CoinPostで今最も読まれています

ブロックチェーンは主要産業をどのように変革するのか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

多くの主要産業でブロックチェーンが注目される
今後の発展がますます期待されているブロックチェーンが、特に活躍するであろう分野は、投票、不動産、輸送、サイバーセキュリティ、そして、銀行業の5分野であるとGeorge Beall 氏は述べました。
既に実用化は進んでいる
エストニアやREALISTOなど、それぞれの分野で、既に実装されつつあるものも出てきています。最も注目度の高い銀行業では、決済などの低コスト化のみならず、発展途上国をはじめとする20億人もの人々を現代金融に取り込める可能性があると述べています。
目次
  1. 投票
  2. 不動産
  3. 輸送
  4. サイバーセキュリティ
  5. 銀行業

ビットコインやそのボラティリティと共に語られることが多いブロックチェーンですが、現在、企業やビジネスの多くがブロックチェーンを使用して、より安全でより効率的に多くの取引を行おうと躍起になっています。

信頼できる第三者の存在を必要としないブロックチェーンは、大規模な取引をより効率的にする可能性を秘めているのです。

プライベート・チェーンが大手金融機関の取引の安全性において多くの問題を解決していることに加え、ブロックチェーン技術は様々な産業に影響を与え、その結果、消費者の日常にも浸透していくと考えられています。

以下の5つの産業は、全てブロックチェーン技術によって解決することが可能ですが、技術導入前である現在は、高価な仲介コスト、非効率、透明性の欠如という特徴を持ち合わせています。

投票

様々な注目を浴びる大規模公共選挙では、やりがいはありますが非常に複雑であることに変わりはありません。

もし、あなたが支持する立候補者が当選したとして、あなたはその結果がどれほど正確だと思いますか?

中央集権型の投票システムを使用するリスクは急激に増加してきており、既存のシステムが老朽化していくのを余所に、ハッカーの技術は向上し続けているのです。

しかし、ブロックチェーンはこの複雑で最悪な信頼性と検証についての問題を解決することができます

まず本質的に、ブロックチェーンは永続的な暗号化された記録であり、台帳上でのデジタル・アクションはネットワーク上での合意投票によってのみアップデートすることができます。

よって、本質的な民主主義の投票プラットフォームに必要な、基本的に不可変性で、必要に応じて修正可能な情報保存システムの特徴を持つ、バランスのとれたプラットフォームを提供することができるのです。

さらに、ネットワーク上の全ての人に公開しない限り、情報の変更または代替を行えないため、何が起こっているかを理解することができ、公共的な透明性を確保することもできるのです。

エストニアなどの国では、既にオンライン投票を取り入れており、1選挙毎に多くの時間と手間を削減することができることから、このブロックチェーン技術が将来的に安全性を高め、投票をデジタル化していくことは明確であると言えます。

不動産

不動産業界においての取引というのは、複雑で、非効率的で、そして、最大の問題は非常に高価であることです。

その取引の間には、ブローカー、行政書士、監視官などの複数の仲介人が入り、それが結果的に時間を消費し、人為的ミスを発生させ、費用を高騰させているのです。

リアルタイム・データベースとしての機能も持つ、パブリック・ブロックチェーン分散型台帳は取引、交渉、譲渡の全てのプロセスを完結させ、”信頼できる不動産マネージャー”の必要性を低下させることができるのです。

国際的に認められているイーサリアムの革命的なスマート・コントラクトを用いることで、面倒な複数の仲介プロセスを通さなくて良いだけでなく、第三者機関に頼らなければならなかった取引も、より効率的で低コストにすることが出来るようになります。

例えば、条件を満たせば、あらかじめ書かれた契約書に準じて契約が実行されるようにすると、スマート・コントラクトがエスクローの役割を自動的に果たし、物件の所有権の譲渡とそれに対する支払いが、効率的かつ完全な透明性を持った上で取引できるようになるのです。

この分野で注目を浴びているのが REALISTO という企業で、イーサリアム・ブロックチェーンを用いてこの多くの非効率的なプロセスを正そうとしています。

彼らのクラウドファンディング・プラットフォームからの全ての投資は、ブロックチェーン上に反映され、スマート・コントラクトによって実証されます。

現時点で、既存の不動産投資は少数のお金持ちにとっての投資であり、大多数の人は対象に入っていません。

しかし、REALISTO は、不動産投資を民主化させ、小口や中口投資家も引き入れ、その投資をする権利を大衆化させようとしています。

REALISTOの共同創設者である Rouven Rosenbaum(以下、ローゼンバーム氏)は、

「REALISTO を興すきっかけは不動産投資を規模、そして目標の異なる様々な投資家に投資の選択肢の一つとして提供したいという願望にありました。 REALISTOでは、ブロックチェーンを効率的に使用し、どのプロジェクトに投資するかを決め、私たちのアプリケーションで投資を管理し、市場価値を査定し、イーサリアムを配当という形で還元できるのです。 コンセプトの中心となっているのは、地域密着で、最初のプロジェクトとして、私たちのホーム・マーケットであるベルリンでそのコンセプトの証明ができればと思っています」

