はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

【前編】Qtum CEO Patrick氏に独占インタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

長期的に、Qtumは最も革新的なプラットフォームの一つになる
Proof-of-stakeかつスマートコントラクト機能を同時に持つことがQtumの強みです。
モバイルアプリケーションをメインプラットフォームへ
モバイルプラットフォームは仮想通貨を大衆市場へ導入するための唯一の“窓口”と考えています。
Qtumのブロックサイズは2MB
ブロックサイズはビットコイン(1MB)の2倍の2MBなので、より多くの取引をより早く処理することができます。

ビットコインとイーサリアムの優れた点を合体させた通貨がQtumです。

プロジェクト的にも非常に世界的に注目を集めています。

また、CEO Patrick氏はフォーブス誌の「30歳以下の30組の若手起業家(30 under 30)」に選ばれており、Patrick氏がいるということで投資をしている方も多いのではないでしょうか?

後編ではPatrick氏の考える仮想通貨、ブロックチェーン市場の未来についてインタビューを行いましたので、近日公開致します。

また、長時間のインタビューにご協力いただいたQtum CEO Patrick氏に御礼申し上げます。

合わせて読みたい記事はこちら↓

仮想通貨クアンタムとは|初心者でもわかる注目ポイントと将来性を解説
仮想通貨クアンタム(Qtum)の注目ポイントや将来性について、初心者でもわかるように解説。クアンタムは、ビットコインとイーサリアムの融合とも言われ、21年に入り高騰した。

インタビュー内容まとめ

― Q. 自己紹介をお願いします。

私の名前はPatrick Daiです。

Qtum創業者兼CEOとして、チームを先導しています。私が仮想通貨界に入ったのは2012年でした。

年齢は27歳ですが、5年の経験があるので仮想通貨界では“年寄り”ですね。

私はマイナーとして仮想通貨界に入り、ビットコインをマイニングしていました。

今では中国最大のマイナーの一人です。

2014年にAlibaba社に入社し、翌年、中国の名門でコンピューター科学の博士号を勉強中、ビットコインなどの仮想通貨の特質を融合した新しいビジネスを作りたいと思い、Qtumプロジェクトが生まれました。

Q. Qtumとはどのような企業でしょうか。企業理念や価値提案を教えてください。

Qtumプロジェクトを正式に開始したのは2016年3月でした。

Qtumはとても単純で、技術的に話せばイーサリアムのVirtual Machine(EVM)とビットコインのUTXOモデルに似ています。

つまりProof-of-stakeとsmart contract機能を融合したものがQtumになります。

長期的に、Qtumは最も革新的なプラットフォームの一つになるでしょう。

イーサリアム社がCasperシステム(Proof-of-stake)を発表しましたが、これが実現するまで1~3年かかると思います。

Proof-of-stakeかつスマートコントラクト機能を同時に持つことがQtumの強みです。

―Q. 現在どのようなプロジェクトに最も力を注いでいますか?

現在二つのプロジェクトが進んでいて、一つはライトニングネットワーク、二つ目はX86バーチャルマシンです。

Qtumのライトニングネットワークによって、一部のQtum取引をOn-chainからoff-chainに移そうとしています。

X86はEVMの競合商品になるでしょう。

将来、開発者はX86上でC++言語(Java、Python)などの主要プログラムを使ってスマートコントラクトの設計が可能になります。

これによりスマートコントラクトをより幅広い方々が利用できるようになり、より多くの開発者がX86を使い非中央集権プラットフォームを設計できるようになるでしょう。

Q. Qtumの特色は、どのように将来のプロジェクトに貢献されるのでしょう?

ビットコインとイーサリアムはオープンソースプロジェクトなので、Qtumは二社の設計を模倣しました。

Qtumのアイデアは仮想通貨界パイオニアの素晴らしい技術を基盤に、より良い商品を開発することです。

QtumはEVMとUTXOの利点を融合しているため平行性、安全性、安定性に優れます。例として、ここ数か月間、Parityウォレットに複数のハックがありました。

私はこのハックの原因がスマートコントラクトではなく、デザインアイデアが間違っていたからだと思います。

時にスマートコントラクトは柔軟性に欠けるため、絶対に一つのソフトウェアに多額の投資をしてはいけません。

なぜ誰もビットコインのUTXOにハックをしないのでしょうか?それはビットコインウォレットには独自のマルチシグネチャがあり、その安全性はソフトウェアやスマートコントラクトではなく、数式によって保障されているからです。

これはビットコインの大きな強みの一つで、ビットコインがイーサリアムなどの仮想通貨に優れる点です。

QtumはビットコインのUTXOを模倣し、仮想通貨レイヤーとして最もシンプルで安全です。

―Q. Qtumはどのように仮想通貨界を勝ち抜く予定ですか?

