CoinPostで今最も読まれています

経産省、ブロックチェーン活用補助事業でエイベックス・テクノロジーズなど11社を採択

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

経産省|ブロックチェーン活用の間接補助事業の公募で11件を採択
経済産業省はコンテンツグローバル需要創出等促進事業費補助金のうち、ブロックチェーン技術を活用したコンテンツの流通に関するシステムの開発・実証に関する間接補助事業の公募を実施。11件の採択を決定した。

エイベックス子会社などから多彩な事業の提案

経済産業省は11日、平成30年度補正予算「コンテンツグローバル需要創出等促進事業費補助金(J-LOD)」のうち、ブロックチェーン技術を活用したコンテンツの流通に関するシステムの開発・実証に関する間接補助事業の公募を行い、外部の有識者で構成される審査会での審査をで、11件の採択を決定した。

この補助金は、コンテンツ産業が持続的に発展するエコシステムを構築するため、ブロックチェーン技術を活用したコンテンツの流通に関するシステムの導入を促進し、経済価値が顕在化していないコンテンツの市場化やコンテンツの制作に関与した者に対する適切な利益分配の仕組みの構築など、コンテンツの流通市場に新たな付加価値をもたらすことを支援するもの。

採択された事業を見ると、創作者の権利保護に焦点をあてたものが目立つ。

例えば、音楽事業を手掛けるエイベックスグループのエイベックス・テクノロジーズ株式会社の提案は、著作権に着目した著作物の再利用促進ビジネスの展開。

ブロックチェーン技術を用いて、著作物の再利用促進や、著作物が収益を上げた場合の原著作物への収益の自動的還元、複数の著作物を再利用した創作活動の支援等を行うシステムを構築するというのが同社の考える取り組みだ。

