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なぜ仮想通貨BNBの最高値更新続く? 背景にビットコイン相場の低迷か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バイナンスの仮想通貨BNB、高騰続く
仮想通貨取引所バイナンスが提供するBNBの高騰が続いている。今回高騰した最新事例だけでなく、過去の流れからビットコイン建最高値更新までを解説。今後の展開を見る上での事例を紹介。

バイナンスの仮想通貨BNB、高騰続く

バイナンスが提供する仮想通貨BNBの価格がまた上昇した。

12月15日の4.52ドルを境に、仮想通貨市場の地合いの悪さに反して上昇した価格は、本日3月25日には17.37ドルと3ヶ月強で3.84倍まで高騰した。

出典:CoinMarketCap

CoinMarketCapのチャートでも見られるように、停滞する仮想通貨市場を理由に、フィアット建の価格以上にビットコイン建の価格が大きく上昇、過去最高値を更新している。BTC建の価格推移から単独上げの強さが見て取れる。(チャート内:黄色)

バイナンスは仮想通貨市場の地合いの悪化とともに、ユーザー離れが加速する中でも、ユーザーフレンドリーかつセキュアな透明性のある運営を続けてきたことで、仮想通貨投資家の指示を獲得。それらのユーザー層の厚さから得る安定的な資金力で、勢力を拡大し続けてきた取引所だ。

これまでのバイナンスの遍歴を見ていくと、仮想通貨市場のバブル期にはユーザーが求める通貨数と安定した取引プラットフォームを低い手数料で還元、相場が下落に転じるとよりセキュリティの強化をしたほか、CEO自らユーザーへの告知やコミュニケーションを取り透明性や安心感を与えてきた。

日本の金融庁から警告も受けたバイナンスには、顧客獲得システムにユーザーベースのアフィリエイトシステムを導入していたが、そのようなシステム以上に、乱立する仮想通貨取引所の顧客争奪争いを勝ち抜いてきたことには選ばれる理由があるわけだ。

それらの収益システムをユーザーに一部還元できる仕組みとしても採用されたのが、今回高騰したバイナンスの仮想通貨BNBだ。BNBの取引開始当初は、価格が上昇することはあまり見られなかったが、バイナンスの知名度や出来高上昇とともに価格が高騰、全仮想通貨の中で継続的なパフォーマンスを維持してきた。

BNBのアダプションに力を入れてきたバイナンス

BNBのアダプションには、特典や利用例を作り出すことができるバイナンスの強みがある。出来高や利用ユーザーが多いため、その影響も大きい。

BNB開始当初のアダプションとしては、取引所利用ユーザーの手数料割引を適応するなどの特典が設けられ、開始当初は50%の割引が適応されていた。この割引%は、時間が経過するごとに0に近づく仕組みが取られている。また、アフィリエイトシステムの還元率をBNB保有数で決める仕組みなどを取り、BNBの保有を促すシステムを提供し、通貨価格の上昇ファンダに力を入れてきた。

特にBNBのエコシステムに力を入れ始めたのは2018年の後半から今年にかけて1年間で、当初より導入していたBNB建の取引ペアを拡充し利便性を高めたほか、BNBのメインチェーンに当たるバイナンスチェーンを開発しローンチ、またそれらチェーン上で動くDEX(分散型取引所)の提供も予定している。

単純なアダプションだけではなく、トークン価格をあげる仕組みもとってきた。その一つに、定期的にBNBをバーンするイベント開催がある。これは、市場に流通する通貨の希少価値をあげる目的で、一部のトークンを消滅し供給量を減少させる仕組みを導入したものとなる。(秘密鍵のないアドレスへ送信)

また、最も注目が集まる買材料としては、信頼性を担保した仕組みを持つICOプラットフォームであるバイナンスローンチパッド(IEO)の成功が挙げられる。これは、2017年の仮想通貨高騰を後押ししたICOの失敗事例を踏まえ、信頼性の置ける取引所の審査や上場プロセスを提供、IEO(Initial Exchange Offering)と呼ばれ他の取引所が追随するなど、現トレンドとなりつつある事例だ。実はIEOはバイナンス開始以前から行われていたが、バイナンスの信頼性が加わることで成功に至った事例となる。

なお、このIEOに参加するユーザーは、購入申し込みをBNBでする必要があり、参加をしたいユーザーがBNBを購入する必要がある。このIEOが短時間で販売終了する流れが相次ぎ、IEO参加者が増えるたびにBNBの買いが相次ぐ流れに繋がっている。

このIEO成功の事例は、BNB価格を大きく後押ししたといっても過言ではない。

そのような状況の中で、さらにBNBの価格を後押ししようと動いてきたのが3月24日のバイナンス運営陣だ。

ローンチパッドの成功

バイナンスは3月24日、トークンセール・プラットフォーム「ローンチパッド」の利用ルールを大幅にアップデートした。

今回変更された内容は主に以下の通りだ。

  • 次回のローンチパッド・トークンの発売は、先着順ではなく抽選形式で行われる
  • 抽選当日までの過去20日間にわたり保有していたBNB量を基準に、入手可能なチケット数をひとつの対象アカウントにつき最大5枚に制限
  • 抽選はチケット末尾の数字に基づき、当選番号を無作為に選択する透明の高いランダムシステムを介して行われる
  • アカウントの確認(KYC)および各国の制限は引き続き適用

