- 多くの仮想通貨投資家達が、ホワイトペーパーを元に投資判断をしている
- ホワイトペーパーは、飽くまでも初期段階の概要図であり、最終的な可能性を考慮できていないと考えられています。
- 賢明な投資判断をするには
- スタートアップと同様の評価方法で、チーム、ビジョン、今後の展望、そして、市場を理解することが大切だと言及しています。
Rob May氏(以下、May氏)は、知的自律エージェント管理に焦点を当てたブロックチェーンであるBotchainを運営している Talla.com のCEOであり、”Machine intelligence newsletter” の著者でもあります。
もしあなたが仮想通貨分野または、ICOに関連したアクションを取っているのであれば、そのプロセスがホワイトペーパーを元に行われていることを知っているでしょう。
ホワイトペーパーは、そのブロックチェーン、プロトコル、作成される分散アプリケーション(dapp)、そして、そのトークンの活用方法について書かれています。
よって、マーケティングベースで書かれているものもあれば、非常に難解な技術について説明されていることもあるのです。
しかし、このホワイトペーパーがそのブロックチェーンやトークンの評価において、それほど重要でないと考えています。
仮想通貨投資家達が実際にホワイトペーパーを読んでいるのかについて懐疑的ではありますが、彼らは、この書類を非常に好んでいます。
一般的に彼らは、その書類に目を通す程度で、”どうしてこの過程にデータベースでなく、ブロックチェーンが必要なのか”という疑問を持ちます。
それは、実際に的を得ている質問ではあります。
しかし、それについて言及し始めると、なぜデータベースが必要なのか、スプレッドシートではダメなのか、コンマで区切られたcsvファイルではダメなのか、台帳を石に彫り込むのではダメなのかという事にまで遡らなければならなくなってしまうのです。
適切な質問を聞く
多くの仮想通貨投資家達は、本質的な質問ができていません。
実際に、ほとんどの仮想通貨フォーラムでは同じ質問が繰り返しされていたり、ブロックチェーンに対してどこか他の場所で提議されているような3、4つの問題点を再提議しているに過ぎないのです。
しかし、ブロックチェーンや、一般的な分散型システムの概念は、多くの革新的で機能的な拡張を可能にします。
そして、この革新は、ホワイトペーパーからブロックチェーンの技術的優位性を評価することでは理解できないのです。
これは、アマゾンのEコマースの可能性を、低レベルなサーバーインフラ設計から評価しているようなものなのです。
ブロックチェーン技術は、未だ初期段階にあり、スタートアップと同様の方法で評価を行う必要があるのです。
ホワイトペーパーから基盤にある技術にのみ焦点を当てるのは、スタートアップに投資するかどうかを概要図のみを考慮して判断することに似ています。
それは、数ある側面の中の、ほんの一つの小さな側面に過ぎないので、全くもって意味がないのです。
仮想通貨投資家は、ホワイトペーパーを見る際に、そのブロックチェーンが今後ほぼ確実に変化していくことを考慮できていません。
これは、将来的に技術も進化し、実用方法も拡張され、様々なブロックチェーンの競争が激化していくであろう事を考えると納得できます。
言い換えると、革新は起こるものであり、ブロックチェーン分野でも技術革新が起きる可能性は充分にあり得るのです。
よって、実際に考慮すべきことは、その革新があなたが評価しているdappや、ブロックチェーン、ネットワークにどのように起こるのかということなのです。
VC 的な思考法
上記の事柄からホワイトペーパーを最終的評価として捉えるのではなく、飽くまでもスタート地点と捉え、ブロックチェーンをスタートアップと同様の方法で評価すべきだと考えています。
仮想通貨投資家は、ホワイトペーパーを最終的な評価として捉えているように見受けられ、それが事をややこしくしているように感じます。
ある仮想通貨について調べる場合は、彼らがどの地点からスタートして、10年後にどの程度前進しているのか、その目標までにどのような道のりを辿るのかという様々な側面から調べるようにしています。
もし、将来的な可能性を評価したいのであれば、下記4点を考慮すべきです。
チーム
これはまず最初に目を向けるものです。
ネットワークを構成するのは容易ではありません。
このチームは、提携先や参加者を惹きつけることはできるのか。実際多くのチームがこの点を満たしていないと考えています。
求めているのは、優秀なブロックチェーン専門家の集まりではなく、マーケティングやどう普及させるかなどのビジネス的側面も理解しているチームなのです。
ビジョン
このネットワークはどこに向かっているのか。
最初の実用方法はどのようなものなのか。そのネットワークが長期的にできることが多ければ多いほど、その価値も高まるのです。
展望
このブロックチェーンの実用方法がどれほど広義的、または、狭義的に定義されているのか。
これは実際に難しい問題であり、新規ソフトウェアアプリケーションを評価するのに似ています。
広義的過ぎれば、メッセージ性やポジショニングが希薄になってしまい、より焦点を当てた競合に負けてしまうでしょう。
逆に、狭義的過ぎると、ニッチ市場で、ほんのわずかな人々しか惹きつけることができず、成長することはないでしょう。
新規 vs 既存の市場
少数派である事は理解していますが、ブロックチェーンが既存の市場をこれ以上かき乱すことはないのではないかと考えています。
なぜなら、既存の定着したエコシステムが変化するメリットがないのです。
しかし、一方で、ブロックチェーンは今まで信頼性を構築するのが困難であった新規市場を開拓するのではないかと感じています。
よって、不動産のようなものにブロックチェーンが使われることに対しては懐疑的です。
このように、次に、あなたがトークンやネットワークについて調べる場合、ホワイトペーパーは目を通すだけで、飽くまでも投資する判断を下す要素程度に留め、最終的に投資するかどうかは他の側面から判断するのが賢明です。
ホワイトペーパーに時間を費やすのではなく、チーム、ビジョン、市場機会の調査、ネットワークの将来的可能性について調べ、理解することでより良い投資判断を下せるでしょう。
Scrap the White Paper: How to Evaluate Tokens and Blockchains
Dec 2, 2017 by Rob May
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