- 米国初の州立仮想通貨タスクフォース設立
- 米NYで可決した「仮想通貨タスクフォース設立法案」に基づき、米国初となるデジタル通貨・ブロックチェーン専門の研究チームが結成された。取引所など仮想通貨関連業者などに拘る「ビットライセンス」への影響も考察。
ニューヨークの仮想通貨規制動向
米ニューヨーク州議会の公式サイト によれば、州知事を務めているAndrew Cuomo氏は、新たに可決された法案=【仮想通貨タスクフォースの設立】に署名し、米国の州における初のデジタル通貨・ブロックチェーン専門研究チームの結成を行った。
このタスクフォースは、知事と州議会から任命される技術者・消費者・機関および個人投資家・企業代表・学者から一つの組織となり、2020年12月15日に、研究結果の報告書を提出することが設定されている。
このタスクフォースの主な任務は、以下の通りだ。
- 仮想通貨の定義・利用・規制に関する改善案の提出
- 仮想通貨マイニングのエネルギー消費に関する研究
- ニューヨーク州における仮想通貨取引の現状・税制にもたらしうる影響
ビットライセンスにも影響か
ニューヨーク州は、全米においても仮想通貨関連業務の規制が最も厳しいとされており、2015年、同州の金融サービス局(DFS)は、通称『ビットライセンス』という「virtual currency license and a money transmission license」(仮想通貨ライセンス・送金ライセンス)の取得を州内で仮想通貨関連業務を行うことに当たる必須条件として公布しており、審査プロセスが極めて厳格なため、現在に至るまで、14社のみライセンスを取得している。
ビットライセンスの管轄範疇は主に以下のようになる。
- 仮想通貨の送金業
- 仮想通貨のカストディ業(保管業者)
- 取引所や交換所の運営
- 仮想通貨の発行や運営
また、米仮想通貨取引所Krakenは、以前同州の司法長官による取引所の調査を拒んだことなど、このビットライセンスの申請負担が大きいことなど課題が指摘され、ライセンス取得済の取引所は少数に留まりながら、ライセンスの改正を求める声もあった。
しかし、今回タスクフォースの結成法案では、ビットライセンスの改正などに関する明確な言及は無かった。
とはいえ、同法案のスポンサーであるClyde Vanel議員は、ビットライセンスを発行して以来、仮想通貨業界も年々と変化しており、フィンテック関係の規制をより適切にすることが望まれている、
このタスクフォースは、健全なブロックチェーン産業・仮想通貨経済環境と投資家の保護の間のバランスを取る仕組みとなるだろう。
と、言及している。
ビットライセンスの改正に直結すること自体は未知数だが、業界の健全化には恩恵がもたらされると期待されており、金融の中心地であるニューヨーク州は再び一歩先に踏み出したと言えるだろう。
さらに先月、米国会では、初の仮想通貨を定義する法案『トークン分類法 2018』が提出された。特に注目されている項目は、仮想通貨を有価証券から分離させ、【デジタル・トークン】と明文化する点だ。
このように、仮想通貨の規制を取り巻きつつある米国の動きは、米国内だけでなく、主要経済国にとっても大きな意味合いとなるだろう。
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