それぞれの事業内容を見てみると、あらためてブロックチェーンの可能性に驚かされる。

採択事業者とその事業の内容は以下の通り。

間接補助事業採択事業者
番号 事業名 事業者名 事業概要
1 エイベックス・テクノロジーズ株式会社 著作権の細分化・合成化による再利用促進ビジネス ブロックチェーン技術を用いて、著作物の再利用促進や、著作物が収益を上げた場合の原著作物への収益の自動的還元、複数の著作物を再利用した創作活動の支援等を行うシステムを構築する。
2 株式会社エクシング カラオケ向けコンテンツ登録配信に係るシステム開発 カラオケ向け楽曲コンテンツについて、ブロックチェーン技術を用いて、コンテンツ管理の透明性と信頼性を確保する。コンテンツを世界中で容易に利用でき、かつ利用者に最適化されたコンテンツの状態で届ける環境を作り、権利者が適正に対価を得られる体制を構築する。
3 オープンポスト合同会社 ブロックチェーン技術を活用したコンテンツの流通に関 するシステムの開発・実証支援 項キャラクターコンテンツについて、ブロックチェーン技術を用いて、原著作者との収益配分を自動化し、改ざんされない永続的な作品管理を安価に実現し、透明に運用できるシステムを構築する。違法コピーを排除し、あらゆるクリエイターがオープンな形でコンテンツの多次創作に参画し、商用として本システム上で売買できるグローバルプラットフォームを確立する。
4 カレンシーポート株式会社 コンテンツ利用に伴う収益を派生元となるオリジナル創 作物まで遡及し、それらの関与者宛に分配する高度決済システム マッシュアップ型コンテンツについて、ブロックチェーン技術を用いて、派生元となる創作物まで遡及して、関与した者に対し、直接かつ自動的に分配を行うスマートコントラクトによる決済システムを構築する。各クリエイターが活動に見合った収益を 得ることが可能となる。
5 株式会社Ginco デジタルコンテンツ権利関連情報の処理システム開発及 び実証 音楽のデジタルコンテンツの領域において、ブロックチェーン技術を活用した公共データベースと連携する権利情報の分散管理システムを構築し、クリエイターによる簡便な権利処理を通じて協業・頒布・販売等の活動を促進する環境を提供する。クリエイター自身が権利情報の登録に関与することで適切な利益還元やn次創作など共創への道も開かれる。
6 株式会社實業之日本社 出版コンテンツの総合的な権利処理基盤の構築 出版コンテンツについて、 「著作権処理の自動化」を、ブロックチェーン技術を用いた分散型プラットフォームによって実現する。 本プラットフォームに、権利処理基盤としての機能を持たせ、多様な出版コンテンツの流通を促していく。
7 スタートバーン株式会社 アートブロックチェーンネットワークを用いたアートコ ンテンツ流通基盤の開発 開発中のアートブロックチェーンネットワーク上で、デジタルアートコンテンツを流通させるための追加機能実装を行う。デジタルコンテンツ制作者にとっての収益機会(2次流通以降の収益還元を含む)を広げ、美術館・個人等のアート所有者にも新たな収益機会を提供する。
8 株式会社TART ブロックチェーンを用いた電子書籍の売買に関するプ ラットフォーム事業 電子書籍の発行と、それに紐づく著作権の管理が可能なシステムを構築する。当該電子書籍とその著作権はブロックチェーン上のトークンとして発行されるため、個人間売買が可能となる。電子書籍の売上は著作権保有者に自動分配される。結果的にユーザーは、所有している電子書籍の中古販売が可能になり、著作者は2次流通以降の売上を獲得することができるようになる。
9 株式会社デイスカバー・ジャパン 項ブロックチェーン技術を活用した、クリエイターのため のコンテンツ販売プラットフォーム事業 デジタルコンテンツ(写真)について、ブロックチェーン技術を用いて、クリエイター(写真家)によるコンテンツ(写真)の管理・流通プラットフォームを構築する。旧来の人的リソースに依存した中央集権型システムによる、高コスト且つ煩雑なオペレーション、権利不透明なことにより促進が進まなかったコンテンツ 流通(限定販売、n次流通等)の活性化を目指す。
10 株式会社bitFlyer Blockchain コンテンツ翻訳プラットフォーム事業 アニメやサブカルチャーのニュース翻訳で、ブロックチェーン技術を用いて、ファンコミュニティ内にコンテンツの翻訳プラットフォームを構築し、翻訳のスピードと翻訳精度の向上を図る。電子署名、改ざんできないデータベース、マイクロペイメントの特徴を組み合わせることにより、海賊版を排除し、著作者や正規版ユーザーの保護にも繋げていく。
11 株式会社リヴァンプ 楽曲作成に関わる全ての関係者の貢献度とリワードの明 確化に関する実証実験 楽曲全般について、ブロックチェーン技術を用いて、楽曲作成に関わる初期アイデア・途上制作物・最終成果物すべてに対して保存・共有・共同創作を可能にするシステムを構 築し、楽曲制作に関わる全てのプレイヤーの貢献度を明確化することで、自動的に収益を配分できるようにする。これによりプロだけでなく、アマチュアや一般リスナー含めた誰もが楽曲作成に参加できる場の構築ができ、才能を発揮する機会の創出 を可能とする。

