらの条項にあてはまるにも関わらず、登録せずに事業を展開した場合は「無登録業者」とみなされ、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれを併科」といった罰則の対象となる。

以上の事柄を踏まえると、「FORBES」については無登録業者として罰則を受ける可能性は高いだろう。

なお、同社は読売新聞の取材に対し、無登録については「個人間の取引なので問題ない」と話しているという。

個人による脱税の懸念点

「FORBES」が提供していた換金代行サービスでは、換金依頼をする個人は、ブローカーとのウォレット間での相対での仮想通貨の移動のみとなる。

そのため、仮想通貨の特徴でもある秘匿性の高さから個人を追跡することは困難となるとされている。

今回の同社の件だけでも数百億円規模での取引があった点、換金代行業者の脱税が明るみに出たのは初めてであった点を鑑みると、そのような相対取引での換金代行業が税逃れの温床になっていた可能性も懸念されるだろう。

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