今回アップデートは、過去3度にわたるIEOでトークンを購入できなかったユーザーの不満を考慮したものとなる。これまでのIEO実施では数秒または数分で購入が終了、アクセスが殺到しすぎたことで、購入ができない事例が相次いでいた。

特に過去最大の購入需要を記録した2019年3月19日のトークンセールでは、39003人のうち8%しか実際にトークンを購入できず、苦情が殺到したという。CEOであるCZ氏はトークンセール終了後、Tweeterで「異なるアプローチ」を検討していることを明かしていた。

今回のアップデートで、なぜさらに価格が上昇したかは、ローンチパッド参加者に20日間のBNB保有期間を基準に設けたほか、保有量に応じて確率を変更した点にある。ある意味公平性を期した販売方法に変更したが、BNB大量保有や保有期間で、ローンチパッドの人気度をよりBNBの価格に反映させる仕組みとして投資家に捉えられる事例となった。なお、大口の投資家を優遇するため、BNBの価格を無理やり挙げにきた事例としてもユーザーから捉えられてもおかしくない流れでもある。

これほどまでにBNBの価値上昇に動いてきた背景には、仮想通貨市場の低迷が一つの理由に挙げられると推察することができる。

2019年に入り過去最長の低迷相場にある仮想通貨市場では、ビットコインに続き大半のアルトコインが過去最高値から90%以上安値で取引されている現状がある。それだけ、BNBの価格上昇は異例な事象として投資家からは捉えられることに繋がるため、その成功事例が続くことで、よりユーザーへの影響力を獲得することにつながる。

また、市場低迷の影響が投資家の関心低下に繋がっている現状は、バイナンスといえども出来高の減少や取引ユーザーからの手数料などから得る収益が低下している可能性がある。ある意味で新たなビジネスモデルの確立に動くタイミングとしても考えられる事例だ。

今後もBNBの価格がどのように推移するかは、定かではないが、ある意味でIEOのバブル的な値動きと捉えられかねない事例であり、今後の値動きには警戒する動きも出てくるだろう。

2018年から19年にかけて、ホワイトペーパーによる理想論ではなく、実需としてのアダプションの重要性が見えてきた今、今後の仮想通貨市場を見る上で、バイナンスは重要な事例となり得るだろう。

最後に、今回BNBの高騰要因になったローンチパッドの変更内容詳細を記載して、本記事を締めくくろうと思う。

ローンチパッド変更詳細

ローンチパッド変更内容詳細は以下の通りだ。

入手可能なチケット数の仕組み

20日間にわたるBNBの残高が「100 BNB以上200 BNB以下」である場合、購入可能なトークン数は1枚ということになる。「200 ≤ X < 300」は2枚、「300 ≤ X < 400」は3枚と、最大5枚のトークンが入手できる。

各ユーザーのBNB残高は、毎日午前0:00(UTC)にスナップショットに記録される。注意すべきは、BNB残高が20日間継続的にカウントされる点だ。20日のうち一日でも必要な最低残高を下回った場合、下限のしきい値に設定される。

各ユーザーのBNB残高は、毎日午前0:00(UTC)にスナップショットに記録される。注意すべきは、BNB残高が20日間継続的にカウントされる点だ。20日のうち一日でも必要な最低残高を下回った場合、下限のしきい値に設定される。

例:20日間のうち19日間は301BNBを保有していたが、1日だけ299BNBに減少→入手可能なトークンは2枚

各チケットには固有番号があり、複数のチケットをクレームする場合は連番で配給される。

抽選の仕組み

ランチパッドのプロジェクトでは毎回、当選者の最大数および各当選チケットに対応する割り当て量が事前に発表される(例:最大当選者数1万人が各500ドル相当のトークンを受けとれる)。

ユーザーは抽選の24時間前から利用したいチケット数を選び、最終的に当選したチケット数に相当するトークンを購入する。例えば5枚抽選券を利用して2枚が当選した場合、2枚分のBNBを購入する必要がある。

24時間後、すべてのチケットが完全に発行されると抽選が始まり、予め発表された勝者の最大数に達するまでプロセスが続く。勝者のアカウントからはBNBが自動的に差し引かれる。

変更にともなう「重大なリスク」

しかしバイナンスはルール変更にともなう「重大なリスク」に関しても警告を発している。

第一に「毎日BNB残高をスナップショットで記録する」ことにより、記録時間前後に取引変動を引き起こす可能性が考えられる。他の市場参加者はこれをチャンスとみなし、変動を平準化する意図でカウンター・トレードを仕掛けるかも知れない。

さらにアップデート後はBNB価格が20日間ごとに変動することになる。BNBが下落すればそれが新たなトークンによる利益を上回る可能性は十分にある。新たなトークンの発売は値上がりを保証するものではない。

「BNBを保有していても、当選しなければトークンを獲得できない」という点に不満を感じるユーザーもいるだろうが、全保有者にトークンを均等に配布した場合、20日間1500ドル相当のBNBを保有しても配当はわずか0.5ドルにしかならない。また新たなトークンが広範囲に普及した結果、紙くず同然の価値になりかねない。

以上のリスクを十分に理解した上でプロジェクトへの参加を決めるよう、そしてプロジェクトに参加する目的だけでBNBを保有しないよう、同取引所は呼びかけている。

次回のランチパッドプロジェクトに関する最新情報は、今後2週間以内に発表されるとのことなので注視したい。

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