はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

浮き彫りになる米国の不透明な仮想通貨法整備|米仮想通貨取引所Poloniexが拠点を海外へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

浮き彫りになる米国の未成熟な法整備
米仮想通貨企業Circleは、同社が運営する仮想通貨取引所「Poloniex」の拠点を海外へと移転する。有価証券問題など米国の定まらない規制が要因と発表した。規制と企業の動きから、業界の今後を考察する。

浮き彫りになる米国の未成熟な法整備

米仮想通貨企業Circle社は、米国の不透明な規制を理由として、同社が運営する仮想通貨取引所「Poloniex」の拠点を海外へ移転する計画があることを明かした。

Circle社は今週月曜日、北大西洋に位置するバミューダ諸島における仮想通貨取引所のライセンスを取得し、同取引所で七割のシェアを占める米国以外からのユーザー・アカウントの対応をその地域から行うと発表した。

Circle社CEOのJeremy Allaire氏は、「(米国では)規制の枠組みが欠如しているため、個人やビジネスへ提供できるサービスの範囲が制限される」と語り、今回発表された一連の決断に関する理由を明らかにした。

2019年5月にも、Poloniexはリスク(LSK)を含む計9銘柄の取引ペアを米国ユーザーに限定する形で、取り扱いを停止することを発表していた。

Poloniexが米国ユーザーに対して取引ペアを停止する背景として、有価証券問題を含む米国の仮想通貨規制やその先行きに不明確な項目が残っていることが挙げられる。米国の規制当局が、どの仮想通貨が有価証券であるか基準がいまだに一律化されていないことから、有価証券の懸念がある通貨の取引停止に至ったと説明している。

さらに、Allaire氏は「デジタル資産のイノベーションを掻き消さない新しい仮想通貨規制が必要」だと述べ、しっかりした法整備の重要性を訴えていた。

バイナンスと米国

世界最大の取引所バイナンスは先月上旬、同社の分散型取引所(DEX)の利用制限に関する対象国に米国を追加した。

Binanceが新たに米国をアクセス制限の対象国に加えた背景には、先月のSEC主催「フィンテックフォーラム」で行われた、米国証券取引委員会(SEC)の高官による「海外取引所に対して取り締まることが可能だ」との発言が要因になったと推測されている。

去年の11月に、SECは未登録の証券取引所を運営した疑いで、仮想通貨分散型取引所「EtherDelta」の創設者であるZachary Coburn氏を起訴。Coburn氏は総額約4400万円の罰金を支払っているが、バイナンスとしては、米国へDEXサービスを提供をすることで、EtherDelta(管理者がいるDEXの取り締まり)の事例のような事態を招きかねないため、撤退を決定した可能性は十分に考えられる。

またバイナンスやEtherDeltaのような運営元のあるDEXと、運営元のないDEXとの二種類の分散型取引所があるなかで、EtherDeltaの事例が示したように運営元のあるDEXは「未登録証券取引所」として規制対象になる可能性が考えられる。

バイナンスは、米国市場に特化した取引所「Binance US」の設立を計画するなど、その国の規制に準拠した取引所の設立を発表しているが、ボーダーレスな仮想通貨事業を行う事業者には、今後複数の制限がかかってくる可能性が見えてきた事例となった。

CoinPostの関連記事

仮想通貨取引所バイナンスが米国進出を表明|世界最大手が米国に進出する重要性とは
仮想通貨取引所バイナンスが米国市場に特化した取引所「Binance US」を設立することが判明。米財務省のFinCENに登録している送金業者との提携で実現する。
仮想通貨取引所「バイナンスDEX」ステーブルコインの非BNBペアが初上場
バイナンスの分散型取引所「Binance DEX」に、ステーブルコインでのBNB以外の仮想通貨取引ペアが初めて上場した。BTCのバイナンスチェーン版と米ドルペッグ通貨との2つのペアで、今後の通貨ペア追加が期待される。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
17:24
米上場AlphaTON Capital、約630億円調達へ TONトークン取得とAI投資
ナスダック上場のデジタル資産運用企業AlphaTON Capitalが、米SECに4億2069万ドル(約630億円)の資金調達枠を申請。TONトークンの追加取得とテレグラムのCocoon AIネットワークへの投資を計画。TONエコシステムへの機関投資加速が見込まれる。
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
14:00
国際通貨基金(IMF)、ステーブルコインの規制断片化に警鐘 
国際通貨基金が今週、ステーブルコイン市場の評価報告書を公開し、各国の規制枠組みの断片化が金融安定性を脅かし監視を弱体化させ、国境を越えた決済の発展を遅らせていると警告した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