2016年に正式に事業をスタートしたにも関らず、Qtumは既に素晴らしい成果を上げ、最も若い『ユニコーン企業』となっています(未上場にも関わらず高い評価を得ている企業)。

とても速いペースで成長中で、イーサリアムやビットコインのデザインと似ているため、人々に受け入れられやすい事もQtumの利点です。

スマートコントラクトとProof-of-stakeの両方を持つプラットフォームは最大の強みと言えるでしょう。

イーサリアムやビットコインはブロックサイズ問題の懸念から、数年間ハードフォークするべきだと討論されてきました。

しかし優れた分散型ガバナンスモデルをデザインすることは今後も課題となるでしょう。

Qtumでは従来のトップダウンのような決定をしないため、新しいアイデアや技術の受け入れが他社より早いです。

またQtumのメインプラットフォームはスマートフォンなどのモバイル機器です。既にスマホ上でQtumウォレットを利用しスマートコントラクトを使うことができます。

これらのQtumの強みを使い、仮想通貨界で勝ち抜いていきます。

Q. なぜモバイルアプリケーションがメインプラットフォームなのでしょう?

仮想通貨界を見ていると、過去のインターネット時代を思い出します。現状では、プライベートのキーを管理することはとても複雑です。

新しい技術が開発されたとき、顧客が簡単に利用できるまでは時間がかかります。そのような目まぐるしい仮想通貨界で、人々が最も利用するモバイルスペースをQtumのメインプラットフォームとして選択し、たくさんの資産を投資しています。

Qtumのアプリを使い、ウォレット内の預金を管理し、さらにはスマートコントラクトを利用することができます。

仮想通貨を主要決済手段にするためのステップとして、モバイルを選択しました。

逆に、モバイルプラットフォームは仮想通貨を大衆市場へ導入するための唯一の“窓口”だと、私は思います。

―Q. 今後日本を拠点に、チームや支社を作る予定はありますか?

日本の仮想通貨市場はとても大きいので、今後より活発に活動することを望んでいます。

現状でQtumチームは日本にいませんが、もし経験のある開発者がいれば私に教えてください(笑)

私がQtumの従業員やチームを選ぶというよりは、ビットコインコミュニティ内の技術者らが私にコンタクトを取ります。

ですので、Qtumチームは世界中に散って同じ事業を進めているのです。

Q. ビットコインにはスケール問題がありますが、Qtumのブロックサイズについて詳しく教えてください。

現在ビットコインのブロックサイズは1MBです。

サトシナカモト氏はブロックサイズが大きすぎると小さい取引が増え、DDoSハックに弱くなるため今の設計にするしか方法がなかったのだと思います。

ビットコインは毎日3十万取引を処理することができます。マイナーや利用者はブロックサイズを大きくし、各ブロックにより多くの取引を含ませるように訴えていますが、他の方はビットコインプラットフォーム上にもう一層のネットワークを構築し、一部の取引をそのようなライトニングネットワークに移そうとしています。

しかしそれにはコストがかかるため必然と手数料が増加するといった不利点があります。

Qtumではスケールと非中央集権化のバランスを保とうとしています。現在Qtumはビットコインのソースコードを基盤にしています。

改善点も多いですが、ビットコインのブロック処理時間10分に対して、Qtumは約2.2分です。

ブロックサイズはビットコインの2倍の2MBなので、よ多くの取引をより早く処理することができるのです。

― Q. プロモーションはどのように計画中ですか?

時にQtumの商品はテクニカルな部分が多いので、どうすれば簡単に顧客に理解してくれるかを模索しています。

イーサリアム、ビットコイン、Qtumを比べた時、著しい大きな違いはないので、これはさらに難しい点でしょう。

Qtumはエコシステムを通し、価値想像をしようとしています。例えば、オープンソースや記事を公開し、認知度を上げようとしています。

Q. ビットコインのProof-of-workマイニングは電気を多く消費しますが、今後仮想通貨界でPoWマイニングがどのように変化していくでしょう?なぜQtumはPoSマイニングを利用しているのでしょうか?

PoWであれ、PoSであれ、目的は同じですです。市場にコインを配布し、適切なノード(取引資格のある)を選択することです。

サトシナカモト氏がビットコインを設計したとき、PoWを採用する以外方法がありませんでした。

しかし市場が成長すればより多くのマイナーが参入し、PoWは時代遅れとなり、PoSが主流のマイニングになるでしょう。

Qtumのビジョンは仮想通貨としての成功に踏まえ、プラットフォームとして機能する企業になりたいのです。

しかしグローバルレベルのプラットフォームになるには、PoWは適していません。個人的な考えとして、PoSはパワーがある上、環境にやさしく、ビジネス向き、長期的によりスケーラブルで、柔軟性があります。

