はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

アップデート未完了のノードがイーサリアムにもたらす脆弱性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアムでも進んでいないノードのアップデート
仮想通貨イーサリアムのネットワークにおいて多くのノードが最新版のソフトウェアクライアントであるParityかGethに更新していないことがセキュリティ企業SRLabsのレポートで判明。ノードのパッチ適用事情と詳細を解説する。

未だに残るアップデート未完了の「古い」ノード

2019年5月、SRLabs によるレポートにおいて、実に30%か40%のノードが攻撃に対し脆弱である、という状況が浮かび上がってきた。

背景について説明しておこう。

イーサリアム・ネットワークにアクセスするためのソフトウェアクライアントとして、現時点で一般的な選択肢は、Parity Ethereum(Parity)か Go Ethereum(Geth)だ。

今年の 2月、SRLabs により、Parity Ethereum クライアントのバージョン2.2.10以下で、Parity Ethereumノードをリモートでクラッシュさせる可能性がある脆弱性が報告された。

このクラッシュは、2つのノード間でチェーンを同期している間に、整数のオーバーフローが原因で発生しうる。すべてのノードは任意の接続要求を受け入れてメインネットワークとの同期を維持するため、攻撃者は イーサリアム・ネットワークにおいて、パッチが適用されていない Parity ノードをクラッシュさせることができる、というものだ。

Gethでも44%が未更新

Parity Ethereum では、ノードをスキャンした結果、15%が2月のパッチを未適用だったという。 さらに、3月2日にリリースされたバージョンについても同様に調査し、5月2日時点で30%でパッチが未適用だった。

さらに、7%は9か月間もパッチを当てていない。2018年7月にはテストネットの脆弱性がメインネットに波及する可能性が指摘され、コンセンサス形成に関する重大な脆弱性が修正されているが、これも適用されていない、ということだ。

また、イーサリアムの根幹をなすGethでも更新に関する問題は同様に観測されている。 2か月前にリリースされたセキュリティに関するクリティカルなアップデート、これが含まれないバージョンv.1.8.20 以前のノードが約44%も残っているのだ。

更新されない理由

Gethには自動更新の機能は存在しない。したがって約44%のGethノードが脆弱という報告は、アーキテクチャの設計そのものにおける問題と言い換えてもいい。

ただし、すべてのソフトウェアに自動更新を実装すべきかどうか、という点は議論の余地がある。CCleaner や ASUSのアップデートツールのように、アップデート機能を悪用される例も出てきているからだ。

加えて、Electrumのようにクリティカルなセキュリティアップデートを装った攻撃も確認されている。結局のところ、各自が少しずつ注意を払うしかないのが現状だろう。

Parity Ethereum には自動更新の仕組みがあるものの、スマートコントラクトに紐づけられているため、アップデートの適用は複雑な手順になりがちだ。

そして、すべてのノードが常に最新の状態にあるわけではない。したがって、常時起動せず、その時々で追いつきで処理しているノードなどがあった場合、自動では適用されない。

また、スマートコントラクトを利用しているという性質そのものが、そもそもアップデートプロセスを煩雑(はんざつ)にしているという指摘もある。迅速なアップデートが適用できない場合もある、ということだ。 Parity もセキュリティアラートを出してアップデートを促してはいるが、これも効果のほどは未知数だ。

攻撃は可能か?

詳細についてはハッシュレートの多数を占めるマイナーのバージョンを分析する必要がある。しかし、現実的には難しいはずだ。

ノードをクラッシュさせることができるなどの脆弱性は単体ノードにとっては致命的だが、ネットワーク全体で見た場合、単一ノードのクラッシュによる影響は微々たるものであり、他の攻撃手法と組み合わせない限り有用性は高くない。

ハッシュレートの過半はマイナープールが握っており、彼らが報酬のために正しく動作している限り、二重支出攻撃などを行うためのコストは非常に高いままだろう。

なお、仮想通貨情報統計サイトEtherscanで直近7日間のハッシュレートを見ると、上位4つのプールが75%を占めていることがお分かりいただけるだろう。

出典:Etherscan

まとめ

先日お伝えしたビットコインの事例と同様、イーサリアムでも脆弱なノードが放置されている実態が分かった。

ただちに問題につながるわけではないものの、コミュニティベースで運営されるという前提を考えると、早急な対応が望ましいだろう。 これをお読みになった読者各位におかれても、お手元でノードを運用されている場合、ご確認いただくことをお勧めする。

