- VISAもブロックチェーン国際間支払に参入
- アメリカン・エキスプレスの発表に続き、Visa もまたブロックチェーン基盤の B2B(Business-to-Business)国際間支払に着手することを発表しました。現時点で、このプロジェクトはシンガポールを拠点に進められており、非常に手間と時間がかかっている国際間支払に要する過程を単純化することを目的としています。
- リップルとの関係はどうなるか?
- アメリカン・エキスプレスのブロックチェーン国際間決済に、リップルが提携したことは世界で話題となり、これを機に他の決済企業参入が噂されていました。
Visaが大手銀行と手を組み、B2B間のプラットフォームでブロックチェーン技術を使った国際間支払に着手し、そのサービスは2018年半ばを目処に公開される予定だと発表されました。
AMEXと同時期に、VISAもブロックチェーン基盤の国際間支払プラットフォームを発表
シンガポールにて開催されたフィンテック・フェスティバルにて、世界的なクレジット・プロバイダーであるVisaがブロックチェーン基盤のB2B(Business-to-Business)商業プラットフォームに関しての最新情報を発表しました。この発表は、先日のアメリカン・エキスプレスが発表したブロックチェーン基盤の国際間支払プラットフォームの発表とほぼ同時期に行われたと言えるでしょう。
この発表によると、2018年半ばに公開が予定されている Visa のB2Bプラットフォームでは、金融機関に対して国際間支払のより効率的なサービスの提供を目指しています。2016年10月に予告を行ったこのプロジェクトでは、アメリカ基盤の商業銀行や、韓国の新韓銀行、ユニオン・バンク・オブ・フィリピン、シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行などの国際提携を取りまとめています。
Visaは今後も市場で大きな価値を占めていくであろう国際間支払の機会を拡大していくと言及しました。
Commerce Bancshare Inc. の商業支払及び商品のバイスプレジデントを務める Chris Wiedenmann 氏は、市場の国際化に伴い国際間支払の迅速さが求めれていると述べ、「現時点で、国際間取引は非常に手間や時間がかかり、金融機関や顧客企業に対して摩擦が起きやすい状況になっているのです。」と捕捉しました。
「ブロックチェーン基盤で構成されたVisaのB2Bプラットフォームを使用することで、送金と受取の銀行間を直接繋ぎ、この複雑な過程を単純化することができるのです。」
この発表で、「創造性、迅速さ、商品の柔軟性が次世代の支払いを支える商品や機能において極めて重要な性質である」と主張し、それはセキュリティ、相互運用性、そして、管理などの側面からも適切に運用されるべきだと言及しました。
この B2Bプラットフォームは “API優先” 戦略を掲げており、国際発展コミュニティの “国際間支払フローの効率化”の促進を目的としています。
現時点で、このプロジェクトは商業が盛んでこのプラットフォームをテストするのにふさわしいと考えられているシンガポールを拠点にしています。
Visa To Test Blockchain-Based B2B Connect For Cross-Border Banking
Nov 18, 2017 by Jeremy Nation
参考記事はこちらから
CoinPostの考察
先日発表があったリップルとAmerican Express、Santanderとの提携は、スタートアップ企業が大手金融業者との連携をしていくという意味で世界に衝撃を与えました。
これらブロックチェーンスタートアップ企業の台頭は、既存の銀行や決済業者のシェアを奪い、市場革命が起こると考えられていましたが、最近の金融企業の動きから、大手金融企業はこれらスタートアップ企業を取り込むことに注力しており、提携する方向へと向かっていることがわかります。
現時点では、VISAのブロックチェーンプラットフォームが、これらスタートアップ企業を取り入れた形で行われるかは発表はされていません。 VISAが独自に開発したものの可能性もありますが、今の国際送金プラットフォームには、既存の送金に対する煩わしさを取り除く、ブロックチェーンの『送金と受取の銀行間を直接繋ぎ、この複雑な過程を単純化させる』機能は、他のライバル企業に遅れを取らないためにも必須技術となってきていることが伺えます。
詳しい内容の発表は来年2018年半ばということで、発表の内容にブロックチェーンや仮想通貨企業、またそれらに投資する投資家が期待しています。