- マイクロソフトとJPモルガン、パートナシップ契約
- マイクロソフトとJPモルガンは、ブロックチェーン技術の企業に向けた普及促進を目的とした、新たな戦略的パートナーシップを発表。JPモルガンのQuorumを、Azure Blockchain Serviceを通じて利用可能な最初の分散台帳プラットフォームにするほか、ビジネス顧客に向けて優先的に宣伝していく方針を示した。
マイクロソフト、JPモルガン発イーサリアムベースのQuorumを全面優遇
米時間2日、マイクロソフトとJPモルガンは、ブロックチェーン技術の企業に向けた普及促進を目的とした、新たな戦略的パートナーシップを発表した。マイクロソフト側は、このパートナシップを通じて、JPモルガンのQuorum(クォーラム)をビジネス顧客に向けに宣伝していく方針を示した。
なお今回の提携の重要点は、JPモルガンのQuorumがAzure Blockchain Serviceを通じて利用可能な最初の分散台帳プラットフォームとなることである。両者の顧客は、クラウド内でブロックチェーンネットワークを構築および拡張することができるようになるため、企業用ブロックチェーンの活用事例が大幅に促進される可能性がある。
なお、イーサリアム・ブロックチェーン上で稼働する「Quorumプラットフォーム」は2016年にJPモルガンによって構築されたもので、製薬会社のファイザーやジェネンテックなどもすでに使用を開始している。
関係者の話
プレスリリースによると、JPモルガンの広報担当者は、「マイクロソフトはQuorumを優先することで、Azure上に構築されたブロックチェーンアプリケーションの普及を目指している。」と述べているほか、JPモルガンは、自社サービス用の独自アプリケーションも構築する予定であるという。
パートナーシップ契約を受け、JPモルガンとマイクロソフトは、企業、独立系ソフトウェアベンダーおよび開発者の、クラウド上のQuorumでのブロックチェーンアプリケーションの構築に繋がるニーズに対処するために協力していくほか、マイクロソフト側もQuorumのエンジニアリング、コンサルティング、市場投入のサポートなど、内部支援を行なっていく。
また、マイクロソフトのビジネス開発部長のPeggy Johnson氏は当パートナシップについて、
デジタル変革は個々の組織の壁を超えて拡大するため、企業はビジネスプロセスとデータの安全な共有を可能にするソリューションを必要としている。 (JPモルガンと)共に、私たちはQuorumのような、真に革新的なテクノロジーを採用し、それをAzureプラットフォームを通して利用可能にして、お客様のイノベーションを加速させる。
Quorumを独立会社へ
先日、JPモルガンがQuorumを独立会社にすることを検討している、と報道されていた。
独立会社にすれば、JPモルガンの競合相手で、潜在的なパートナーとより多くの提携に繋がる可能性があるからだ。しかし、今回の大型パートナーシップを通して、マイクロソフトの様な大手グローバル企業から独占的に優遇措置を受けられることは、スピンオフをしなくともプラットフォームの発展に繋がるのは確かだろう。