- イーサリアム上で発行する国債ステーブルコイン、米SECへ申請
- 米仮想通貨投資ファンドがETHブロックチェーンを利用した「デジタル証券」の提供をSECに申請した。米国債担保のステーブルコインを含む投資商品は、機関投資家をターゲットにしているものと見られる。
米国債ステーブルコイン、SEC申請中
米ロサンゼルスを本拠地にする仮想通貨投資ファンド「Arca」は、米国の証券取引委員会に対して、イーサリアムブロックチェーンを利用したデジタル証券ファンドの提供を12日に申請したことがわかった。
このデジタル証券ファンドは、仮想通貨イーサリアムのブロックチェーンを通じて、米国債をトークン化するもので、同社はトークン化された国債のシェアを「Arca UST Coins」と名付け、一種のステーブルコインと定義している。
申請書によると、この国債ステーブルコインは、通常の米ドルステーブルコインとは異なり、「多少のボラティリティはあるが、基本は限られているだろう」としている。また、この国債投資ファンドの最小投資金額は1000ドル(約10万円)、「1 ドル=1 Arca UST Coinとのネット・アセット・バリュー」と設定され、ファンドの8割は米国債、残りは様々な証券に当てられるという。ほかにも同商品の投資家は四半期ごとに配当を受け取ることができる。
Arcaは、このステーブルコインの発行数を明かしていないものの、ファンド運営のために、2500万ドル(約28億円)の資金調達が必要と記載している。
つまり、この商品は機関投資家や大口投資家に向けたものだろう。また証券取引所などの公開されたシステムでは取り扱われないが、パブリック向けの商品ではある。
実際、これまで米SECはトークン化された有価証券の発行を承認した事例がなく、有価証券とみなされるICOセールを行うためには米SECへの登録が必要とされている。
つい先日、SECは有価証券に該当する基準となるICO販売のガイドライン を公開したが、ブロックチェーンでトークン化する証券トークンおよびその取引方式などに関しては未だ基準判断がなく、関連法も欠如する状況が続いている。
とはいえ、米国会では「トークン分類法2019」や、SECやCFTCの規制を促す法案などに関する討論も行われており、2019年に入ってからの仮想通貨関連の規制明確化に向けた動きは着実に進んでいると言えるだろう。
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