坪 和樹

Twitter:https://twitter.com/TSB_KZK

Linkedin:https://www.linkedin.com/in/tsubo/

プロフィール:AWSで働くエンジニア、アイルランド在住。MtGoxやThe DAO では被害を受けたが、ブロックチェーンのセキュリティに興味を持ち続けている。セキュリティカンファレンスでの講演、OWASP Japanの運営協力やMini Hardeningといったイベント立ち上げなど、コミュニティ活動も実績あり。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
02/16 月曜日
18:00
中東投資をワンストップで AAC、8事業体連携で日本人投資家に新ルート提供へ
UAE・サウジへの投資に関心があるなら、求めているものが必ず見つかる。AACは8つの専門事業体が連携し、不動産投資、仮想資産アドバイザリー、ゲーミング事業など、あらゆる投資ニーズにワンストップで対応。複数サービスのパッケージ化で20-30%のコスト効率化も実現。
14:30
コインベースCEO、個人投資家の「押し目買い」傾向を報告
コインベースCEOがリテール投資家の「押し目買い」傾向を報告。ビットコイン価格が史上最高値から約45%下落する中、同社プラットフォームのデータによると、個人投資家はBTCとETHの保有数量を増加させ、長期保有姿勢を維持している。
14:05
モルガン・スタンレー、マルチチェーン技術に精通したエンジニア募集
米モルガン・スタンレーがトークン化に精通したブロックチェーン技術者を募集している。仮想通貨事業を本格化し、Eトレードでの現物取引開始や独自ウォレット提供、ETF申請を通じてデジタル資産を中核事業に組み込む戦略を進めている。
13:00
BitLending (株式会社J-CAM)、次世代カンファレンス「MoneyX 2026」のプラチナスポンサーに決定
2026年2月27日開催の次世代金融カンファレンス「MoneyX」のプラチナスポンサーに、暗号資産レンディングサービス「BitLending(株式会社J-CAM)」が決定。ステーブルコインを軸に通貨の進化と社会実装を議論します。
11:30
トランプ関連WLFI、市場の早期警告シグナルとなる可能性=研究
トランプ一族のWLFIトークンが10月の関税ショック時、ビットコインより早い段階で下落していた。Amberdataは政治関連トークンが市場の早期警告システムになる可能性を論じている。
10:50
ストラテジー社、ビットコイン8000ドルまで下落しても債務カバー可能と発表
ストラテジー社は、ビットコイン価格が8,000ドルまで下落しても債務をカバーできると発表。現在約7万ドルから88%下落のシナリオでも財務は耐えられる。マイケル・セイラー氏は今後3〜6年で転換社債を株式化する計画も明らかにした。
09:38
ClawHubのAIエージェントにマルウェア 仮想通貨盗難に警告
仮想通貨取引所Bitgetらが、AIアシスタントOpenClawのマーケットプレイスClawHubで大量の悪意あるプラグインを発見した。ウォレット秘密鍵やAPIキーを盗みだすものだ。
09:07
CZ氏、プライバシー欠如が仮想通貨決済普及の障壁
バイナンス前CEOのCZ氏が、仮想通貨決済普及の最大障壁はプライバシー欠如だと指摘。企業がオンチェーンで給与を支払うと全従業員の報酬額が可視化され、競争優位性の喪失や強盗リスクが高まると警告した。投資家チャマス氏や業界関係者も同意見を示している。
08:21
ブラックロック幹部、ビットコインのレバレッジ取引がもたらすボラティリティに警鐘
ブラックロックのデジタル資産責任者が、仮想通貨市場の過度なレバレッジ取引がビットコインの機関投資家向け魅力を損なっていると警告。永続先物プラットフォームでの清算がボラティリティを生む一方、同社のビットコインETFは混乱時も償還率0.2%にとどまり、安定性を示した。
02/15 日曜日
11:30
ビットコインRSI4年ぶりの売られ過ぎ水準、CPI発表が転機となるか|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏の週次レポート。ビットコインは1010万円周辺で軟調推移、米雇用統計後も上値の重い展開。週足RSIが4年ぶりに30割れでセリクラ感あるもハイテク株安や米債利回り上昇が圧迫。13日発表の米CPIが持ち直しの切っ掛けとして期待、6万ドルでは買い戻し入りやすいと分析。
09:30
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコインクジラの売却可能性やリップル社の提携拡大など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
09:25
週刊ニュース|ストラテジー社CEOの債務懸念払拭やJPモルガンの仮想通貨市場への前向き見解に高い関心
今週は、ビットコイントレジャリー企業ストラテジー社の収支報告会、JPモルガン・チェースの仮想通貨市場分析、米仮想通貨取引所コインベースの決算に関する記事が関心を集めた。
00:45
イーロンマスクのX、「数週間以内に」仮想通貨・株取引機能を実装へ
Xが仮想通貨の直接取引機能「スマート・キャッシュタグ」を導入予定。アプリ内で売買が完結するスーパーアプリ化が加速。数週間以内に開始する見通しだ。
02/14 土曜日
14:16
マスカットグループがKLabと提携、「仮想通貨やDAT上場株への投資」を新たな金融戦略に
マスカットグループが新金融戦略「成長還元型トレジャリー関連投資」を発表。仮想通貨やWeb3領域への投資を開始し、第一弾としてKLabと業務提携。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