概要
米リップル社が開発するトークン(XRP)であり、分散型台帳「XRP Ledger」のネイティブ通貨として、送金システム「RippleNet」をはじめとする同社のプロダクトで利用されている。決済に特化した通貨として開発され、高速および低コストで利用でき、高度なスケーラビリティを有していることが特徴。
RippleNetおよびXRPは、現在の金融機関で使用されている送金システム「SWIFT」の課題解決を目的として開発された。SWIFTは、世界中で利用され、国際送金業界ではSWIFTによる寡占状態が続いていたが、国際送金に多大なコストおよび時間を要することが、かねてより問題視されてきた。
XRPは国際間送金、特に銀行間送金における速度と手数料の安さを追求しており、国際間の送金・両替におけるハブ的存在になることを目標としている。すでに、銀行間の送金に採用されている。リップルは、ブロックチェーンを活用した国際送金ネットワーク「RippleNet」を世界で300以上の金融機関に提供もしている。
XRPの機能
XRPはブリッジ通貨として機能する。ブリッジ通貨とは、「日本円⇆XRP⇆米ドル」のように、ある通貨を他の通貨に両替する際に、両通貨間で橋渡し的な機能を果たす通貨のこと。
マイナー通貨同士、例えば南アフリカランド(ZAR)をアルゼンチンペソ(ARS)へ両替したい顧客がいたとすれば、ブリッジ通貨を介さない場合、銀行は需要がほとんどないARSを常に保有する、または基軸通貨として機能している米ドルへ交換してからARSを渡す必要があり、コストおよび処理速度の観点から、効率的ではない。
このようなケースにおいてXRPを導入した場合、システム内で円滑に移動できるXRPのみを外貨準備金として用意すれば良いため、為替ヘッジなどのコストが削減でき、素早い送金が可能となる。
有価証券問題
米リップル社、Garlinghouse CEOおよび共同創設者のChris Larsen氏は、XRPを未登録証券として販売したとして、2020年12月に米証券取引委員会(SEC)に提訴された。また、同社の共同創設者らも同時に提訴されているが、その後和解に向けた動きなどは見られず、双方による応酬が続いている形だ。