と語りました。

輸送

例えば、Tシャツでは、そのラベルに書かれていることだけが全てではありません。本当は、それ以上の情報があるはずなのです。

それは、ビジネスオーナーにしても消費者にしても同じことで、あなたが持っている商品、または、その商品の原料が本当はどこで作られたのを知るのは簡単なことではないのです。

それは、国際的な市場においても同じことが言えます。ウェブサイトや商品のラベルから知り得る原産国などの情報は簡単に偽装することが可能なのです。

さらに、貨物・物流業界は複雑な第三者が密集していて、それぞれ異なる料金体系を持ち、独立してコミュニケーションをとっている中で、私たちが払ったものに対しての情報はどのように探せば良いのでしょうか。

改ざん不可能な台帳であるため、事実上変更不可能な記録を持つブロックチェーン技術は、膨大なデータ、効率的な追跡、第三者の責任、自動履行において進歩しています。

どこで商品が製造され、あなたの手に渡るまでどのような経路を辿ったのかはブロックチェーン上に全て記録され、透明性を向上させ、各々の仲介者の責任も組み込むことができるのです。

サイバーセキュリティ

2016年に、企業のサイバー脅威から守るための国際年間平均損失はアメリカだけで、1700万米ドルに達しました。

さらに、2019年には、サイバー犯罪がビジネス全体に与えるコストは2兆米ドルにも登ると予想されています。このサイバー攻撃に対するコストの増加及び、個人・法人でのリスクはもはや無視できないものとなってきているのです。

ブロックチェーンは事実上ハッキングできない、または、ハッキングが非常に困難な仕様になっています。

簡潔に言うと、ブロックチェーンは不可変性の台帳であるため、一つの取引を改ざんしようとすると、その前のブロックも改ざんしなければならなくなり、しまいにはブロックチェーンの始まりまで遡らなければならなくなってしまいます。

例えば、ビットコインは、プルーフ・オブ・ワークシステムを導入しており、ハッカーが悪質な攻撃する際には非常に多くのエネルギーが必要になるのです。

ブロックチェーンは、取引承認やマイニングなどのアクションに対して仮想通貨や手数料が配分されたりと、そのチェーン自体の安定性や信頼性に繋がるアクションが参加者に報酬を与える構成になっています。

このように、ブロックチェーンでは、ネットワークの分散化を促進し、単一の脆弱性を無くすことで、サイバー攻撃を抑制、防止し、大量の機密データを保護することができるのです。

銀行業

そして、最後に、ブロックチェーンの応用で一番注目されている銀行業です。

ブロックチェーン協同組合(または、ブロックチェーンを発展させようとする金融機関の集まり)が形成され、ブロックチェーンは既に金融機関での決済方法や決済処理に影響を与える存在になっています。

今までは、商人と銀行間での決済は何日も要していました。

消費者としても、あなたが店頭でデビットカードをスワイプしてから、決済が承認され実行されるまで3日から5日間ほどかかりますが、ビットコインだと、決済は何時間かで完了するのです。

ライトニング・ネットワークのような技術が発展することで、その取引は、何分、何秒にまで短縮されるかもしれません。

さらに、既存の仲介者に払う手数料や基本的な手数料が減少するだけでなく、ブロックチェーン技術は現代金融を国際的に適用することができるのです。

安全性のあるネットワークでデジタル決済を可能にすることで、ブロックチェーンは、金融機関に見放された世界中の20億人もの人々を取り込むことができます。

仮想通貨を使用するには、最低残高金額も信用履歴も銀行も必要なく、スマートフォンさえあれば良いのです。

発展途上国でのスマートフォンの普及が進む中、特に南の発展途上国では銀行業が未だ充分に普及しているとは言えません。

しかし、仮想通貨はこの現代金融に取り残されてしまった人々を取り込むのに最適な方法と言えるでしょう。

How blockvain will change major industries

Nov 9, 2017 by George Beall

参考記事はこちらから
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