- インド政府の規制発表以降、国内の仮想通貨取引高は増加傾向
- インド準備銀行(RBI)は4月上旬に公表したプレスリリースの中で、国内の銀行が仮想通貨関連企業との関係を絶つよう要求しました。これに従うならば、インドルピーと仮想通貨が交換できる猶予は残り約2ヶ月であり、投資家の「駆け込み需要」が国内の取引高を押し上げていると考えられます。
- 「法定通貨基軸」の取引所から「仮想通貨基軸」の取引所へ
- RBIのプレスリリースに従うならば、7月以降、国内の仮想通貨取引所でインドルピーと仮想通貨との取引をするのが困難になります。それを見越し、Koinexでは4月下旬にXRP基軸の取引所開始を発表していました。
インドで仮想通貨取引量が急増しています。
2018年4月にはインド準備銀行(RBI)は、国内の銀行が仮想通貨関連企業との関係を絶つよう要求しましたが、依然として取引が衰退する様子は見られません。
インド政府は4月上旬に仮想通貨の規制に関するプレスリリースを発表
RBIが4月5日に公表したプレスリリースは国内銀行に仮想通貨関連企業との関係を断つように要求するものでした。
さらに、プレスリリース中には、国内銀行が仮想通貨関連企業との関係を絶つまでの猶予が3ヶ月(7月まで)であることが明記されています。
ただし、この発表はインド国内の仮想通貨取引自体が禁止になるというものではありません。
第一に、国内の銀行がどこまでこのプレスリリースを遵守するのかわかっていません。
第二に、仮に国内銀行が仮想通貨関連企業との関係を遮断し、インドルピーを仮想通貨に替えることが困難になっても、国内の投資家が外国の銀行を通して仮想通貨を購入したり、仮想通貨同士の取引をすることについては制限されません。
CoinPostの参考記事
インド国内の仮想通貨取引高は増加している
RBIの発表後も仮想通貨価格と日々の取引量は増加しました。
インドのビットコイン価格は約104万円です。
この数字は、RBIのアナウンス後数日平均で約57万円だったビットコイン価格を大幅に上回っています。
また、国内の仮想通貨取引量も増加しています。
規制実効までの「駆け込み需要」がインドの取引高を押し上げる
RBIの規制が効力を持つまでの3ヶ月の猶予期間を利用しようとするトレーダーの流入が報告されています。
投資家らは、国内の取引プラットフォームで仮想通貨を購入できる間に仮想通貨を取得しておこうと考えています。
そうすることで、RBIの規制が発効された後も、これらの投資家は依然としてプライベートな取引プラットフォーム上で仮想通貨を取引することができます。
このような事情に対して、ニューデリーの仮想通貨取引プラットフォームであるBuyUcoinのCEO Shivam Thakral氏は次のように述べています。
政府の規制措置によって、国内の銀行を介して仮想通貨が取引できない場合でも、仮想通貨対仮想通貨の取引プラットフォームで取引することはできます。
新たな投資家が我々の取引所に参入しており、仮想通貨価格が上昇するにつれて、既存の投資家も利益を取り戻し始めています。
国内の取引所の動向は?
政府の規制措置が実行されれば、国内の取引所はインドルピー建てでの仮想通貨取引量が減少する可能性があります。
それを見越してか、インドの大手仮想通貨取引所Koinexは4月28日にXRP基軸取引を開始しました。
CoinPostの参考記事
政府の規制措置の発表によれば、今後インドルピーと仮想通貨間の取引が難しくなる可能性はありますが、仮想通貨同士の取引には規制がかかりません。
Koinexは、トランザクションが速いXRPを基軸通貨とした取引所を開始することで、今後法定通貨との取引が困難になっても、インドの投資家が容易に仮想通貨を取引できるプラットフォームを構築しようとしていると考えられます。