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調査企業・Cryptocompareが仮想通貨取引所市場の分析レポート発表
- 仮想通貨データ調査企業のCryptocompareが仮想通貨取引所市場の分析レポート・「Exchange Review」を発表した。市場における健全性の評価や出来高分析など、興味深いデータが明らかになった。
調査企業Cryptocompareが仮想通貨取引所市場の分析レポート発表
仮想通貨データ調査企業のCryptocompareが、仮想通貨取引所市場の分析レポートである「Exchange Review」を発表した。市場における出来高分析と健全性の評価や出来高分析など、興味深いデータが明らかになった。
市場における出来高分析と健全性の評価では、米大手デリバティブ取引所CMEの出来高は30%減少、米ドルに担保されているUSDTのドミナンスは比較的安定していて、仮想通貨間取引を行う取引所で健全と評価できるのは10社中2社である、としている。
米大手デリバティブ取引所CMEの出来高は大幅に減少
ビットコインデリバティブ市場で出来高を独占している米大手デリバティブ取引所CMEは、5月以降に113億ドル(約1.2兆円)から79億ドル(約8,500億円)と出来高が30%減少している。
一方で米大手仮想通貨ファンドGrayscale社のビットコイン・トラスト(GBTC)の出来高は、48.1%増の18億ドル(約1,900億ドル)と増加している。
Grayscale社は顧客の7割が機関投資家となるが、ビットコインの購入を進めるTVコマーシャルを全米で放映したことでも話題になってたことで、CM効果が反映された可能性もある。
USDTの出来高分析|ドミナンスは比較的安定している
BTCによるUSDTの取引総額は780万BTCで、5月以降取引高が34.8%減少した。
ビットコイン取引で最も人気のある取引ペアはUSDTだが、PAX、USDC、TUSDガステーブルコインの取引では続く。全ビットコインによる、上記4つのステーブルコインに対する出来高は97.1%と非常に大きな割合を占めている。
全体としてステーブルコインの重要は高く、仮想通貨取引所Binanceなどの出来高の高い取引所はフィアットベースの取引ペアは提供しておらず、ボラティリティの高さからの退避先としてUSDTを含むステーブルコインの取引が活発になっていると考えることができる。また、現在はUSDTのドミナンスが比較的安定しているものの、発行元であるThere社に対する様々な懸念を考慮すると今後のマーケットリーダー争いは、引き続き過熱するのではないかと考えられる。
仮想通貨取引所の出来高分析|ランキングによる健全性の評価
下図は仮想通貨同士の取引ペアのみを提供する取引所を比較したものである。その中で仮想通貨取引所Binanceは、6月に421億ドル(約4.5兆円)とトップの出来高を記録した。これに続いて、中国の仮想通貨取引所ZBが393億ドル(約4.2兆円)、CoinBeneが380億ドル(約4.1兆円)を記録している。
下図はフィアットベースの取引所を比較したものである。その中で韓国大手取引所Bithumbは、2019年5月以降の出来高が37%下落した。それにもかかわらず、6月には139億ドル(約1.5兆円)でトップの出来高を記録した。これに続いて米Coinbaseが127億ドル(約1.3兆円)、仮想通貨取引所P2PB2Bが119億ドル(約1.2兆円)を記録している。
仮想通貨データ調査企業のCryptocompareの分析によると、仮想通貨同士の取引ペアのみを提供する取引所の出来高で信頼できるのは10社中2社のみであると述べており、BinanceとOKEXが該当取引所にあがった。GRADE「A」と評価されている。また、フィアットベースの取引所では、10社中8社の出来高が信頼することができると述べており、GRADE「B」「A」「AA」と評価されている。
これは、取引所によって出来高が水増し(ウォッシュ取引)されている可能性を示唆している。そうだとすれば、ユーザーが取引所で売買をしようとしても、出来高の割になかなか希望の価格で取引が成立しないということが発生する可能性がある。
そういった意味で、健全な取引所を把握しておくことは、ユーザー自身の資産を守ることにも繋がるのである。