CoinPostの関連記事

富士通、オンラインでの取引相手の信用度判定にブロックチェーン導入
富士通研究所は、オンラインで取引する相手の信用度を判断できる技術を開発するため、ブロックチェーンを活用することを発表。近年のオンライン取引の増加に合わせ、より安全に取引ができるような仕組みを目指す。
アジアを代表する小売・サービス複合企業「イオンアジア」、ブロックチェーンを活用した医薬品追跡への取り組みを発表
ChaintopeはAEON ASIAと、GS1 Malaysiaとともに医薬品トレーサビリティーのパイロットプロジェクトへの取り組みを行うことを発表した。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
13:58
「証拠不十分で仮想通貨企業を提訴した疑い」米連邦判事、SECに理由開示命令を下す
米連邦地方裁判所のロバート・シェルビー判事は、米証券取引委員会に対し仮想通貨企業DEBT Boxの資産凍結について、誤解を招きかねない不十分な証拠提示で提訴に踏み切ったと指摘。理由を説明するよう命じた。
12:15
ブラジル最大手銀行イタウ、ビットコインなど仮想通貨取引サービス開始
ブラジル最大手銀行イタウ・ウニバンコは仮想通貨の取引サービスを開始した。まずビットコインとイーサリアムを取り扱うとしている。
11:59
仏ソシエテ銀、イーサリアム上でデジタル証券を発行 ESG戦略の透明性を強化
ソシエテ・ジェネラルがイーサリアムブロックチェーンでセキュリティトークンを発行。ESGへの取り組みと透明性の向上を目指し、カーボンフットプリント情報を含むデジタルグリーンボンドを活用する。
10:45
「ビットコインは米国の利益を守る最善の手段」コインベースCEO
米仮想通貨取引所コインベースのCEOは、ビットコインなど仮想通貨が、インフレを背景に米ドルの代替手段として注目される可能性があると発言した。
10:20
Bybit、仮想通貨投資に関するレポート公開
Bybitは、投資に関するレポートを公開。このレポートでは、各種類の投資家が仮想通貨ビットコインやイーサリアムなどに、どのように資金を配分しているかを調べている。
08:30
仮想通貨ビットコインマイニング株大幅高、NYダウ反落
主要仮想通貨関連株はビットコインが42,000ドルに復帰したことを受け、5日に続伸した。一方、本日のNYダウは小幅反落しエヌビディアなど大型IT株も売られた。
07:30
「2024年まで20もの仮想通貨ETPを提供へ」カナダValour
カナダの仮想通貨ETP発行会社Valourは新たに2024年まで欧州で20もの仮想通貨ETP(上場取引型金融商品)を提供する目標を掲げた。機関投資家の資金流入が追い風になっている。
07:02
エルサルバドル、ビットコイン投資の含み益がプラスに
エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は、同国の仮想通貨ビットコイン投資の利益がプラスに転じたと公表。公表時点で約5.3億円の利益が出ている。
06:30
コインベース、仮想通貨ポリゴンなどの先物も提供
米仮想通貨取引所大手コインベースは先週末、ポリゴン(MATIC)とビットコインキャッシュ(BCH)のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。COIN株価は5.5%高。
06:00
国際版バイナンス、銘柄新規上場
仮想通貨取引所大手バイナンスは新たなステーブルコイン「Anchored Coins EUR (AEUR)」新規上場を実施した。先月バイナンスに上場した「ORDI」は一ヶ月で約9倍も上昇した。
05:30
米Franklin TempletonのCEO、ビットコインやアルトコイン保有を明かす
米Franklin TempletonのCEOはFortune誌のインタビューで自身が仮想通貨ビットコイン(BTC)や一部のアルトコインを保有していると明かした。
12/04 月曜日
15:11
グレースケール、「GBTC」のビットコインETF転換についてブログで説明
米グレースケール・インベストメンツは公式ブログで、米国における現物ビットコインETFの承認は時間の問題であるとして、GBTCをビットコインETFとして、ニューヨーク証券取引所Arcaへ上場させることに注力していると強調した。
12:48
オーストラリア退職金ファンド(年金基金)、仮想通貨の保有額増加で900億円規模に
オーストラリア税務局は、退職年金を積立型SMSF(年金基金)の資産運用統計を発表。2019年以降の4年間で仮想通貨への投資額が大幅増加していることがわかった。
12:18
中国外相、ブロックチェーンやAI(人工知能)領域で日中韓協力を呼びかけ
中国の王毅外相は、日中韓外相会議で、ブロックチェーンや人工知能(AI)など最先端テクノロジー分野での三国の協力を呼びかけた。
11:41
ビットコイン1年半ぶり4万ドル水準へ、株式市場では「仮想通貨関連銘柄」が全面高に
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインETF(上場投資信託)の上場承認期待やFRBの利上げ終了観測が強まったことで、BTCは4万ドルの節目を1年半ぶりに上回った。米国株ではコインベース株が大幅上昇しているほか、マネックスやセレス株など関連銘柄に資金が集まった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア