はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインETFが直面する「相場操縦」という大きな壁

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECの判断基準は
国際金融専門法律事務所の専門家は、「ビットコインETFを通す前に、米国仮想通貨業界における法規制問題を解消する必要がある」と指摘。そのほか、仮想通貨業界の有識者たちの見解をまとめている。

ビットコインETFが直面する課題

米経済誌フォーブスのライターAaron Stanley氏によると、ビットコインETFに対する米国証券取引委員会(SEC)の態度は終始一貫しており、一年半前にウィンクルボス版ETF申請を初めて却下した際公開された時と同じ文面である「ビットコインETFの要件水準を満たしておらず、価格操作や詐欺対策が十分に見られない」と説明されました。

7月26日にウィンクルボス版ETFが却下された際、タイミング的にサプライズとなったことで、BTC価格は約5%急落したものの、昨日9つのETFに対する非承認が判明された際は、約3%の下落に留まりました。

これに対し、大手投資ブローカーeToroのシニアアナリストのMati Greenspan氏は、「予期された悪材料として、すでに織り込み済みだった」と指摘しました。

複数の専門家による考察

ETFが通らない要因については、前回同様、「相場操縦(価格操作)」や「詐欺対策の欠如」と記されており、仮想通貨市場における各種リスクに対し、個人投資家を不用意に晒さないよう配慮している側面が見受けられます。

米名門ジョージタウン大学(Georgetown University)の金融学科教授James Angel氏は、

SECの否決が明示しているのは、取引所(NYSEアーカやCboeBZX)が詐欺行為や相場操縦(価格操作)を防ぐ方法を示さなければならないということであり、現段階では、取引所がそれを十分満たしていると言えない。BTC市場の歴史を鑑みれば、SECの慎重さは当然だと考えられる。

と述べました。

さらに、仮想通貨取引市場に向けた監視サービスを提供するSolidus LabsのCEO「Asaf Meir」氏は、BTCなどの仮想通貨は、その特性上、相場操縦されやすいと指摘。

SECの観点は、『不十分な監視』を繰り返し非承認理由とするなど、大規模な価格操作に関する懸念が色濃く反映されている。

と語っています。

このことから、ビットコインETFの提供側(ProShares等)がSECの承認を求めながらも、市場健全化に関して十分な進展を確認できない点が、判断に重くのし掛かっているものと考えられます。

払拭されぬ懸念点

米ニューヨークに本社を置く、国際金融専門法律事務所「Strook&Levan」のパートナーHuhnsik Chung氏は、ビットコインETFを通す前に、「米国の仮想通貨業界における法規制問題も解消されなければならない」と見ています。

Chung氏は、

SECの否決は、グローバル規模で起きている懸念が、仮想通貨市場の成長を抑圧している所に起因すると考えられる。

と語り、

証券性トークンの複雑な納税体制、各国における仮想通貨市場の不一致な規制システム等が、ICO市場の成長を妨げながらBTC市場を抑制している。まずこのような疑問点を解消しない限り、デジタル資産ビジネスがより寛容な規制環境を求め、米国を出ていく現状は改善されないだろう。

と指摘しました。

異なる意見も

その一方で、BTC擁護派にとって、ビットコインETFの非承認は、機関投資家の参入という観点からも悪いことではないという見方もあります。

カナダのモントリオール市にあるAcadamie Bitcoinの創設者であるJonathan Hamel氏は、

「ビットコインETFの非承認は、それほど重要なことではない。なぜなら、機関投資家向けのOTC現物市場は始まったばかりだからだ。BTC建ての金融商品実現は、できる・できないの問題ではなく、いつ実現するかが肝心だ。」

と楽観視しています。

また、Solidus LabsのCEOを務めるAsaf Meir氏は、「仮想通貨市場でよく見られる、風説の流布や仮想通貨に特化した、新手の相場操縦などの違法行為を対策するため、自主規制策を大幅強化しない限り、ビットコインETFの承認は見込めないだろう。」と見解を述べました。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