- なぜ韓国では仮想通貨が人気なのか
- 韓国の人口は世界人口の1%にも満たないものの、ある推算によると世界の仮想通貨トレードの30%が韓国で行われているとのことです。韓国での流行の理由として、テクノロジーに対する関心・好奇心の高さ、およびオンライン少額決済への抵抗感が少ないことが挙げられます。
- 韓国のオンライン少額決済のルーツ
- 韓国では、2000年初頭からオンラインゲームにおいて”バーチャルな通貨(≠ virtual currency)”を介した少額決済が普及しており、国民の50%以上がオンライン決済を行なった経験があります。そのため、負のイメージを抱くことなく仮想通貨投資に参入した国民が多いことが考えられます。
なぜ韓国では仮想通貨が人気なのか
韓国の仮想通貨市場は盛り上がりを見せ、現在では世界有数の仮想通貨国家として市場へ大きな影響力を示しています。
韓国の人口は世界人口の1%にも満たないものの、ある推算によると世界の仮想通貨トレードの30%が韓国で行われているとのことです。
老若男女を問わず仮想通貨に関心を示す国民が多く、アメリカがおこなった調査によれば人口の8%が仮想通貨への投資活動を行なっています。
なぜ、韓国の国民は仮想通貨への投資に対してこれほどまでに熱狂的なのでしょうか。
米テックメディアVentureBeatはその理由として以下の2点をあげています。
- 韓国のテクノロジーに対する関心・好奇心の高さ
- オンライン決済への抵抗感が少ないこと
韓国のオンライン決済のルーツ
韓国は多岐にわたるITユースケースの世界的なリーダーであり、1990年代後半からワイヤレステクノロジーの開発・導入を世界に先駆けて進めてきました。
例えば、韓国のNexon社はオンラインでの少額決済やMMORPGを手がける最初の企業となり、SNSやVoIP(音声電話のデジタル化・送受信技術)なども1990年代後半から開発が行われています。
また、韓国では2001年頃からカメラ機能付き携帯電話が爆発的に普及しましたが、それがアメリカや日本をはじめとした他国で普及し始めたのは、韓国での流行が始まった2-3年後の2004年頃でした。
現在の韓国における仮想通貨の盛り上がりも、このような新技術への親和性を大きく反映しているものと思われます。
さらに、新技術への適応力の高さに加えて国民の多くがオンラインでの少額決済を行なった経験があることも仮想通貨の普及に一躍買っていると思われます。
韓国のオンラインゲーム会社であるHangameは、ゲーム上で利用されるオンライン少額決済を国民に大々的に広めた当事者であり、2000年頃からオンライン決済は急速に普及しました。
オンライン決済にあたって、ユーザーはHancoinと呼ばれるゲーム内通貨をあらかじめ購入し、このゲーム内通貨を介してアイテムなどの購入が行われました。
2001年にはすでに1日あたり30000ドルほどの決済がHangame内で行われ、その決済の平均額は50セントほどでした。
その決済ボリュームは年々増加していき、2004年には1日あたりの決済金額は25万ドルを超え、1年間で9300万ドルの決済量にも及んだとのことです。
この時点で、国民の50%以上がHancoinを利用した経験があり、仮想通貨のような”バーチャルな通貨(≠ virtual currency)”を介してオンライントレードビジネスが成立していたことになります。
韓国市場のこれから
昨年、韓国はビットコイン取引で3位の取引量を誇り、イーサリアムの取引では世界で一番大きい市場となりました。
さらに、韓国の大企業である現代自動車やサムスンなどが相次いでブロックチェーン技術の開発へ参入することを発表しており、単なる投機に留まらず新技術の有効なユースケースが全方位に向け模索されています。
先に述べたように、オンラインでの少額決済やSNS、カメラ付き携帯電話など、多くのテクノロジーが韓国で先行した後に世界へ波及していることからも、仮想通貨・ブロックチェーンの本格的な普及にあたって、韓国での流行が”台風の目”となるかもしれません。