- リブラのプライバシー対策に遅れか
- フェイスブックが、仮想通貨リブラのプライバシー保護を監督するスイスの担当機関と連携を開始できていないことが判明。米国上院の公聴会では、リブラよりもフェイスブックのデータ管理体制を懸念する声が多かった。
フェイスブックへの強い不信感
仮想通貨リブラを主導するフェイスブックが、リブラのデータやプライバシーの保護を監督するスイスの担当機関との間で連携を開始できていないことがわかった。米メディアCNBCの報道で明らかになった。
米国上院議会が7月17日に開催した公聴会では、フェイスブックの仮想通貨責任者であるDavid Marcus氏は、「リブラのデータやプライバシー保護について、リブラ協会があるスイスの専門機関が担当する」と説明していた。同機関は、リブラプロジェクトにおける重要な役割を担う機関だ。
CNBCが独自にスイスの対象機関にリブラプロジェクトにおける役割を質問したところ、同機関のトップであるHugo Wyler氏は「David Marcus氏から、リブラに対する我々の役割が書かれた文書は受け取っているが、それ以外で本日までリブラの担当者から連絡はない。」と、連携が取れていない旨を語ったという。
機関の明確な役割を説明する段階にまで至っていない回答となったわけだが、Wyler氏はフェイスブックやそれ以外の担当者からでも具体的な情報の提供を待っていると述べ、協力する姿勢は示している。情報が提供されれば、どのくらい協力ができるか精査すると説明した。
この報道を受け、フェイスブックのある担当者はスイスの担当機関と会っていないことを認めたという。一方で金融規制の監督機関とは話を進めていることを明かした。規制当局への対応が通貨発行の前提条件になったことで、当局への対応が優先になっている可能性もある。
17日の公聴会では、リブラに対する規制の議題よりも、フェイスブックのデータ保護体制やプライバシー問題を不安視する声が多かった。スイスの関係機関と連携し、いかに米国議会やユーザーらの信頼を回復して関係者を納得させられるかが、リブラプロジェクト成功への最初の鍵となりそうだ。