はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨取引所Bancorから不正流出の25000ETHが7ヶ月ぶりに移動|大手取引所を経由しての換金を試みか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Bancorから流出したETH、7ヵ月ぶりの資金移動が確認される
仮想通貨取引所Bancorから流出した25000ETHに7ヵ月ぶりの資金移動が確認された。調査の結果、不正に入手されたETHが大手仮想通貨取引所Huobiを経由して換金されている可能性について現職エンジニアでCoinPost所属ライターの坪 和樹が詳細を解説。

Sentinelによる、Bancorハッキング被害の追跡レポート

2018年7月に仮想通貨取引所Bancorから盗まれた 25000以上のETH(当時のレートで約14億円相当)が、3月13日に移動をしていたことがSentinel Protocolによって確認された。

これはハッキング以降7か月ぶりとなる資金移動であり、同チームはそれらのトランザクションを調査。

本記事では、今回の資金移動に関する同チームの見解を紹介していく。

資金が眠っていたアドレス

アドレス0xbCEaA0040764009fdCFf407e82Ad1f06465fd2C4について、まずはじめに見てみる。

Etherscanでは「Bancor Hack」と注釈されているように、これはBancorから転送されたETHが保管されていたウォレットアドレスだ。

以下はウォレット間の資金移動の流れを示した図であり、BancorからETHが転送されたそのアドレスは「Origin」と示された一番左のアドレスである。

出典:Medium

最初の転送

3月13日、はじめに100ETHが、次に25000以上のETHが、0xf27B6923ed24EEd02De7686962339dB00a52d2aAに転送された。

上の図では、「Origin」の次のアドレスに該当する。

さらにその後、数百から千程度に分割しつつ、トランザクションを再度生成していた。

分割した意図は不明だが、ほとんどすべてが0xD294aC18B524ff59aB7ffFcbD459f11128220550に転送されていた。

中継ウォレット

彼らによれば、「”0xf27”から始まるウォレットはリレーウォレットのようだ」という見解が述べられている。

中継を行うウォレットは、受け取ったETHから最低限の手数料だけを除き、すぐに次の転送先に転送。

上の図の通り、「0xD29」から始まるウォレットに転送されてからは、次に0xf056F435Ba0CC4fCD2F1B17e3766549fFc404B94に転送されている。

なお下記の図はリレーウォレットのトランザクションを示すものだ。

出典:Medium

大手取引所Huobiへの転送

ウォレットアドレス0xf056F435Ba0CC4fCD2F1B17e3766549fFc404B94を見ていくと、送信トランザクションでHuobi へのトランザクションを見つけることができた。

さらにbloxy.infoでの分析により、以下2点が判明した。

  • 2017年以前と比べ、2018年はほとんど活動せず、2019年になって活発化した。
  • 送信よりも受信トランザクションが非常に多い。調査では、個人のウォレットの可能性は低く、ある種の取引所ではないかという推測が立てられている。

以下はその分析を示す図である。

出典:Medium

結論

これらの調査結果をもって、資金はHuobiで換金されている可能性が高いと推察され、コンタクトを試みているとのことだ。

また補足として、資金が眠っていたアドレス0xbCEaA0040764009fdCFf407e82Ad1f06465fd2C4には、3月8日にERC-20(HuobiAirdrop.com)というトークンが転送されていたことも確認されている。

こういった点も、Huobiで換金されているということを裏付ける一つの要素として見れるだろう。

なお以下は、今回の資金移動に関するウォレットアドレスである。

坪 和樹

Twitter:https://twitter.com/TSB_KZK

Linkedin:https://www.linkedin.com/in/tsubo/

プロフィール:AWSで働くエンジニア、アイルランド在住。MtGoxやThe DAOでは被害を受けたが、ブロックチェーンのセキュリティに興味を持ち続けている。セキュリティカンファレンスでの講演、OWASP Japanの運営協力やMini Hardeningといったイベント立ち上げなど、コミュニティ活動も実績あり。

▶️本日の速報をチェック
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/03 木曜日
18:23
Aptos LabsがYellow Cardと提携、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金開始 
Aptos LabsとYellow Cardが提携し、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金サービスを開始した。USDT・USDC対応で即時決済を実現し、数百万人のユーザーがステーブルコインをより迅速かつ手頃な価格で利用できるようになった。
18:10
ストラテジー社のビットコイン財務戦略:価値創造と潜在リスクの両面
米国のストラテジー(マイクロストラテジー)などビットコイントレジャリー企業の財務モデルを軸に、株式を通じた投資の仕組みやレバレッジ効果、税務上のメリットなどを解説。日本のメタプラネットなど類似上場企業の動きも取り上げ、再現性の条件やリスク要因を多角的に考察する。
17:26
スイスFINMA規制のAMINA銀行、リップル社RLUSDを世界初サポート
スイス金融監督局(FINMA)規制下のAMINA銀行が、リップル社の米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の取扱いを開始。時価総額660億円超のRLUSDをサポートする世界初の銀行として、機関投資家向けに保管・取引サービスを提供。
16:14
米仮想通貨取引所コインベース、「LiquiFi」買収でトークン発行支援事業強化へ
米コインベースがトークン管理プラットフォーム「LiquiFi」を買収。トークン発行者を初期段階から支援するプラットフォームであり将来的に機関投資家向けサービスにも統合予定だ。
16:02
オルタナ信託設立とProgmat・ALTERNAの協業深化
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券特化の信託会社「オルタナ信託」を設立。Progmatと協業し、ST発行・管理基盤を導入。ST市場の効率化と拡大を目指す。
12:04
ビットコイン反発で11万ドルに接近、Bitfinex分析ではQ3の季節性要因を警戒
仮想通貨取引所ビットコインは前日比+2.6%の108,733ドルまで上昇。Bitfinexレポートによると、4月安値から50%反発後は10-11万ドルのレンジ相場に移行し、第3四半期の季節性要因で平均リターン6%の「最弱四半期」を警戒する。一方、米国初のソラナステーキングETFが取引開始し初日3,300万ドルの好調なスタートを記録。
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。
06:55
ビットコイン、2025年後半に20万ドル到達目標を維持=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のケンドリック氏がビットコイン20万ドル予測を維持。ETFや企業購入の拡大により2025年後半に史上最大の上昇を見込むか。
06:10
リップル、米国銀行ライセンス申請 サークルに続く動き
リップルが米通貨監督庁に国家銀行免許を申請。RLUSDステーブルコイン規制対象化とサークルとの競争激化が注目される。
05:50
オープンAI、ロビンフッドの株式トークン化サービスとの提携を否定 未承認でトークン発行か
OpenAIがロビンフッドの株式トークンサービスへの関与を公式否定。未上場企業トークン化における先買権問題が浮き彫りに。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