- 「コインハイブ」がサービス終了へ
- 仮想通貨マイニングツールを提供する「Coinhive」が、2019年3月8日をもってサービスを終了する。理由はモネロのハッシュレートと通貨価格の状況だとしている。
「コインハイブ」がサービス終了へ
仮想通貨マイニングツールを提供する「Coinhive」が、2019年3月8日をもってサービスを終了することが明らかになった。サービス終了予定の旨を伝えたブログ内では、以下のように綴られている。
18ヵ月に渡り、このプロジェクトに懸命に取り組んできたが、正直なところ、経済的に存続が厳しい状況となっている。
モネロのハードフォークで50%以上ハッシュレートが落ちたことで、かなり難しい局面となった。また仮想通貨市場の大暴落で、XMRの価格も一年間で、85%以上下落した。
こうした状況と3月9日に予定されているモネロのアルゴリズムのアップデートに伴うハードフォークなどを踏まえ、コインハイブのサービス終了の結論に達した。
Coinhiveとは
Coinhiveとは、サイトの運営者がサイト訪問者に仮想通貨をマイニングさせることで、収益を得るサービスとなっている。
サイト運営者はHTMLにCoinhiveが提供する数行のコードを埋め込むことで、サイト閲覧者のブラウザからCPUを動かし、モネロのマイニングを行うことができ、獲得したモネロは、サイト運営者7割、Coinhive3割の比率で山分けされる。
閲覧者がサイトを閲覧している間に閲覧者のPCでモネロがマイニングされ、その一部をサイト運営者が獲得することで、サイト運営者がサイト閲覧の対価を受け取ることができる仕組みとして、注目を集めていた。
コインハイブ事件
Coinhiveのサービスをめぐっては、サイト閲覧者のPCが本人の同意を得ないまま利用されるケースが増加し、それを問題と捉えた警視庁は、18歳から48歳の学生や会社員など計16人を「不正指令電磁的記録(ウイルス)供用容疑」などで逮捕・書類送検している。
今年1月9日には、これに関連した裁判が横浜地裁で始まっている。同裁判の被告人はウェブデザイナーの男性で、横浜簡裁から罰金10万円の略式命令を受けていたが、これを不服として正式裁判を請求していた。
男性は、略式命令を受けたあと、「コインハイブに興味を持ったエンジニアが同じ目に遭わないように」注意喚起するため、家宅捜索と取り調べまでの経緯をネットに公開したところ、大きな反響があり、テレビ局などマスメディアでも取り上げられている。
周囲のエンジニアも、
問題点が”了承を得ずに動くプログラム”とするならば、ネット広告やアクセス解析と変わりない。
「社会的に許容されるかどうか」という判断基準も、合法か違法かの線引きが曖昧であり、技術革新に対してエンジニアが萎縮しかねない(技術者の意欲が削がれる)。
などと懸念を表明しており、警察の取り調べ方法や摘発に対して反発する声も多く寄せられている。
なお、情報セキュリティ大手「トレンドマイクロ」社の岡本氏は、「改ざんサイトに埋め込むなど、悪用が多いので検出しているが、コインハイブ自体が不正とはみなしていない」との見解を示している。
同裁判の判決は、3月27日となっている。
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