はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が「仮想通貨規制ガイドライン」を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米金融犯罪取締ネットワークが仮想通貨規制ガイドラインを発表
米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は9日、同国の銀行秘密法(BSA)が適用可能な仮想通貨を扱う金融サービス業者向けに「解釈的な指針」を公表した。

米金融犯罪取締ネットワークが仮想通貨規制ガイドラインを発表

アメリカ財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は、5月9日、同国の銀行秘密法(The Bank Secrecy Act=BSA)が適用可能な仮想通貨を扱う金融サービス業者向けに「解釈的な指針」を公表した。

この公式文書は、「進化する金融環境の中で …金融機関が銀行秘密法下での既存の義務を遵守するのを支援」を目的とし、現行のFinCEN規制や2011年以降の行政上の裁定やガイダンスを総括したものとなっている。

文書では、「送金者」として分類される可能性のある、仮想通貨ウォレットや取引所、また仮想通貨ATMなど、様々な仮想通貨を使用するビジネスモデルについて、それぞれのケースを解説し、中でもdAppsついては、多くの文面を割いている。

FinCENは、アメリカのマネーロンダリング対策制度の中核である銀行秘密法の執行機関で、膨大な金融取引データを収集、分析し、テロリストファイナンスなどの不正行為の監視、摘発や取り締まりを行う国家機関だ。

仮想通貨関連では、先月、米カリフォルニア州在住のトレーダーが、銀行秘密法上の登録および報告要件を遵守せずに、インターネット上で現金とビットコインの交換サービスを提供したとして、FinCENにより、約400万円の罰金が科されている。

この件が注目を集めたのは、二者間の通貨交換は「送金」であり、個人でも銀行秘密法下で、送金者と分類される可能性があることを示唆した初の事例となったためである。この判断は、法廷で出された判例ではなく、法律として確立されたものではないものの、これからの規制の方向性を示すものとなった。

今回発表されたガイドラインでは、すべての事例をカバーするものではないが、銀行秘密法が適用される「送金者」がどのように定義されるかについて、仮想通貨を使用したビジネスモデルごとにFinCENの解釈を示している。

「送金者」として指定された企業や個人は、事業を営んでいる州でライセンスを取得し、さらに、連邦政府のAML及びKYC規定に遵守しなくてはならないことになる。

ガイドラインまとめ

ブロックチェーン関連法の著名弁護士であり、仮想通貨ウォレットBlockchain社の社長のMarco Santoni氏は、自身のツイッターで、このガイドラインは仮想通貨業界に大きな影響を持つとして、その内容を簡潔にまとめている。そのうちの主なものは以下の通りだ。

1. ウォレット

アメリカでは、カストディ機能のないウォレットは「送金者」ではなく、 規制の対象とならない

Santoni氏はこの対応について賞賛。同氏が運営するBlockchainウォレットをはじめ、Ledger、BRDHQ、 EdgeWallet等の非カストディ型でオープンソースのソフトウェア開発の意義を尊重するものだというのがその理由。

2. 仮想通貨取引所

「送金者」の対象となるが、顧客は送金先のアドレスを提供するだけなので、送金先の個人情報を規制当局に提供する義務が生じても、実際のところ、困難を極めるのではないか。

3. 仮想通貨ATM

送金者に分類される。

4. DEX

「ASK 買い」と「BID 売り」を掲載するだけの取引所は、送金者ではない。一方、取引の精算を行うDEXは、他の取引所同様、送金者のカテゴリーに含まれる。

なお、DEXが証券と定義されるような仮想通貨を取り扱っている場合には、 証券法が適用される。

5. ICO

ICOの場合、アメリカで送金を行う限りにおいて、送金者となる場合もある。 プレマイニングと公開販売のみでは「受領と送金」にはならない。

開発者がネットワークのコントロール権を持っている場合は、「発行人」となり 送金者となる。

6. dApps

文書によると、dappsは「1人の人物または複数の人物のグループによって制御されないように設計されている」が、「価値を受け取り、また送信するのであれば」仮想通貨ATMと同様、送金者として分類される。 その中での状況により次のように別れる。

  • ソフトウェア開発(仮想通貨発行や仮想通貨金融サービスソフトも含む):規制の枠外
  • ソフトウェアの配備、展開: 規制の枠外
  • 送金用ソフトウェアの配備、展開:規制の範疇

7. クラウド上でのマイナー

ウォレットのホストとならない限り、送金者ではない

8. 仮想通貨決済業者

規制対象となる

Santoni氏は、このガイドラインは完全ではないものの、FinCENが大変複雑な仮想通貨について、掘り下げた研究を行い、実践可能なアドバイスを示したことに対し、敬意を表すと結んでいる。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/29 土曜日
13:45
イーサリアム創設者ヴィタリック、L2セキュリティの進化と「2-of-3」証明システムを提案
ヴィタリック・ブテリン氏が新たなブログで、L2セキュリティの現状と将来展望を公開。ブロブスペース拡張、ZK・OP・TEEを組み合わせた「2-of-3」証明システム、証明集約レイヤーの必要性について詳細に解説。
12:55
南カロライナ州で新たにビットコイン準備金法案提出 対コインベース訴訟取り下げも
米国サウスカロライナ州が、コインベースへのステーキング関連訴訟を取り下げた。また同日には州がビットコインなど仮想通貨の準備金を持てるようにする法案が提出されている。
10:45
ブラックロックのビットコインETFを保有、トランプ大統領の息子が顧問の米上場企業
米ドミナリ・ホールディングス社がビットコイン保有戦略を開始し、ブラックロックのETFを購入。機関投資家の仮想通貨投資最新動向は。
10:00
欧州保険・年金機構(EIOPA)、保険会社が仮想通貨を100%裏付ける義務提案
EIOPAが保険会社の仮想通貨保有に100%の資本要件を提案。高リスクに対応するためとしている。欧州では特にルクセンブルクで保険会社の仮想通貨エクスポージャーが確認されている。 。
09:30
SEC、イーロン率いる政府効率化省(DOGE)と連携開始
米証券取引委員会(SEC)がイーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)との連携を開始。トランプ政権下での規制機関改革と仮想通貨政策転換の最新動向を解説。
08:30
ビットコイン80万円下落、BTCメジャーSQ通過で需給悪化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時80万円の下落となった。アルトコイン市場も、ビットコインの急落に連動するかたちでほぼ全面安の展開となった。
07:45
トランプ大統領、仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者3名に恩赦
トランプ大統領は、アーサー・ヘイズ氏ら仮想通貨取引所BitMEXの3名の共同創設者に恩赦を与えたことがわかった。同氏らは、意図的にマネーロンダリング対策を導入せず銀行秘密法に違反したと告発されていた。
07:15
アバランチ現物ETF、米グレースケールも申請
VanEckの後に申請 米ナスダックは3月27日、グレースケールのアバランチ(AVAX)現物ETFに関する19b-4申請書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。この申請は、既…
07:02
ブラジル政府高官「ビットコイン準備金は国の繁栄に不可欠」
ブラジル副大統領首席補佐官がビットコインを「デジタルゴールド」と評価し、国際準備金の5%をビットコインに投資する法案を支持する。
06:40
イーロン・マスク氏、人工知能開発のXAIがX社を買収と発表 企業価値16兆円超の巨大統合に
イーロン・マスク氏が率いるAI企業XAIが旧ツイッター社X社を全株式交換で買収。XAIを800億ドル、X社を330億ドルと評価する統合により、AIとソーシャルメディアの融合を目指す。
06:15
Bybitハッカー、40億円相当のイーサリアムを売却 ETH価格は前日比6%安
Bybitハッキング犯による40億規模のイーサリアム大量売却が仮想通貨に影響。ETHが前日比-6.3%。
03/28 金曜日
13:15
イーサリアム「ペクトラ」の実装日が4月30日と仮決定、次期「フサカ」の動向は?
カオスつうかイーサリアムのコア開発者ティム・ベイコ氏が「ペクトラ」アップグレードの実装日を4月30日と仮決定。次期開発に関しても進捗が確認された。
11:30
米司法省、ハマス関連の仮想通貨約3000万円を押収 資金調達を阻止
米司法省が、イスラム系組織ハマスからUSDTなどの仮想通貨を20万ドル相当押収した。ハマスは仮想通貨による寄付募集やマネロンを行っていたとみられる。
10:50
リップル社、アフリカの決済企業Chipper Cashと提携
リップル社は、アフリカの決済企業Chipper Cashとパートナーシップを締結。仮想通貨を活用するリップルペイメントを導入し、アフリカにおける国際送金の速さやコスト効率を向上させる。
10:45
トランプ指名のアトキンス氏が仮想通貨規制方針示す SEC委員長指名公聴会で
米上院銀行委員会が、次期SEC委員長候補ポール・アトキンス氏の公聴会を開催した。ウォーレン議員が利益相反の可能性を追及した他、仮想通貨関連の議題も俎上に上った。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