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ビットコイン・仮想通貨が奴隷取引に使用される

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

様々な目的で使用されているビットコインが奴隷取引においても使用されている
バチカンでは、ビットコインが奴隷取引に使用されていることを取り上げ、それらの取引を特定し、対策を講じていきながら問題の解決を目指しています。

バチカンは、ビットコイン及びその他の仮想通貨が現代において奴隷取引に使われていることを議題にあげ、講演を開く予定です。

11月5日に、モントリオール銀行のシニアマネージャーである Joseph Mari (以下、マリ氏)は、マネーロンダリングにおける仮想通貨の役割、そして、ブロックチェーンが銀行業を代替する可能性にも焦点を当て講演を行います。

その講演は、ローマ・カトリック教会の本部であるローマ教皇庁社会科学アカデミー(Pontificial Academy of Social Science 以下、PASS)にて開催される模様です。

3日間という長期に渡って行われるイベントの2日目に、フランシスコ・ローマ教皇は2020年までに奴隷を無くすという目標についての講演を、バチカン国務長官であるピエトロ・パロリン大司教や他の教会指導者を含む観衆に向け行います。

教皇は、2013年にローマ・カトリック教会のリーダーに任命されました。CoinDeskに提供された文章によると、彼は、PASSの取り組みを応援し、奴隷についての問題を教会の最重要事項に挙げているようです。

11月5日に行われるブロックチェーンに関する講演の他にも、この団体はワークショップやセミナー、会議を開催し、最優先事項である奴隷問題について取り組み、奴隷が希望するのであれば送還するのではなく、見つけられた国で定住させることを推奨しています。

CoinDeskの独占インタビューによると、マリ氏は、この特定の講演での目的及び、国際労働機関が算出した1500億米ドル規模の強制労働市場に対抗し得る可能性ついて言及しました。

マリ氏は、

「ブロックチェーン及び仮想通貨は注目されるべきものです。そして、それが実際に使用されていて、学習曲線を上回ることが速くなればなるほど、存在するリスクに対して迅速に対応できるということを認識するべきなのです。」

と観衆に語りました。

大衆教育の必要性

その日のスケジュールは、アルゼンチンの高位聖職者であり、PASSの総長でもある H.E. Msgr. Marcelo Sanchez Sorondo (以下、ソロンド氏)への大衆の歓声により開幕する予定です。

バチカン市国のカッシーナ・ピオ4世にて行われる予定のソロンド氏の祝福の言葉の次は、マリ氏が、AML(マネーロンダリング対策)従業員に人身売買の証拠となり得る取引パターンを特定する方法を指導するProject Protectという2年前に設立されたプロジェクトの最新の報告を行う予定です。

特に、マリ氏はProject Protectで、カナダやその他の幅広い地域において仮想通貨を使った奴隷取引者の特定を増加させることができた主旨をイベントで話す予定です。

仮想通貨が奴隷取引に利用されているという状況を受け、マリ氏によりAMLの業務に新たな効率性をもたらすと言われている”コストゼロのイニシアチブ”と名付けられたプロジェクトは、ブロックチェーン・データ・スタートアップであるChainalysisやその他の金融機関と提携し、仮想通貨で奴隷が購入された、または、宣伝されていると見られる取引を特定する新しい方法を見出そうとしているのです。

その作業に焦点を当てることで、その他のプロジェクトでも商品の輸送に新たな透明性を得ることができ、奴隷になるリスクを持つ個人にも主体的に自身を証明することが可能になります。

マリ氏は、この人身売買におけるテクノロジーの具体的な役割を教会指導者達に理解してもらえるよう講演を行うつもりです。

「当時バチカンでその部屋にいた人、全員に対して、私はAML側からみて、これは10年に渡り良い方向に来ていることを強調しました。しかし、その使用用途は多様化しており、良いことにも悪いことにも使われてしまっているのです。」

とマリ氏は語りました。

教会と銀行の協力

マリ氏の教会指導者達に理解してもらうという使命を広げたのはイベント共催者でGlobal Alliance for Legal Aid (以下、GALA)の創設者であるJami Hubbard Solli(以下、ソリ氏)でした。

彼女は、上記の使命に、銀行を引き入れ、人身売買に対抗するため、バチカンの支持を得るという自身の目的も付け加えました。

もともと、ナイジェリアとイタリア間での奴隷取引を議題にあげたGALA主催の別のイベントを開催しようとしていた ソリ氏は、まず彼女がスピーカーとして呼んだ ローマ教皇庁アカデミーの総長である Margaret Archer(以下、アーチャー氏)を通してバチカンに連絡を取りました。

しかし、代わりにソリ氏はアーチャー氏によって本日行われる”人身売買での犠牲者の救済:法的支援、賠償、新定住においての最善の方法”という共同イベントを共に開催しないかと招待されたと語りました。

この多様な民間企業と公共機関で手を組みイベント内で議論することにより、ソリ氏は既存のアンチマネーロンダリング政策が人身売買における仮想通貨の使用の急激な増加を考慮し、より良い方向に修正されると信じています。

彼女は

「金融機関と市民社会が手を組む必要があるように、私たちも銀行や検察官達と提携する必要があるのです。」

と言及しました。

さらにソリ氏は、マリ氏のブロックチェーンに関しての講演やイベントでの他の講演の結果、バチカンによるさらなる提案が期待されるでしょうと語りました。

マリ氏は、このイベントの奴隷取引における仮想通貨使用への対抗に及ぼすであろう影響を以下のように述べました。

「将来を見据え、起こるであろう出来事を予測することが早ければ早いほど、その出来事に対してのリスクは緩和されるでしょう。」

atican Address to Highlight Bitcoin Use in Human Slave Trade

Nov 5, 2017 by Michael del Castillo

参考記事はこちらから

CoinPostの考察

仮想通貨がマネーロンダリングのために使用されることは大きな問題であり、政府や金融機関はその対策をしなければなりません。

本記事ではビットコインが奴隷取引に使用されていることを取り上げていますが、ビットコインのみならず、他の仮想通貨が違法な用途で使用されている可能性は大いにあります。

匿名性が高いことを売りにしている仮想通貨がありますが、その規制も近い将来されていくことでしょう。

そのためにも、社会全体で違法な取引行為を失くすために協力していくことが重要です。

今後、バチカンの取り組みが世界中に広がっていくことを期待します。

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