さらにコミュニティの人々が投票によって決定することができる点もPoSの利点です。

これらの利点を踏まえ、QtumはPoSを採用しました。仮想通貨市場がさらに大きく発展すれば、PoSも主要システムとして受け入れられるでしょう。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/12 金曜日
06:15
英上場企業サツマ・テクノロジー、保有BTCの約半数を売却 社債返済目的で
英国のビットコイン関連技術企業サツマ・テクノロジーが11日、保有する1199BTCのうち579BTCを売却し、約4000万ポンドの純収入を得たと発表した。売却後も620BTCを保有し現金約9000万ポンドを確保している。
05:55
21シェアーズがXRP現物ETFを上場、「TOXR」で取引開始
スイスの資産運用会社21シェアーズが11日、XRP現物ETFを米CBOE取引所に上場した。コインベース、アンカレッジ・デジタル・バンク、ビットゴーがカストディアンを務める。
05:35
JPモルガンがソラナ上で初の債券発行を実施、77億円相当のコマーシャルペーパー
JPモルガン・チェースが11日、ギャラクシー・デジタル向けに5000万ドルのコマーシャルペーパーを初めてソラナブロックチェーン上で発行したと発表した。
12/11 木曜日
18:32
NYSE、サトシ・ナカモト像を設置 ウォール街の変化示す
ニューヨーク証券取引所がビットコイン創始者サトシ・ナカモトの像を設置。設置者のトゥエンティワン・キャピタルは約4万BTC保有で世界3位。伝統的金融が仮想通貨を受け入れる象徴的出来事に。
17:56
テザーとHoneyCoinが提携、アフリカでUSDT決済を拡大
テザーはHoneyCoinと戦略的提携を発表し、アフリカでのUSDT決済拡大を目指す。HoneyCoinはQRコードや専用端末に対応したPOSネットワークを導入し、加盟店が直接USDTを受け取れる仕組みを構築。まずケニアでサービスを開始し、他市場へ展開予定。現地通貨の変動リスクを避けたいユーザーの需要に応え、アフリカにおけるステーブルコイン普及を加速させる。
17:15
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始。販売所・取引所・つみたてに対応し、1万円購入で抽選1万円分のSOLが当たるキャンペーンも実施中。
16:47
ブータン都市GMC、金裏付けトークン「TER」発行へ ソラナ活用
ブータンの特別都市GMCが、金を裏付け資産とする国家支援型トークン「TER」をソラナ基盤で発行。DK Bankが販売・保管を担い、同国のデジタル経済戦略を加速させる取り組みとなる。
16:33
仮想通貨取引所ジェミニ、CFTC承認で予測市場参入へ
仮想通貨取引所ジェミニがCFTCから予測市場運営の承認を取得。関連会社ジェミニ・タイタンを通じて二者択一式イベント契約を提供する。カルシとポリマーケットが急成長する予測市場で、競争が激化している。
14:58
仮想通貨業界トップ、米CFTC新設諮問会議に参加へ
米CFTCが「CEOイノベーション評議会」を設立し、クラーケンやジェミナイなど仮想通貨業界トップが参加。デリバティブ市場の構造変化やトークン化について議論。仮想通貨担保のパイロットプログラムも開始。
14:06
レイヤーゼロ(ZRO)とは?スターゲートの使い方・バイバックの仕組みを解説
レイヤーゼロ(LayerZero)の仕組みやZROトークンのバイバック、スターゲートを使ったブリッジ方法を初心者向けに解説。Stargate買収の背景やリスクまでわかりやすく紹介します。
12:05
イーロンのスペースX、146億円相当のビットコイン移動 IPO関連か?
イーロン・マスク氏率いるスペースXが約146億円相当のビットコインを移動した。10月から毎週大規模な送金を継続しており、IPO計画との関連が注目されている。
11:49
トム・リー氏、「イーサリアムは既に底打ち」 先週690億円相当を購入
ビットマイン会長トム·リー氏が、イーサリアムは既に底入れしたと発言。同社は先週、約4億6,000万ドル相当のETHを購入し、10月以来最大規模の買い増しを実施。今後10~15年間、ビットコインよりもイーサリアムの将来性に期待を寄せている。
11:49
FRBの慎重姿勢でビットコイン反落 2026年の利下げは限定的か
FRBは25bpの利下げを決定したが、パウエル議長の慎重姿勢を受けビットコインは下落した。2026年の追加利下げは1回との見方が広がる中、グラスノードのデータは実現損失が1日5.5億ドルとFTX崩壊時並みの高水準を示す。機関投資家の本格参入で4年サイクル終焉論も加速。
11:04
米大手9行が仮想通貨企業を排除 通貨監督庁が是正へ
米通貨監督庁(OCC)は、JPモルガンなど大手9行が2020-23年に仮想通貨企業を含む合法事業者へのサービスを業種理由で制限していたと発表。「金融の武器化」と批判し、違法行為には司法省照会も検討。トランプ政権下で「デバンキング」問題の是正が加速。
11:00
ビットコイン9.4万ドル急騰からの反落、FOMC利下げ後に軟調な動き|仮想NISHI
FRBの25bp利下げを受け、ビットコインは一時9万4000ドルまで上昇したものの、その後反落。X-Bankアナリストの仮想NISHI氏によると、デリバティブ市場でのロング解消による売り圧力が現物買いを上回っている。欧米機関投資家のクリスマス休暇入りを控え、年末にかけて軟調基調となるリスクを指摘。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